2011.7.20 09:59/ Jun
昨夜は、「フィンランドで見つけた学びのデザイン」と題して、ユタカナさん(大橋夫妻)、舘野君、牧村さん、中原でUSTをやりました。ユタカナさんの「同名の新著」を素材にしての、トークライブです。
ライブでは、1年間のフィンランド滞在期間中、大橋さんらが、フィンランドの美術館、図書館、動物園、放送局などなど、「学校外の教育施設」で見つけた、様々な「学びのデザイン」を紹介していただきつつ、全員でゆるゆるとトークライブをする、という内容でした。
下記に、録画ビデオ、舘野君作成のまとめがございますので、ぜひ、ご覧ください。もちろん、無料でございます。
「フィンランドで見つけた学びのデザイン」録画ビデオ前半 NAKAHARA-LAB on USTREAM
「フィンランドで見つけた学びのデザイン」録画ビデオ後半 NAKAHARA-LAB on USTREAM
当日のTwitter : まとめサイト(舘野君作成)
http://togetter.com/li/165146
ゆるゆるトークライブでは、まことに「ゆるい」ながらも(笑)、僕なりに、いろいろ考えさせられました。
僕が、もっとも印象に残ったのは、ユタカナさんが、最後に提示された「Association(連合)」という考え方でした。個人的には「Association(連合)」とは、「学びに関心のある人々のネットワーキング、ゆるやかなつながり」ととらえました。
それを創りだしていく、社会に張り巡らせていくことで、「限られたリソース」の中、多種多様なかたちで「学びの場」を、社会に生成していくことなのかな、と感じました。
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けだし、教育は「無料」ではなく、それを実現するためには、何らかのかたちで「リソース」が必要になります。
「リソース」が「お金」であることもあるでしょうし、「人手」であることもあるでしょう。どんなに「善意」があっても、どんなに「ボランティアリズム」にあふれていようとも、どんなにエキスパティーズがあろうとも、「ゼロ」から「何か」を生み出すことはできません。
「魔法使い」や「錬金術師」じゃないんだからね、何にもないのに、何かは生み出せないよ。
しかし、一方で、危機的様相を呈する「グローバルマーケット」の推移、「進行する貧困の問題」を垣間見ていると(前者は本当に危機的状況ですね・・・)、国が有するリソースのうち、教育・学習にかけられる「リソース」を大幅に増やすことには、それなりの「限界」があることに気づきます。いくら声高に叫んでも、届くものと届かぬものはあると思うのです。
さすれば、この社会を「子どもも大人も、より学ぶことのできる社会」に組み替えていくためには、どうしたらいいでしょうか。
教育を「投資」としてとらえ、「教育専門家」を増やすことを主張することも必要でしょう。
しかし、加えて一方で、「必ずしも教育や学習のプロフェッショナルではない、市井を生きている大人」に、「学びの場」の創設に協力してもらうという考え方もでてくるはずです。
いわゆる、「アマチュアリズム」の「Association(連合)」を創っていくことが必要であると思うのです。
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一般に、「学びのプロフェッショナル」は「内容知」を持ちません。そのかわり、どのようなコンテンツであっても、それを「学びの機会」に変えていく「方法知」と「経験」をもっています。
一方、「学びのアマチュア」は、「内容知」や「深い経験」をもっています。しかし、それを「学びの機会」に変えていく「方法知」をもたないことが多いと思います。
また、「ざっくりわけんじゃねー」と「便所スリッパ」で頭を叩かれそうですが、ブログなんで許してよ。
要するに、ここまでの議論で何が言いたいか、というと「学びのプロフェッショナル」と「学びのアマチュア」は、「相互補完的」なものなのです。そして「学びのアマチュア」の自律のために、「学びのプロフェッショナル」はできることがある、ということです。
それなのに、これらは、これまで多くの場面で、「対立した概念」として捉えられてきた傾向があるように思います。
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「学びのプロフェッショナル」には、できることがたくさんあるはずです。
「市井を生きる大人の方々」が、「今、この瞬間」を”学びの機会”ととらえるような「センシティヴィティ」をいかに育み、ファシリテーション等の「身体技法」をいかにつたえるのか。
場合によっては、彼らを集わせ、「ネットワーク」「ノットワーク」を構築するようなことが、さらに試みられる必要があるのかもしれました。
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最後になりますが、ユタカナさん(大橋夫妻)、舘野君、牧村さん、中継を手伝って頂いた脇本君、重田先生に心より感謝いたします。ありがとうございました。愉しい時間でした。
あっ、そうそう、One more things!
ビデオで思い出しました。
話は変わりますが、先日、慶應義塾大学SFCの井庭先生の授業で、中原はゲスト講師に招かれ、井庭先生と対談させていただきましたが、その様子もネットで公開されたそうです。
井庭先生×中原対談「学びと創造の場のデザイン」:「社会システム理論」
http://gc.sfc.keio.ac.jp/cgi/flv/flv_play_gc.cgi?2011_25075+10+1
自分の映像を見るのは、なかなか、どうして「こっぱずかしい」のですが、こちらのビデオ、さっき見たら、中原、ベラベラとしゃべっておりました。
もし、今晩、「酒のつまみ」が必要でしたら、どうかご覧いただければと思います。
井庭先生との対談は、とても知的で、エキサイティングな時間でした。井庭先生にも、この場を借りて、心より感謝いたします。
皆さんに、僕は「生かされて」います。
感謝。
そして人生は続く。
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