2024.12.25 10:57/ Jun
「最近の学生は、昔からみると、変わってきたところはありますか?」
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小生、一応、一教師のはしくれ。
取材などで、仕事柄、このような問いをいただくことが、少なくありません。
しかし、私自身は、この問いを投げかけられるたびに「答え」に窮してしまいます。
もちろん、黙っていてはは「取材にならない」ので「当たり障りない答え」などは、いつも申し上げるのですが(答えるんかい!、笑)、心のなかでは、ザワザワしている。わたしは、どうも「この問い」が、ひそかに苦手でした。
で・・・このあいだ、湯船につかって、あーでもない、こーでもない、と考えているとき、ふと、その理由を思いついたのです。こんな、どうでもいいことに、あーだこーだ考える時間があるなんてのは、わたしが暇人である証左かもしれませんが。
それでは、なぜ、わたしは「最近の学生は、昔からみると、変わってきたところはありますか?」という「問い」が苦手なのか?
今日は、そんな、どうでもいいことを考えてみましょう。
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端的に申し上げれば、その答えは、
1.現場にいる教師の私は
2.この問いのような「思考法」を
3.ふだん「絶対にしない」からだ
とわかりました。
もちろん、これは、わたしの考え。N=1の回答です。
以下、少しずつ腑分けしてみましょう。
▼
まず違和感があるのは「最近の学生は?」という「十把一絡げのくくり方」です。
わたしが現場で学生と話をしているときは、「最近の学生さん」と話しているのではなく「個」と話しています。それは「高橋さん」であり「林さん」であり「佐藤さん」です。
そして、学生の考えていることや、伸びしろ、強みは、一人ひとり違うから、現場にいるわたしは「最近の学生さん」とは、考えない。「最近の学生さん」と言われても、誰のことを話して良いか、わからない。「最近の学生さん」の名前を呼んだこともなければ、声をかけたこともない。
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次に「昔」との比較。
昔と言われても、いつでしょう?
たとえば
30年前の、Windows95が発売された頃の話なのか?
20年前の、ケツメイシのサクラが流行していた頃の話なのか?
10年前の、北陸新幹線が動き始めた頃なのか?
5年前の、ビットコインが流行った頃なのか?
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ちなみに、残念ながら、わたしは「昨日食べたものすら、1ミリも思い出せない」健忘症的な人間です。常に「前のめり」に活きているので、過去のことはわからない。だから、過去を覚えていない人間には「比較」はできない。
振り向くな
振り向くな
後ろには夢がない
(寺山修司)
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最後に「変わってきたところはありますか?」の部分。
これに関しては、僕の世界観が相当「異なっている」ように思います。
わたしは「すべてのものは、変わり続けている(changing)」していることを「前提」にして、学生と対峙しています。
なので、学生が突然、「すっとんきょうな流行語」で話し出したり、パワーポイントを誰も使わずクラウド上でスライドをつくるようになっても、「とりあえずビールを誰も注文しなくなって」も、「全然、驚かない」。
「そういうものなんだな、へー」と思って、学生としゃべっている。
基本、いつも、僕の姿勢は、
「そういうものなんだな、へー」
です。
そして「変わっていること」は「所与の前提」であるのであるから、「今、目の前にうつっているものに対して、どう対応するか」のみを考えています。つまり「変わっているかどうか」をいっさい考えない。むしろ「すべてのものは、変わり続けている(changing)」と考えているのかもしれません。
ですので、「変わってきたところはありますか?」という問いは、「全部変わっていますけど・・・」と思ってしまう。そのなかから、ひとつか、ふたつ、変わってきているところを抽出することに、いささかの罪悪感を感じてしまいます。
かくして、
「最近の学生は、昔からみると、変わってきたところはありますか?」
と問われるのが苦手です。
ただ、そんな能書きをグダグダ言っていても仕方がないので、わたしは、いつも演じています。
「そうですね・・・3つあります。ひとつはですね・・・」
とか、何とか、いっちゃってさ。
ウソつけってーの。
▼
今日は、「最近の学生は、昔からみると、変わってきたところはありますか?」という問いが苦手だ、ということについて考えてみました。
誰の役にも立たない記事です。キリッ!
すみません、笑。
ただ、これで一年最後の記事になると思うと、いささか申し訳ない気持ちにもなるのですが、本当のことだからやむを得ません。
それでは、皆さん、よいお年を!
そして人生はつづく
Happy Holidays!
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