2015.1.19 08:50/ Jun
ちょっと前のことになりますが、横山稔(著)「五感のデザインワークブックー感じるをカタチにする」を読みました。先だってより仕事をご一緒しているライターの渡辺清乃さんからのご紹介でした。貴重な情報をありがとうございます。
この本には、私たちの五感のセンシティビティを高めるためのワークが、12個収録されています。これらのワークは、もちろん、一人で取り組むこともできますが、複数でやってみてもいいでしょう。本書の読後は、良質のワークショップに出たかのような印象を受けます。
1.過去の空間体験を思い出してみよう
2.身体を使って物を測ろう
3.空間とのファーストコンタクトを意識してみよう
4.指先の記憶を呼び覚ましてみよう
5.耳で空間のイメージを描いてみよう
6.音楽のリズムを感じるままに描いてみよう
7.読書でデザインの想像力を磨こう
8.香りから連想する色のイメージ空間へ
9.味と空間の関係を探ってみよう
10.相手に空間イメージを伝えてみよう
11.身体で記憶するデザインのカタチ
12.日々の気づきで感性の扉を開こう
著者の方は、建築・インテリアデザインをご専門になさっている先生で、おそらくは、デザインという営為をなす前に、この手のワークをなすことが重要だというお考えをお持ちなのかな、と感じました。
僕自身も、学生時代、あるいは米国留学時代、この手のワークショップに参加した経験を持ち合わせていました。
また、かつて、牧村真帆さんらと一緒に、これに類する?ワークショップを企画・実施したことがありましたので、大変興味深く、またおもしろく読むことができました。
以前に一度書いたことがありますが、一般的なオフィスワーカーは、圧倒的な「視覚優位生活」をしています。
いわゆる「五感」とよばれるものの中で、ふだん、もっとも意識され、かつ使用され、おそらくは酷使しているのは、「視覚」であることが多いような気もします。少なくとも僕はそうです。
いや、もちろん、触覚も、聴覚、嗅覚も、味覚も使っていますよ。しかし、それはオフィスでの通常の仕事では、あまり意識されることは少ないのではないでしょうか。
むしろ、マウスポインターを見つめ、カラムをみつめ、計算・分析結果を見つめ、ドキュメントを見つめる。わたしたちは、そのような生活をしています。少なくとも僕はそうです。
本書で提案されているようなワークは、建築・インテリアをデザインする方々以外にも、私たちのようなオフィスワーカーがふだん、「用いているものの、意識していないもの」を思い出させてくれる意味で、大変よい機会になるのではないかと思いました。
そうやって、わたしたちは、自らに失われつつあるものを、自ら発見し、取り戻さなくてはならないのかもしれません。
あなたは、最近
触っていますか?
耳を傾けていますか?
匂いを感じていますか?
そして、味わっていますか?
わたしたちを「取り戻したい」ものです。
そして人生は続く
最新の記事
2024.11.26 10:22/ Jun
2024.11.25 08:40/ Jun
あなたの組織は「社員の主体性を喪失させる仕組み」が満載になっていませんか?:うちの社員には「主体性」がないと嘆く前にチェックしておきたいこと!?
2024.11.22 08:33/ Jun
2024.11.9 09:03/ Jun
なぜ監督は選手に「暴力」をふるうのか?やめられない、止まらない10の理由!?:なぜスポーツの現場から「暴力」がなくならないのか!?