2014.2.4 06:25/ Jun
奥村文絵さんの書かれた「地域のおいしいをつくる フードディレクションという仕事」を読みました。
フードディレクターとは、聞き慣れない言葉かもしれませんが、端的に要約するのだとすれば、「食に関するプロジェクトのディレクションを行う仕事」といえそうです。著者である奥村さんは「フードディレクター」として、数々の地域の食に関するプロジェクトをディレクションしてきました。
例えば、地域の老舗が行っている開発に参加して、新商品をプロデュースする。地域のレストランをリビルドして活性化させる。奥村さんが行ってきたことはそういうことです。
彼女は自分の仕事を「食の建築家」と喩えておられます(p12)。施工主の求める建築(プロダクト)を、彼との対話によって見出し、図面をひいて、予算管理を行いつつ、建築物にしていく。
まことに非常に興味深い仕事ですね。本書には、そのような彼女のこれまでの仕事が、いくつか掲載されていました。
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そのプロジェクトの中のひとつに、滝川にある三浦華園というホテルのレストランリノベーションのプロジェクトがあります。北海道出身だからでしょうか。僕にとっては、気になるプロジェクトでした。
三浦華園の中にある古くなったレストランが、「地産地消」というコンセプトのもと、「クッチーナ・ディ・ソラチ」に生まれ変わる。Webで検索したところ、かなりお洒落なレストランです。
クッチーナ・ディ・ソラチ(食べログ)
http://tabelog.com/hokkaido/A0107/A010705/1021141/
クッチーナ・ディ・ソラチ
http://www.ilcielo.jp/
そのためには、既存の従業員にも変化してもらわなくてはなりません。コンセプトは立派でも、「今までーーーのようにやってきたのだから」という影があるかぎり、リノベーションは成功しません。
まずは、率直に意見を交換し、チームをつくらなくてはなりません。従業員の中に当事者意識をもたせ、育つという意識を持たせなくてはなりません。
人材開発の観点からみても、このプロジェクトは非常に興味深く拝見させて頂きました。
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フードディレクターは、新しい仕事の名前です。その仕事は現場で格闘しなければならない局面も多々あるでしょうから、大変だとお見受けしますが、非常に魅力的に感じました。特に、本書を通底しているトーンに、奥村さんの「自分の仕事をつくる」のだという意識が流れている気がしました。
ちなみに、フードディレクターがありなら、ラーニングディレクターだって、ラーニングプロデューサーだって、ラーニングアーキテクトだって、ラーニングスタイリストだって、何だってありだと僕は思います。そこに情熱と責任感と専門性があるかぎり、自分の仕事は自分で名付ければいい、と僕は思います。Name your work!
近い将来、ラーニングディレクター、ラーニングアーキテクトの名刺をもった方にお逢いすることが楽しみです。
そして人生は続く。
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