2016.10.28 07:05/ Jun
今年、製薬企業・ベーリンガーインゲルハイム様と一緒に取り組んできた「組織開発プロジェクト」のプロジェクトが終了を迎えました。
ベーリンガーインゲルハイムさんとのプロジェクトは、ワンセンテンスで申し上げますと、「各部門で、部門人事の方々が、組織開発を展開する足がかりをつくること」です。
このプロジェクトでは
1.各部門・現場で働いていらっしゃる、いわゆる「部門人事」の方々が
2.自分の所属組織の「組織課題」を分析し、
3.現場が求める「組織開発」を現場の人々とともに実践し、その結果を持ち寄る
4.アクションラーニング型プロジェクト
を実施しました。
僕にとっても、ゼロからはじめたまったくのカスタムメイド。僕にとっても「初挑戦」。しかし、だからこそ、楽しいものでした。
現場の部門人事の方々は、本当にご苦労をなさってプロジェクトを推進なさいました。
詳細を述べることはできませんが、それは本当に「茨の道」であったと思います。この場を借りて、皆様のご健闘を祝福するとともに、心より感謝いたします。
お疲れさまでした&ありがとうございました。
▼
今から振り返ると、このプロジェクトと伴走させていただいて、僕自身にもたくさんの学びがありました。それを下記に記すと、こんなところになります。
1.昨今、人事が「戦略パートナーとしての役割」「現場にインパクトをもたらすこと」を果たすことが求められているが、部門人事は、その中で、もっとも重要な役割を果たす。それは部門人事が「ビジネスからもっとも一番近いところにいること」からのチャレンジである。ここがこれまで以上に高度な付加価値を現場にもたらすことが、やはりもっとも重要である。
2.組織開発はイコール「ワークショップ」ではない。組織開発は、組織課題を「分析」し、真因をあぶり出し、「見える化」するフェイズこそがもっとも重要である。組織開発とは「組織における課題解決のプロセス」そのものである。組織の課題解決プロセスにおいて、「問題の定式化」にかけられる時間は、全体の時間の9割をしめる。
3.組織開発は「ゴールの設定」と「KPIの設定」がとても大切である。KPIは、様々なデータを収集したうえで、ストーリーをつくりながら設定することが重要である。KPIの設定とは「成果のポートフォリオ」をつくることに似ている。
4.「学術としての組織開発」と「実務としての組織開発」は、必ずしも重ならないこともある。今回、僕は「組織開発の学術専門用語」を「ひとつも使わない」で、部門人事の方々に組織開発のエッセンスを伝えることにチャレンジした。賛否両論はあるとは思うが、部門人事の方々の仕事に近い感覚をもっていただけたように思う
5.「実務としての組織開発」においては、組織開発は、人材開発や他の人事施策と「組み合わせて」実施されることがほとんどである。組織開発は、それだけを取り出して実施できることは必ずしも多くない。この意味において、組織開発を他からわける「境界」はいつも不明瞭である。しかし、そのことを嘆く必要は全くない。
ワンセンテンスでのべると
部門人事の可能性の探究
組織開発は「ワークショップ」ではない
組織開発は「ゴール設定」と「KPI設定」がキモである
組織開発の専門用語を「翻訳」する必要性
組織開発は他の人事施策とセットで考える
ということになりますね。
学び多きプロジェクトを本当にありがとうございました。
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最後になりますが、このプロジェクトのオーナーである同社の相原修さん、コアメンバーである原田学さん、川崎恵理さんに心より感謝いたします。
そして、この半年間、部門人事の方々の組織開発を支援してくださり、またプロジェクトをともに推進してきた来海敬子さん、泰道明夫さん、中嶋香奈子さん、大野宏さん、本当にお疲れさまでした。皆様とのプロジェクトは楽しいものでした。
そして、重ね重ね繰り返しになりますが、部門人事のみなさま、本当にお疲れさまでした。途中、さまざまなスパイシーなフィードバックをさせていただいたこともありますが、本当に皆様のご尽力には頭が下がりました。ありがとうございました。
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またひとつプロジェクトが終わります。
そして人生はつづく
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追伸.
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