NAKAHARA-LAB.net

2006.5.16 00:01/ Jun

動くフーコー

 先週?だったかな、フランス国立視聴覚研究所(INA)が、同機関が所蔵する10万本のビデオ、音声アーカイブをネットで公開した、というニュースが流れましたね。
b3Annexニュース
http://toshio.typepad.com/b3_annex/2006/05/ina10.html
 公開されたビデオ映像には、ヌーベル・ヴァーグの旗手「ジャン=リュック・ゴダール」のインタビュー映像などもあります。
ジャン=リュック・ゴダール
http://www.ina.fr/archivespourtous/index.php?vue=notice&id_notice=I00005272
 個人的に、特に感銘を受けたのは、ミシェル=フーコーの映像。
 今まで、フーコーに触れたのは、「監獄の誕生」「性の歴史」といったテクストを通してだけだったけれども、実際に「動くフーコー」を見られたのは、とても印象深かった。
 へー、こんな人だったんだ。こんな風に話すんだ・・・ほとんどミーハー精神丸出しだけどね。
ミシェル=フーコー
http://www.ina.fr/archivespourtous/index.php?vue=notice&id_notice=I00002886
 おおよそ現代に形而上学的な実体として信じられているものが、近代という時代に、権力をもつもののために歴史的に構築された人工物であることを明らかにしたフーコー。彼の学問は、「フーコーショック」と言われるほど、のちの学問に – 教育学はもちろんスゴイ影響を受けましたよ – 影響をもたらしました。
 なるほど、こうして「動くフーコー」を見たあとでは、テクストの理解にも差がでてくるかもね。
 それにしても10万本はスゴイなぁ。
 —
<お知らせ>
現在、下記のイベントへのご参加を募集しています!
ぜひお越し下さい!
●大学教育の情報化のフロントライン:MS講座設立記念シンポ
http://utmeet.jp/events/index.html
 日本のe-learningの現状、e-learning大学院での学習の実際、ペンコンピューティングを活用した新たな学習環境など、1粒で3度以上!?おいしいシンポジウムです。
●Learning bar@Todai ユビキタス学習環境の実際
https://www.nakahara-lab.net/blog/2006/05/_learning_bar_1.html
 慶應義塾大学で研究している実世界の空間情報センシングや次世代家具へのアプリケーションをもとに「教育環境をどのように知的化できるか」についてお話いただきます。ユビキタスが一日でわかる!
 お早めにお申し込みを御願いします!

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2025.4.24 12:39/ Jun

あなたの近くに「崩壊」しているものはありませんか?:「崩壊」は突然「ちゅどーん(爆音)」ではない!

あなたは、データを「愛していますか」?:データ自体が何かを「語り始める」くらいまで、あなたは、データに向き合っているのか?

2025.4.14 18:11/ Jun

あなたは、データを「愛していますか」?:データ自体が何かを「語り始める」くらいまで、あなたは、データに向き合っているのか?

自分の所属する「組織(ハコ)」によって、あなたは「有能」にも「無能」にもなりえる件

2025.4.6 18:11/ Jun

自分の所属する「組織(ハコ)」によって、あなたは「有能」にも「無能」にもなりえる件

わたしのサバティカルは「旅するサバティカル」and「学び直しのサバティカル」に決めました!:「ひょっこり・ひょうたん島」で「錆び付いた刀」を研ぎ澄ます!?

2025.4.1 18:20/ Jun

わたしのサバティカルは「旅するサバティカル」and「学び直しのサバティカル」に決めました!:「ひょっこり・ひょうたん島」で「錆び付いた刀」を研ぎ澄ます!?

【中原からのお願い】ファミリービジネスにおいて「事業承継」をご経験された方、ぜひ、アンケート調査にご協力いただけませんでしょうか?

2025.4.1 10:33/ Jun

【中原からのお願い】ファミリービジネスにおいて「事業承継」をご経験された方、ぜひ、アンケート調査にご協力いただけませんでしょうか?