NAKAHARA-LAB.net

2017.4.19 06:16/ Jun

「現場とマネジメントのほどよいバランス」をさぐる!? : やっぱり僕は分析が好き!

 今年度は、大学院の研究室・研究部門にたくさんの「人の出入り」がありました。
 新年度がはじまり3週間がたち、まだまだ事態は余談を許しませんが、ようやく、ほんの少しだけ、研究室に落ち着きが生まれ出てきた気がいたします。
  
「落ち着き」といっても、「ようやく今年の話ができるようになってきた」というのが正直なところなのかもしれません。まぁ、ゴールデンウィークに入る前までには、何とかかんとか、皆が安心して休息できるところまでは持って行きたいと感じています。
  
  ▼
  
 ところで、この間、大きく人の出入りがあったことで、個人的には「興味深い収穫」もありました。
  
 ここ2年ほど、僕は自分自身で「データの分析」をやるのではなく、大学院生や研究員など、他の誰かが「分析してくれた結果」を見て、意思決定を行ったり、判断、指導をする役割を担っていました。要するに、規模が大きくなったプロジェクトを、マネジャーの立場で率いることが多くなったのです。
   
 が、新年度のこの間、一時的に人がいなくなったことで、いくつかのプロジェクトでは、自分自身で「データの分析」をせざるを得ない状況になったのです。
 やむをえず(笑)仕方なく(笑)締め切りが迫るので(笑)それもいくつものプロジェクトで(泣)
   
 しかし、久しぶりに自ら統計ソフトを用いて分析をやってみた感想は
  
 まだまだ、全然、できんじゃん!
 まったく、忘れてないわ
  
 という思いと
  
 分析、楽しいわ!
 やっぱ、好きなんだわ!
  
 という思いでした。
  
 僕は、やっぱり「現場」が好きだし、「研究」が好きだし、「分析」が好きなんだ、と思いました。
  
 ここ2年ほど、これらの多くの作業は、他のメンバーに、担ってもらっていたものがほとんどです。大変ありがたいことですし、ぜひ、これからも皆のご尽力に期待したいと思います。
  
 しかし、年齢的に、意思決定や判断や助言などのマネジメント業務も行っていかなければならないことは承知しつつも「やはりまだまだ現場にいたいな」という思いも同時にもってしまうのです。
 僕は「矛盾」しています。
   
 この間は、本当に苦しい時期でしたが、しかし、そういう思いを確認できたことはよかったのかな、と思っています。
 もう一度「仕切り直し」を行い、「現場とマネジメント」のよいバランスを見いだしたくなりました。
     
 ▼
  
 年度初め、まだまだ余談を許さない状況が続いています。
 よいかたちで、ゴールデンウィークを迎えたい、と思っています。
  
 そして人生はつづく
 
 ーーー
    
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