2016.10.5 07:01/ Jun
先だって、都内のある会場で400名をこえる方々に、
グローバル人材育成を考える
それは「何」で、どのように「実現」するのか?
という講演をさせていただきました。
5年前からダイヤモンド社さんと取り組ませて頂いている調査の結果が、ようやくD-GATEというテストに結実し、いよいよLaunchと相成りましたので、それのお披露目をかねての講演でした。
D-GATEのもとになったのは
海外で活躍できる人材とはどのような人材か?
という問いのもと、21社大手企業の調査企業のもと、海外赴任者を赴任前ー赴任後とトレースしていき、その要件を明らかにした研究です。
5年間と非常に長い時間がかかってしまいましたが、海外赴任するビジネスパーソンを追跡した研究としては、非常に珍しいものだと思っています。
調査協力をいただいたみなさま、またダイヤモンド社の永田さん、東園さん、横川さんには、心より感謝いたします。 教材開発で御協力頂いた板谷和代さん、近安理夫さんにも、この場を借りて心より御礼申し上げます。お二人の海外勤務のストーリーは、非常に学ぶべき所が多いものでした。ありがとうございました。
D-GATE(ダイヤモンド社)
https://jinzai.diamond.ne.jp/global/
▼
当日の講演では、
グローバル人材育成とは「グローバル風味の漂う研修=グローバル風研修」をすることではない!
としたうえで、まずはそれを再定義するところから話を進めました。ここでいうグローバル風研修とは、
1.いかにもグローバル感の漂うようなものをコンテンツとして
2.仕事とは切り離して「出島」で行われる学習の機会で
3.しかもワンショットで終了してしまうもの
を示しています。そうしたものの存在や学習効果を否定しませんが、海外で活躍できる人材を継続的に生み出していくためには、人事プロセスの改革が必要である、と僕は思います。
グローバル人材育成とは、
採用ー育成ー処遇ふくめて人事プロセスが総掛かりで取り組む「人事プロセスの改革」である
ということです。
より具体的には、「採用ー初期育成ー実務担当者時期のフィードバックー海外渡航ー帰任」までのすべてのプロセスを見なおす必要があると思います。
そのうえで、グローバル人材育成を考えるうえで、いくつか、今後、変えていかなければならない人材マネジメントのモデルをしめさせて頂きました。
ご紹介させていただいたひとつのモデルが、こちらの「実務担当者・気枯れモデル」です。
こちらの現状をいかに変えていくかが、グローバル人材育成の喫緊の課題です。
実務担当者・気枯れモデルとは
1.学生時代や教育機関に在籍していた当初は、海外で活躍できる人材をめざそうとしていた若者達が
2.長い長い実務担当者時期を過ごしていくなかで、次第に「気枯れ」ていき、海外で活躍することをおっくうになっていくか
を示したモデルです。
僕は、この「実務担当者・気枯れモデル」が、日本のグローバル人材育成にありがちだなと思っています(笑)。
より具体的には、
1.教育機関や新入社員の時期には、「やれ、グローバルだ」「やれ海外だ」と第三者やら経営者からガミガミガミガミ言われ、せっかく意識が高まるのに
2.1年の新入社員時期を超えて、実務担当者時期に入ると、会社からのメッセージはほとんど入ってこない。日々の仕事に追われ、海外の話などヘタにしようものなら、現場のマネジャーからは「夢見るな」「〜君って意識高いんだね」と言われる
3.長い実務担当者時期で「気枯れ」ていったのに、そのくせ、忘れた頃に、突然内示、突然海外渡航を言い渡され、気づけば海外!です。強固な異動権を発動し、あまり準備期間のないままに海外に派遣することが常態化しています
こうしたあり方をそもそも見なおさなければなりません。
具体的には、講演でお話をしたとおりですが、実務担当者時期にいかに海外ではたらくことの意識付けを定期的に行っていくか。また、内示・異動のプロセスを見直し、より多くの準備期間を確保するかがポイントになります。
当日、このモデルを紹介させていただきましたが、あくまで壇上からの感想ですが、共感いただけるところが少なくはなかったのかな、と思います。
お聞き頂いたみなさまに心より感謝いたします。
本当にありがとうございました。
▼
グローバル人材育成という言葉が生まれて、おそらく、5年ほどたつのかな、という印象です。僕がはじめてこの言葉を耳にしたのは、2011年頃であったと記憶しています。
5年前には一大ブームになったこの言葉も、この数年は一段落した感じがありましたが、今年になって、また再燃してきているとも伺いました。
言葉はどうでもよいのですが、
海外でも活躍できる仕事人をいかに生み出していくか?
は喫緊の課題であると感じています。そのような実践を裏打ちするような研究を微力ながらすすめていきたいと感じています。
そして人生はつづく
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