2007.11.27 07:00/ Jun
昨日は「福岡」に出張でした。九州の企業人材育成担当者の方に対する3時間の研修です。
言い足りなかったり、言い過ぎていたり。喋っている本人が、密かにハラハラしている内容でしたが、とりあえずは無事に終わりました。いやぁ、研修は「生モノ」ですね、難しい。
僕の研修の半分くらいはグループディスカッションです。もちろん、皆さんがディスカッションしている間、僕は、「お鼻ほじり虫」になっているわけではありません。
わずかな時間のあいだに、聴衆の反応を見ながら、用意していったパワーポイントの順番や内容を、どんどん変更します。かっこよくいえば、ジャズのインプロビゼーション(即興)。悪く言えば、ドタバタ。
まぁ何とかかんとか、準備している内容を、皆さんの理解や関心にあったかたちでお伝えできるとよいのですけれども。中原、まだまだ修行が必要なようです。
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それにしても、このところ、とみに思うことがあります。
企業人材育成の領域に、もっと「人間の学習を語る共通の語彙」を増やしていかなければならないな、ということです。
それまでの経営学を主体とする人材育成の語られ方では、
OFF-JT、OJT、自己啓発
新人教育、階層研修
などがあるでしょうか。どの人も知っている用語ということになると、このくらいが「上限」であるように思います。
しかし、これらすべての用語は、あくまで「マネジメントサイド」の視点にたった用語です。しかも、それは「人材育成の制度を表現する用語」ですね。決して、それは「人間の学習を語る語彙」や「人間の成長を語る語彙」ではないように思います。
OFF-JTといっても、その意味するところは様々ですね。人がよりよく学べる研修もあれば、そうでないものもある。研修といっても、いわゆる座学で、徹底的にモノゴトを暗記させられるものから、ワークショップに近い協調的な活動が中心のものもある。そこで生起する学習も様々です。
学習要素がこれだけ複雑なのに、OFF-JTという概念でキャッチオール(catch all)でよいのでしょうか。もう少し精緻な語彙が必要であるようにも思います。
OJTもしかりです。「黙って背中を見て学べ」という形式の、いわゆる伝統芸能における「ワザの伝承」のようなものもあれば、コーチングやメンタリングのような関係もある。そしてそれに対応する学習も様々です。こういうものを、すべて「OJT」という概念でまとめるのは、やはり無理があるように思います。
要するに、概念の意味するところは多様なのに、そこで起こっている学習を「十把一絡げ」にしてもよいのだろうか、そう思うのです。
まぁ、言うのは簡単ですが、この問題はなかなかの難問であります。どういう風に「共通の語彙」を増やしていけばよいのか。少し考えてみようと思いますけれども。
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ともかく、今日は久しぶりの出張でした。
このところ、1)大学での仕事が本気で忙しくなったこと、2)幼い子どもがいるのであまり家をあけたくない、こともあり、なかなか出張することができないのですが、お招きいただいた九州生産性本部のTさんに感謝いたします。ありがとうございました。
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