2017.10.16 06:16/ Jun
あなたの会社のインターンは「学びに満ちたインターン」ですか?
それとも「放置インターン」ですか?
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先だって、法政大学キャリアデザイン学部が主催のイベント「インターンの活かし方ー大学と企業が、今、できることー」に登壇させていただく機会を得ました。
同大学の田中研之輔先生、武石恵美子先生には、このような機会をたまわりありがとうございます。また、同じく登壇者でございましたサイバーエージェントの曽山哲人先生、司会をつとめて堤信子先生、酒井理先生には、様々な刺激をいただきました。この場を借りて感謝いたします。
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さて、今回のイベントは就職活動における「インターン」について特化したイベントです。
実は、このイベント、お誘いいただいたときから、僕は、ある種の「アウェー感」を感じながら、お引き受けていました(まことに恐縮です)。
僕は「採用」や「就職」はそれほど知らないし、ましてや「インターン」はわからない。そんな僕が「インターンの活かし方」という銘打ったイベントで何を話そうか、途方に暮れていました。
田中先生からのご依頼でしたので、何とかお引き受けさせていただきたいなとは思いつつ、どのような「貢献」が自分に可能か、きちんと把握できていなかったように想います。
ですので、数日前から準備をしていつつも、かなりプレゼン作りに苦労していました。
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しかし、当日、先生方の発表をうかがっていて、なんとなく「自分に登壇機会を薦めてくださった」理由のひとつがわかってきました。
それは
1.インターンは、8割・9割の学生が経験するものになっている一方で
2.その質や内容に「分散」が激しく、せっかくの機会を活かし切れていない
3.インターンをよりよいものにするには「学びの視点」を導入していくことが重要で
4.とりわけ、学生は社会人からの「フィードバック」を求め、「学び」を欲している
ということであったのかなと把握しています。
あっ、そうですか・・・「学び」とか「フィードバック」の話なのね。
だったら「大好物」だわ(笑)。むしろ「専門」だわ。お声がけいただいて、ありがとうございます。
自分の発表も、その後のパネルディスカッションも、そこからの視点でよろしいということありましたので、楽しく行わせていただきました。心より感謝いたします。
当日、公開させていただいたプレゼンテーションですが、下記に公開させていただきますので、ご笑覧くださいませ(公開につきまして、一部改変を加えております。あと一部、タイトルなどが、うまくでません。恐縮です。雰囲気をおつかみください)。
内容は
1.エピソードからうかがいしる「インターンの現状」と「問題点」
2.学びの観点から考える「インターンにのぞむこと」
の2点になっています。
中では、研究室博士課程の高崎さんの研究知見などもご紹介させていただきつつ、
就職やインターンなどにおける「学び」が、いかに「教育機関と仕事領域のトランジション」をつなぐ機会になるか
を考えています。
どうぞご笑覧くださいませ!
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今日はインターンについて書かせていただきました。
プレゼン内部でも書かせていただいたことですが、
世の中には、
「社会人からのフィードバックのある学びに満ちたインターン」と「フィードバックのかけらもない職場放置インターン」
の2つがあるのだといいます。「職場放置インターン」のど最悪の極みは、インターンと称して、労働力を搾取されている状況ですね。わけもわからず、職場に配属され、大量のコピー資料のホチどめをやらされている、という感じでしょうか。
また一方で、
「インターンを自分のキャリアに活かそうとする学生」と「適当にインターンでもこなしとくかと思っている学生」
の2つがあるのだといいます。
問題は、ここには、「2×2の可能性の空間」ができることです。
おそらく、この両者は「共振」しあい、相互に惹かれ合うはずです。
よいインターンをしたいという企業は、よき学生を求めます。
お茶を濁したいという企業の学生のもとには、インターンをこなす学生が集います。
すなわち、
「社会人からのフィードバックのある学びに満ちたインターン」×「インターンを自分のキャリアに活かそうとする学生」
と
「フィードバックのかけらもない放置インターン」×「適当にインターンでもこなしとくかと思っている学生」
の「2つのインターン経験」ができあがってくることでしょう。
その「格差」が、非常に問題であるように感じます。
格差は、これ以外にも様々に起こりえます。都市と地方のインターン経験の格差。学校間の格差。こうした格差をいかに解消していく努力をしていくかが、今後の課題かと思います。
そして人生はつづく
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