2016.6.6 06:09/ Jun
リーダーシップの開発のためには、業務経験が重要である
業務能力を伸ばすためには、どのような業務経験を積ませるかが重要である
過去10年間にわたって、言い古されてきた言説です。
おそらく、この10年間の人材マネジメント業界で、「経験学習」ほど人口に膾炙した言葉はありません。
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しかし、「経験学習」という用語が流通することと、それが実際にシャバワールドで「実現すること」はイコールではありません。
魑魅魍魎・伏魔殿的なシャバワールドにおいて「経験学習を実現すること」はそれほど「容易」なことではないからです。
第一に、短期的には、1on1ミーティング(上司ー部下間の週1程度のミーティング)などの「振り返りの場」をまわして、効率的に業務をアサインし、振り返ることが重要になります。
しかし、これは日々の雑事に忙殺されて、ともすれば形骸化しやすくなりますし、質がなかなかそろいません。
短期的視野にたった場合の「経験学習の壁」とは、この「形骸化との闘い」であり、振り返りの「質の担保の闘い」です。
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経験学習の促進にあたり、「中長期」にはどのようなことが重要になるでしょうか?
中長期には、どのような業務経験を積ませ、どのような人材に育てるかという、個々人にあわせた「人づくりのビジョン」の構築と、それに向かった業務のアサイン(異動)が、とても大切になります。
しかし、一般的な人事異動やプロジェクトのアサインは、「現在」と「その次ぎ」は考えますが、それ以降や過去には無頓着です。
「今、あの人を、うちの職場から出すのはムリです(今現在)」
「そうですね、じゃあ、あの人はあそこにいってもらいましょうか(その次)」
ほら、考えているのは「現在」と「その次」でしょう?(笑)
経験学習のためには、本来ならば、「人づくりのビジョン」を本人とすり合わせたうえで、「その次の次」、できれば「その次の次の次」くらいまでは朧気ながらにも、本人をふくめ、イメージしておくことがとても大切です。
「今はこうだよね、この次は、この仕事でもいいけど、その次の次はどんなことしたい?」
「その次の次はこんな仕事をして、できれば、その次の次の次くらいには、こんなことをしていたいな」
しかし、一般に、こんなことは、本人をふくめ、誰も考えていません。
なので、やおら、業務経験が非常に場当たり的で、分散したものをあてがわれることになります。要するに「あそこに、人が足りないから行け」「あそこにポストがあいたから行け」ですね(笑)。
だから、あまり能力が伸びません。さらにはリーダー育成に困難が生じます。
もちろん、会社は「経験学習をうながす場」ではありませんし、「経験学習のために存在している」のでもありません。本人の都合にあった仕事がいつもあるとは、限りません。
しかし、人は
「イメージできないもの」には、「なれない」のです
別の言葉で申しますと
「なりたいもの」がなければ、「なれない」のです。
僕が経験学習において「その次の次」や「その次の次の次」をイメージすることが重要だと思うのは、こういう理由です。
ちなみに、将来はもちろんのことですが、「過去」に関してもマネジメントは重要です。
皆さんは、自分がどんな業務経験を為してきたかを記憶していますか?
会社は、皆さんの業務経験や異動の記録をきちんと残していますか?
もっとも惨いパターンでは、過去の業務経験やプロジェクトへの参加の程度すらも、会社に残っていません。もちろん、本人も多忙なので明瞭には覚えていません。
これでは振り返りができません。
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人材開発の専門書や教科書を読んでおりますと、
経験学習とは「経験」と「振り返り」
とよく書いてあります。
しかし、別の見方をすれば、
経験学習とは「その次の次」や「その次の次の次」をイメージしながら学ぶこと
です。
経験学習とは「過去の経験をしっかり記録すること」
と無縁ではありません
すなわち
経験学習とは「業務経験という歴史」による人材マネジメントである
ということです。
そういう視覚も可能であるならば持ち合わせていると、もしかすると効果的なマネジメントが可能になるかもしれません。
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今週はしょっぱなから、講義?っぽい話題になりました。
今週一週間も頑張りましょう。
そして人生はつづく
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