2009.9.28 08:57/ Jun
岸勇希 (著)「コミュニケーションをデザインするための本」を読みました。
AIDMA(Attetion – Interest – Desire – Memory -Action : 注意を確保して、人の欲望を喚起し、商品の名前を覚えてもらって、購買につなげる)という行動モデルを前提にしていた「従来の広告」を超えるために、今、何ができるか。
近年消費者たちがとっている購買行動AISAS(Attention – Interest – Search – Action – Share:興味関心をもったら、ネットなどで口コミをサーチし、購買し、よければそのレビューを他者とシェアする)を前提に、どのような広告コミュニケーションが存在しうるか。
結論からいうと、こうした消費者に対応するためには、広告は「変わらなくてはなりません」。
従来目指されていたExprosure(各メディアにおける露出を最大限にする)ことを超えて、Engagement(人々が参加し、関与してくれるような)広告をつくらなければなりません。
それは「気になる広告であり、自分から見たくなる広告であり、他者に伝えたくなる広告」です。そうした広告をいかにつくるかが、ポイントになります。
本書では、永谷園「ミス冷え知らずcollection 2008」やフマキラー「一発命虫」、マリエール「40人40色の恋愛模様」など、著者のチームが行ったコミュニケーションデザインの事例が紹介されています。
わたしは広告は全くの門外漢です。しかし、この本を読んでいて、僕には自分の研究領域のことが思い浮かびました。
デザインする対象が、広告そのものから、広告をめぐる人々のコミュニケーションや関係にうつってきている、という意味で、昨日僕が書いたエントリーと通じるところもあると思います。
そういう「ふわふわしたもの」をいかにデザインするか。あるいは、そういう「ふわふわしたもの」を統御するようなアーキテクチャをいかに構築するかが、現在、様々な場所で課題とされているような気がするのは、僕だけでしょうか。
「ふわふわしたものを、いかにデザインするか」
その答えを、僕たちはまだ知りません。
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追伸.
「コミュニケーションをデザインするための本」にのっていた商品が、非常に心惹かれました。「手洗い液体石けん」なんです。
手洗い液体石けんなんて、もう既にコモディティ化していて、何のイノベーションもないように感じますよね。
でも、この「squid soap」は面白いです。「この液体石けんを使うと、子どもにちゃんと15秒から20秒、手洗いさせることができる」のです。
squid soap
仕掛けは簡単。ソープを出すところにスタンプがついています。石けんをだすと、もれなく、手にスタンプがつきます。このスタンプが消えるように、手を洗うためには、15秒から20秒必要だと言うことだそうです。
下記にビデオがあります。
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