2018.3.23 06:09/ Jun
まことにありがたいことに、仕事柄、さまざまな場所で、講演をさせていただく機会に恵まれます(お声がけいただき、心より感謝です!)。
本務である教育・研究・事業に差し障るので、95%はお断りをせざるをえない状況にございますが、それでも、月に1度程度は、登壇の機会をいただけます。まことにありがたいことです。
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講演をお引き受けするか、どうか、を決めるとき、僕には、自分なりに決めている「シンプルなルール」があります。それは「現場・経営に変化をもたらすこと」ができそうか、どうかです。
どんな小さなことでも、自分なりに自信をもって「変化をもたらすこと」ができそうだと思えば、お引き受けできそうです。反対に、これは難しそうだな、僕には自信はないな、と思うときには、どんな条件でも、お引き受けできそうにございます。
とてつもなくシンプルなルールですが、「変化」は僕にとって、非常に大きなことです。
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それでは、僕は、具体的に、どのようなことで「変化のきざし」を実感するのか。
それは「不遜な言い方」をすることになってしまうかもしれませんが「ご依頼の内容」から判断をさせていただくことがほとんどです。
たとえば、
「管理職のコミュニケーション力を向上させたいのですが、1時間の講演スタイルで、1000人にむけて講義をお願いします。内容は、中原さんのお好きなもので結構です」
と皆さんがご依頼を受けたとしたら、これは「変化」は生まれそうだとお考えでしょうか?
もちろん、中には「1時間の講演」で劇的にコミュニケーションスタイルを変える人もいないわけではないと思います。現場から遠い僕の話でも、もしかすると、そうした変化がもたらされるかもしれません。しかし、99%の人にとっては難しいと思います。
おそらく、講義が終わる10分くらい前には、「あー、今日は、いい話をきけたな、さっ、仕事に戻ろう」となり、30分後には綺麗さっぱり忘れてしまうのが「落ち」でしょう。
それにですね・・・1時間の講演で、コミュニケーションを劇的に改善してくる管理職がいたら、どんな内容だったのか?と疑ってしまいませんか? 「洗脳」(笑)?
「変化」のために、どのようなリソースをかけるのか。
たとえば、そのためには、時間や、クラスサイズはいかにあるべきなのか。「変化」のために、僕は何をお話するべきなのか?この「目算」がたたない場合には、自信をもってお引き受けすることが難しいことになります。
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例をもうひとつ。
たとえば、
「当社の事業戦略上、人事制度をかえます。これにともない、管理職の方々にフィードバックを教えたいのですが、いかがでしょうか? ただ、当日、役員会がございまして、社長以下、事業部長も、人事部長も欠席なのですが・・・」
というご依頼をいただけたとします。
この場合はいかがでしょう?
もしこのご依頼ならば、たぶん、僕は、自信をもってお引き受けできないなと思います。なぜなら、僕が「事業戦略や人事制度の変化」を効果をともない語るのは難しいからです。つまり、この研修には「学ぶコンテキスト(必然性)」が生まれていない。なので、この後に、どのような内容を語っても、参加者には「刺さりません」。
僕ならば、事業責任者、ないしは人事の責任者が、この研修の冒頭に登壇し、事業の変化、人事制度の変化について、生の声で受講生に語り、理解を求めていただきたいと思います。そういう「打ち込み」なしで、変化が起こるとは、僕には思えません。
僕は「変化のきざし」をそのようなディテールで感じます。
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今日は、講演のお話をさせていただきました。
なぜ、このように「現場・経営に変化をもたらすこと」にこだわるかは、それが「人材開発の根幹」だからです。
人材開発とは、「学びのメカニズムを用いることで、組織・現場の目標達成や変革に資すること」です。自ら、自分の専門の根幹を裏切ることはどうしても、できません。
あなたのまわりの研修では、小さな「変化」は起きていますか?
あなたは、どのような基準やルールで、研修や講演をお引き受けしていますか?
そして人生はつづく
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