2012.7.11 08:37/ Jun
先日、元リーバイス、ナイキなどで人事責任者を担当なさっていた増田弥生さんをお招きし、セッションを持ちました。
増田さんは、この日3時間のセッションのために、かなりの準備をしてくださり(感謝!)、当日は30人の皆さんを相手に、彼女がグローバル企業で培ったファシリテーションを実践して下さいました。
増田さんには、この場を借りて感謝いたします。まことにありがとうございました。
この日のテーマは、グローバル企業の人事・人材開発の考え方や、そのために必要となる人事担当者のコンピテンシーについてでした。
が、同時に、増田さんはおそらく、自分がファシリテーションをする様子を参加者に「見せること」で、何か言葉では伝わらないものを、伝えたかったのだと感じています。
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増田さんのワークの中で印象深かったのは、下記の「仕事の上で誇りに思うことを問うワーク」でした。このワークは、下記の「問いかけ」からはじまります。
「過去1ヶ月、仕事の上で誇りに思うことは何ですか? 10秒で答え下さい」
増田さんに問いかけられた参加者の皆さんは、様々なことを頭に思い浮かべながら、それを「10秒」で、答えます。
「10秒」とは何とも短い時間です。考えを、かなりまとめなければ、このリクエストに応えることはできません(時間の短さが思考の制約でもあります)。
その問いかけが終わったあとで、
「過去1週間、仕事の上で誇りに思うこと」をやはり10秒で・・・
「過去1年間、仕事の上で誇りに思うこと」を10秒で・・・
と問いかけが続きます。
思考の対象を「1ヶ月」「1週間」「1年間」といった具合に「時間単位」を変更することを試みると面白いことに気づくことがあります。
時間単位は変わっても、自分の中で、仕事において「大切にしたいもの」に共通点があったりしていることに気づくこともあります。
また「1週間」という短い時間では「誇りに思うこと」はなかったとしても、「1年間」の場合には、「誇りに思うこと」が見つかる場合があります。
かくして、思考は進みます。
そして、最後の問いかけは、こちらです。
「もし仮に1年後の2013年の、この時間、この場所で、”過去1年間”を振り返ったとして、”この1年間で最も誇りに思ったことは何か?”という問いに、どのように答えたいと思うか?」
これまでは「過去」のことを思考の対象にしていたのですが、それを踏まえたうえで、次は「未来」について考えます。
しっとりとした時間の中で、
「もし仮に1年後の2013年の、この時間、この場所で、”過去1年間”を振り返ったとして、”この1年間で最も誇りに思ったことは何か?”という問いに、どのように答えたいと思うか?」
について、本気で考えました。
僕も、参加者の皆さんも。
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このワークにおいては「時制の転換」が非常に興味深いな、と思いました。
かつて先行研究に(誰でしたっけね・・・)、CEOに関する調査研究がありました。
事業戦略を描くというワークを与える際、CEO数十人をふたつの群にわけます。ひとつの群には「過去を内省させたうえで、未来を描かせます」(実験群)。もうひとつの群には「いきなり未来を描かせます」(対照群)。
そうすると、実験群、すなわち「過去を内省させたうえで、未来を描かせた方」が、より遠くの未来まで描くことができる、という実験的研究でした。
つまり、
過去を内省し、未来を構想する
ということですね。
実験計画としては非常にシンプルで(ややつっこみどころ満載なのですが)、非常に面白いな、と思います。
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あなたは、過去1ヶ月で、仕事をしているうえで「誇り」に思うことがありますか?
そして、もし仮に、1年後の2013年7月11日、”過去1年間”を振り返ったとして、”この1年間で最も誇りに思ったことは何か?”という問いに、どのように答えたいと思いますか?」
そして人生は続く
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