2010.2.2 17:27/ Jun
「蛇の健寿司」お友だち(!?)でもある、酒井穣さんの「日本で最も人材を育成する会社のテキスト」を読みました。
酒井穣さんのブログ
http://nedwlt.exblog.jp/
酒井穣さんのTwitter
http://twitter.com/joesakai
こちらが蛇の健寿司です
https://www.nakahara-lab.net/blog/2010/01/post_1634.html
酒井穣さんは「課長の教科書」「新しい戦略の教科書」でベストセラーを記録し、現在は、株式会社フリービットで、人事戦略ジェネラルマネージャーをつとめている方です。
本書は、現在のビジネス環境における「ヒト」の役割をひもときながら、酒井さんのフリービットでの人材開発の手法を広く紹介したもので、非常に面白く読むことができました。
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本書において、酒井さんが問題にしているのは、無反省に実施され企業経営への貢献が少ない人材開発の現在についてであると思われます。
まず本書では、「人材育成とは何のために存在するのか」から筆をおこし、「育成ターゲットをいかに選定するのか」「どのようなタイミングで育成するのか」を考察しています。グローバル化する社会の中で、なぜ「人」が大切なのか。誰もがわかっているようでわかっていないことを、丁寧に解説してくださいます。
その後、酒井さんの矛先は、「誰が育てるのか」という人材開発のイニシアチブの問題、そして「誰に育つ責任があるのか」といいう人材発達のレスポンシビリティの問題に波及します。
この問題は、一昨年のワークプレイスラーニング2009でも扱った問題であり、昨今、組織と個人をめぐって、せめぎ合いが生じているような気がします。
ワークプレイスラーニング2009
https://www.nakahara-lab.net/blog/2009/11/2009_12.html
最後には、株式会社フリービットにおける取り組み、「読書手当て」「社内ミニブログ」「将来の自分への手紙」「突撃☆お仕事インタビュー」「ジグソーメソッドによるインタラクティブな学習」などが紹介されます。
随所に、最新の学習科学(例えば、ジグソーメソッドは協調学習論の考え方である)、人材育成の考え方が取り入れられていて、非常に示唆に富んでいるな、と感じました。
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本書を読み終わり、何より重要だと思ったことは、酒井さん自身の「実践の中で考える」姿勢であると思います。
結局、人材開発や人材育成に「王道」はありません。
人材開発に携わる人々は – というよりは、「人」という最も予測不能で、最も不思議で、最も魅力的な存在にかかわる人々は、「動きの中で考えること」「実践を通して考えること」を迫られます。
自社の現状を分析し、ありたい人材開発の姿を描き、人を巻き込み、時に内省しながら、アクションを起こすことが求められます。その仕事は、酒井さんが本書で述べている「リフレクティブ」ということと密接に絡み合っています。
本書からは、酒井さん自身がリフレクティブマネジャーを体現なさっている様子がありありと伝わってきて、非常に勇気づけられました。
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働く大人の学び論・成長論
仕事の経験を積み重ね、内省する
リフレクションをアクションにつなげる
中原淳×金井壽宏 「リフレクティブマネジャー」光文社新書!
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