2015.3.16 06:48/ Jun
先だって、都内某所で、ある企業の次世代幹部研修の一部を担当させていただきました。
全社から集まってきた精鋭の方々が参加者ということで、こちらも緊張しましたが、無事、大役を務めることができ、今はホッとしています。これまで数回にわたるやりとりを行い、とてもお世話になりましたIさんには、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
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興味深かったのは、こちらの研修での、参加者のみなさんの動きです。受講生の方々の動きのひとつひとつから、ご本人たちは自覚なさっているかどうかまではわかりませんが、同社の「組織文化」を、僕は、ひしひしと感じていました。
例えば、
1.ワークの進み方が異様に早い
グループワークで誰からはじめるかを議論するという時間がまったくなく、誰かがリーダーシップをとって指名するか、自分から名乗り出てワークを始めてしまう
2.指示をはじめる前からすでに動いている
こちらの指示が間に合わないほど、指示をのみこむのが早く、指示が終わるか終わらないかのときには、既に動き始めている
3.コンテンツを提供しているときから、行動を考えている
「今後とるべき行動」を書く欄に、コンテンツを提供している際に、すでにメモをしている方がいる
誤解を避けるために申し上げますが、こうしたことが「悪い」といっているわけでは断じてありません。むしろ「望ましいこと」だと僕は思います。
むしろ、こうした参加者の様子を感じながら、柔軟にプログラムを組み替え、次の一手を売っていくのは、こちらの腕の見せ所です。
結局、この会は、いくつかのパートを当日短縮したり、丁寧に説明したりしながら、無事時間通りに終えることができました。
このように、研修では参加者の様子から、その「組織の文化」などがにじみ出ることがあります。ファシリテーションや講義を行いつつ、参加者の様子を観察しながら、
「あっ、きっと、この会社には、こんなノーム(規範)があるんだろうな」
「この会社では、こうした振る舞いを、新人の頃から身につけさせているんだろうな」
と感じることがあります。そうした情報の中から、その場に最善の流れをつくりだしていきます。
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今日は、研修から垣間見られる組織文化の話をしました。
組織文化といいますと、最も有名なところでは、エドガー・シャインなどがその泰斗として知られています。彼は、さまざまな企業に対するプロセスコンサルテーションを提供する際、
「組織文化を知りたければ、その組織で行われている会議に出さえ
すればいい」
とおっしゃったそうですから、今日の話は、それに類するものとも言えそうです。組織の会議に出れば、そこで発言権をもっているのが誰か=誰がキーマンか、何がノーム(規範)として共有されているのかが、ただちにわかります。
そこには、外部からみると、とても興味深い現象が埋まっていることもあります。
あなたの会社の「研修場面」には、どんな特徴がありますか?
あなたの会社の「会議」に出ると、どんな文化を感じますか?
そして人生は続く
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追伸.
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中原は編著をつとめ、松尾睦先生、難波克己先生、守島基博先生、久保田美紀先生、アキレス美知子先生、金井壽宏先生、妹尾大先生、高尾隆先生、曽山哲人先生、長岡健先生など、人材業界の第一人者の方々を著者に迎え、440ページの書籍に編みあがりました。
ぜひ、多くの方々に手に取って頂けると嬉しく思います。どうぞよろしく御願いいたします。
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