2012.4.20 08:21/ Jun
新年度があけてから早いもので、もう3週間近くですね。早い会社では、新入社員研修を終え、そろそろ職場配属を検討する頃でしょうか。多くの会社では、まだ新入社員研修真っ最中で、終盤にさしかかる頃でしょうか。それとも、もう既に職場配属を終えられた会社もありますか?
いずれにしても、新入社員の方々、お疲れさんです。社会は、なかなか複雑怪奇、魑魅魍魎、伏魔殿、ドロドロ血でしょう(笑)。まだ、そこまでのものを見ていませんか? 大丈夫、すぐに、現れます(笑)。大丈夫、大丈夫。
また、人事・人材開発のお仕事をなさっている皆様、まことにお疲れさまです。仕事柄、そちらの方々にお会いする機会が多いですが、最近、皆さん、宿泊用のキャリーバックを引きずっているのを見ると、心からそう思います。
▼
ところで、これから職場配属を迎えるにあたり、新人を「襲う」のは「不確実性」だと学問の世界では形容されています。
何を自分が期待されているのか、どのような役割を担うことがコレクトなのか、自分のいる職場はどういう人がいるのか、何をめざしているのか、何が規範なのか・・・要するに、行動や認知の準拠となるような情報が圧倒的に不足した状況に新人は置かれます。
それにしても、「不確実性」とかいうと、なんだか難しいよね。
要するにひと言でいうと
「何がなんだか、よく、わかんね(笑)」
ってことですね。
それが、新入社員を支配する現実です。
新人の皆さんは、その不確実性を「減衰」させるべく – つまりは、自分のおかれた環境を「可視化(visible)」にするべく、自ら様々な物事に働きかけること、動くことが求められます。
「この周囲に立ちこめた、摩周湖状態の濃霧を何とかせなー」
ということですね(笑)。
職場は「学校」ではありません。
常に、自分の環境を自分で変えようとしないことには、周囲から「支援」の手はさしのべられません。
一方、新人を迎える職場の人々は、新人達が自ら動こうとする場合、支援をさしのべることが求められます。すべての人に「新人」の時代はあったのです。あなたにも、僕にも、電車の中でハナゲをいじっているオヂにも(笑)。切りなさい、さっさと、そこ。
しかし、ここで忘れてはいけないことがあります。
新人が「わからなさの濃霧」に支配されているのと同様に、実は、新人達を迎える職場のメンバーにとっても「わからなさ」が支配しています。
下記は、某IT企業の人事責任者のTさんがおっしゃっていた言葉ですが、
以前からの職場メンバーは、
新人がどのような人なのかは、わからない
何ができて、何ができないかも、わからない
何がわからないのかも、わからない
何をやりたいのかも、わからない
そのような状況下に、既存のメンバーもおかれているのです。
そしておそらく新人は、既存の職場メンバーが、そのような「わからなさ」に支配されていることを「わからない」のだと思います。つまり、「なぜ、職場の先輩や上司は、自分のことがわからないのか」が「わからない」。
さらに続けるならば、職場の先輩や上司は、新人が、そんな思いに駆られているかも、「わからない」でしょうね。
つまり「わからなさ」は「再帰的(reflexivity)」なのです。
しかし、ここで立ち止まってしまっては困る。
「ははーん、状況は再帰的だね、こりゃ、どうにも、こうにも、にっちも、さっちもいきまへんなー」
なんて言っていると、社会人たるもの、便所スリッパで後頭部をスコーンとやられそうです。「理解してどうする、何とかせい」と。
つまりは、この状況を何とか「打開」しなければならないのです。
そのようなときに求められるのは、
自分が何者で、
何ができて、何ができないのか
何がわからないのか
何をやりたいのか
を、キチンと言葉で伝えることであり、必要に応じて支援を受けることなのでしょうね。まずは自分で動かぬことには、どうしようもない。
ちょっと今日の日記は説教臭くなりましたが(ごめんなさい)、僕はそのように思います。
大丈夫
晴れない霧はなく、
明けない夜もない。
Have fun!
—
追伸1.
3月末に脱稿した「経営学習論」は、現在、ゲラ待ちです。おそらく編集者の木村素明さんが、頑張っておられることでしょう。小生、今度は、夜な夜な、「プレイフル・ラーニング」(上田信行先生との共著)を書いています。ぶっ飛んでる本にしたいです。
追伸2.
溝上先生(京都大学)、河井さん(溝上研D)、舘野君(中原研D3)、木村君(中原研D2)、保田さん(中原研M1)との共同研究の調査がいよいよはじまりました。「大学時代のどのような経験・学習・人的ネットワークなどが、企業・組織に参入後、役に立つのか」に関する研究です。楽しみです。
追伸3.
ここ数ヶ月準備してきた新しいイニシアチブが動き出します。志しある方々とともに、新たなイニシアチブをつくっています。6月4日夕方には、キックオフイベントがあります。テーマは「これからの新人教育を語ろう」になる予定です。今年の新人育成を振り返り、来年を構想する場になるとよいですね。どうぞお楽しみに!
追伸4.
先日公開した「東大発2012」ですが、ありがたいことに、iTunesUコースの中ではランキング1位なのだそうです。心より感謝です。もしご興味をもたれたら、ぜひご一読下さい。
追伸5.
学内でも、新たなイニシアチブが動き出しそうです。今、最終の詰めを行っております。無事に動くとよいのですけれども。
そして人生は続く
—
■2012/04/18 Twitter
Powered by twtr2src.
—
■2012/04/17 Twitter
Powered by twtr2src.
—
■2012/04/16 Twitter
Powered by twtr2src.
—
■2012/04/15 Twitter
Powered by twtr2src.
—
■2012/04/14 Twitter
Powered by twtr2src.
最新の記事
2025.1.16 14:19/ Jun
2025.1.14 08:44/ Jun
2024.12.31 22:23/ Jun
2024.12.28 09:58/ Jun
2024.12.25 10:57/ Jun