音楽家の「引退」は、自分のなかに音楽が消えたとき
わたしの中には、まだ音楽があります
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遅ればせながらですが、映画「マイ・インターン」をレンタルビデオ店で借りてきて、自宅で見ました。
映画「マイインターン」は、「70歳の元会社人間が、ベンチャーのインターネット企業に、シニアインターンとして入社し、女性社長のもとで働くこと」ということを「舞台」にした作品です。
70歳のインターンをロバート・デ・ニーロ、女性社長をアン・ハサウェイが演じ好評を博したようです。
映画の批評や映画内部で展開する色恋関係のネタは専門家のサイトにお任せするとして、この映画で僕がもっとも興味深かったのは、ロバート・デ・ニーロ分する元会社人間が、「
職場に適応していき、仕事を任されるようになっていく過程」でした。
シニアインターンの彼は、彼が長年奉職した会社とはまったく価値観の異なる新興ベンチャー企業の職場のメンバーと真摯に向き合い、ときに彼ら個々人の相談にのるなどして、少しずつ少しずつ職場に適応していきます。
自分の過去の経験から思い浮かぶ「押しつけがましくない、ちょっとした気遣い」こそが、彼の適応プロセスを促進する源泉です。
彼は、当初、コンピュータの使い方や、フェイスブックの使い方はわからないのですが、今度は、様々な職場のメンバーや女性社長が、彼にそれらを教えていきます。
かくして、シニアインターンは、「社内で必要な人材」と目されるようになり、職場に適応していくのでした。
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ここで妄想力をたくましくして、こんなことを思います。
わたしたち自身の寿命が延びていること、さらには、社会保障がそれになかなか追いつかない現状を鑑みると、この映画で起こっている出来事は、それほど「他人事」ともいえないよな、と個人的には感じます。
もちろん、僕たちが新興インターネット企業に就職するか、はたまた専業主夫をもつ女性社長のもとで働くかどうかは、わかりません。が、しかしながら、当初、わたしたちが想定していたよりも、
わたしたちの仕事人生が、「長くなる」可能性があること
は気にとめておいてもよいような気がします。
そして、
その「延長された仕事人生」の舞台は、あなたが奉職してきた組織であるかどうかは不明瞭になりつつある
ような気もします。ワンセンテンスで述べるならば、「組織が延長された仕事人生を丸抱えすることにも限界がでてくる」であろうということです。
そして「価値観や常識がまったく異なる組織」でいかにサバイブするかは
過去の成功体験にしがみつくのではなく、「今、ここ」の瞬間で、いかに振る舞い、いかに必要とされる人材と見なされるようになるか
にかかっているような気がします。
延長される仕事人生をいかに生きるか。
僕はそんなことを考えながら、この映画を見ていました。
ま、マニアックな見方かもしれませんので、他人にはおすすめいたしませんが(笑)。
みなさまは、ぜひ、こんなシリアスな見方ではなく、この映画を、純粋にお楽しみ下さい。
そして人生はつづく