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2016.10.4 06:40/ Jun

「そして人生はつづく」と毎日、僕がつづるのはなぜか?

 人には、それぞれ「こだわり」があるものです。
 たいした「こだわり」でもないのですが、僕にも、一応、さまざまな「こだわり」があります。
  
 仕事に関していえば、 
  
  1.メールアドレスは個人のものを使う
  2.定期券は買わない
  3.メガネは毎日かえる
  
 が僕の「密かなこだわり」です。
 このことは、たぶん、皆さんがお知りになっても、1ミリの得もないとは思いますが(笑)、きょうは、そんなお話をいたします。
  
  ▼
  
 しょっぱなの「1.メールアドレスは個人のものを使う」は、大学や研究機関だからできることかもしれません。
  
 要するに、組織から提供される「u-tokyo.ac.jp(東京大学の公式アドレス)」をふだん全く用いない、ということです。現在の所属先での、かつて勤めていた研究所でも、一度も、使ったことがありません。
  
 これは、少しおおげさにいえば、
  
 「自分の仕事人生は、自分が起点である」
  
 という僕の思いの現れとも解釈できます。
  
 僕が生まれたのは1975年。
 物心がついて社会に出る頃には、「バブル経済」はとうの昔に破綻し、「氷河期」とよばれる時代でした。知らないうちに、僕たちは「ロストジェネレーション」と呼ばれました。
   
 だからかもしれませんが、僕は「組織は常に変化する」「どんな組織も安泰ではないこと」を、切に感じています。
   
 アタリマエかもしれませんが、どんな組織に所属していても、「自分自身が起点であること」を信じたいと思います。メールアドレスは、その意志のあらわれです。大げさにいえばね(笑)
   
  ▼
   
 2の「定期券は買わない」は、経済的にはものすごく損をします。
 はっきりいって、「やせ我慢」「我慢比べ」です(笑)。
    
 しかし、僕は、どんなに損をしても、定期券を買って、毎日同じルートで帰ることを、なるべくしたくないと思っています。それは「怠惰で、流されやすい自分の弱さに対する戒め」です。
  
 違う場所をとおり、ほんのくだらないことであってもいいので、何かの発見をすることをめざす。
このことをめざしたいと願っています。
  
 正直に告白しますが、僕は、どちらかというと、怠惰で、ルーティン業務に流れやすい人間です。だから、僕の仕事人生は、これとの戦いです。
   
 定期券を買って、同じルートで帰らない
   
 ことを敢えて選択するのは、こうした自分の性格に対する「安くはない授業料」のようなものだと思っています。
   
  ▼
  
 最後の「メガネは毎日かえる」は、
  
 できれば、常に新しい視点で、物事をみたいよね
   
 という僕の願望のあらわれです。
   
 おそらくめがねは20本以上は所有しているのではないかと思います。1日1つずつかけかえていったら、だいたい20日で一回りします。
  
 もちろん、めがねを変えても、「新しい視座」で物事が見えるわけではありません(笑)。この場合のめがねは、当然ですが、願望の象徴です。
   
 しかし、願わくば、そうありたい。そうしなければならない、と自分に言い聞かせています。
   
 といいますのは、僕は自分の「怠惰さ=弱さ」と闘わければならないのです。
 僕という人間の内面にある「怠惰さ」は、そう変わらないかもしれませんが「環境を変えること」で、これに対する「くさび」を打ち込みたい、というのが本音なのかもしれません。
   
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 今日は、他人が聞いても1ミリの得にもならない、僕の「こだわり」を書きました。皆さんの「変なこだわり」も、また、ソーシャルメディアなどでお聞かせください。
   
 ちなみに、僕はいつも、ブログを「そして人生はつづく」で終わりにします。
これは、この言葉がどんな雑文でも、うまくしめることのできる言葉である、というのもありますが、もうひとつ、そこには思いがあります。
  
「そして人生はつづく」の背後には「明日も、どうか、我が人生がつづきますように」という思いがあります。
 逆にいうと、「今日、あたりまえのように過ごしたこと」は、明日、続くかどうかはわからない、ということに対する思いをもって、日々生きています。
   
 あたりまえのことですが、人は、自分の人生に、いつ終わりがくるかはわかりません。
   
 朝っぱらから湿っぽい話になりますが、僕は、子どもの頃から「自分の人生は、いつ終わりがきても、おかしくないな」という思いを、どこかでもって、大人になりました。
 それは、身体が弱かった、という僕の子ども時代に、端を発するのかもしれません。
 まぁ、とてつもなく、ヘンチクリンな子どもです。
   
 しかし、だからこそ、「そして人生はつづく」なのです。
 明日も、どうか、この人生が続きますように・・・と願って。
 今日やらなければならないことは、全力でやろうという気概をもって
   
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 そして人生はつづく

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