2006.1.12 13:22/ Jun
酒井君@東大山内研、中野さん@ベネッセとお昼にソバを食べにいった。そこで話題になっていたことは、昨日の朝日新聞の下記の記事。
「進学指導」広がる外注 実績で特色づくり
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200601110009.html
高校ではこれまで非常に多かったことではあるけれど、小学校や中学校でも、授業や補習、進路指導などを予備校や進学塾の先生に委託する動きがでてきているという。これを、いわゆる「外注」と呼んでいる。
これまで聖域であった教育の世界に市場の力が入り込んできているということだろう。
記事にもあるように、「特色作りをめざす学校」と「少子化のため新たな市場を開拓したい塾」との利害が一致している。さらには、生徒も受験指導を喜んでいるのだという。塾、教育ビジネス界にとっては、大きなビジネスチャンスになるのではないか。
もちろん、外注を積極的に進めているのは、まだ一部の学校である。しかし、こうしたことがもし仮に一般的なものとなった場合、個人的には残念に思うのは、「成績向上などの実績をあげるのに、学校で先生方の力を結集して、取り組めないのか」ということである。まして、それを「特色」というのなら、「学校」としての創意工夫が試されるべきものであるようにも思う。
こう言うと、やれ「教員の負担がましている」だとかという批判が聞こえてきそうだけど、僕は、ちょっぴり懐疑的だ(というか、世の中的に通るのかなぁ・・・と思ってしまう)。
そもそも教員の勤務時間が、通常のビジネスパーソンとどの程度違うのかを議論する必要がある。これは、ごめん、あまり手元に詳しいデータがないから確固ことはいえないんだけど、下記のウェブを見ると、どうもなぁと思ってしまいます。
http://www.satsuma.ne.jp/kjtu12/zaikouzikann.htm
そりゃ、教員とビジネスマンの仕事は違うという反論もきそうだけど、それが世の中的に通るかどうかは別の話だと思う。
むしろ、教員の負担が増しているのなら、特色作りのために、まずは学校内部で「業務を見直したり」「組織のリストラクチャリング」を進めるべきであるようにも思える。
うーん、「特色作り」を、外にゆだねることが本当によいことなのだろうか。そういうことがきっかけで、公教育の存在意義そのものが問われるようにならなければいいのだが・・・。
いや、僕の懸念はそこだけなのです。そこだけが心配・・・別に「学校の先生にもっと働け」と言いたいわけでは断じてありません。
この小さな記事から、学校の解体を想像をしてしまうのは、僕が心配性だからでしょうかね。
皆さんは、どう思われますか?
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