2005.8.18 08:07/ Jun
ミュージカル「キャッツ」は見ると、なぜか切なくなる。
政治好きな猫、おちぶれな老俳優の猫・・・個性あふれる様々な猫が、ステージいっぱいに踊り歌うのとは対照的に、このミュージカルには、「娼婦猫グリザベラの救済」という、非常に重いテーマが通底しているからだろう。
グリザベラは歌う。
メモリー あおぎみて 月を
想い出を 辿り あるいていけば
出逢えるわ 幸せの すがたに
新しい いのちを
メモリー 月明かりのなか
美しく 去った 過ぎし日を想う
忘れない その幸せの日々
想い出よ かえる
(中略)
お願い あたしにさわって
あたしを抱いて 光とともに
わかるわ 幸せの すがたが
ほら 見て 明日が
(メモリーより一部引用)
「キャッツ」を見ているとき、僕は、あるドラマの、ある台詞を思い出す。
「昔のことを消す、消しゴムがあったらいいのに」
という台詞である。これはCXドラマ「北の国から」で、ジュンの彼女役を演じたシュウが口にする言葉である。かつて自分がAVに出演していたことがジュンにばれ、彼女はそうつぶやく。
それに対して、黒板五郎は、ジュンに諭す。
「長い間、人は生きていると消しゴムではとれない汚れがついてくる・・・おまえにだって、汚れはある。そんな消しゴムでとれない汚れは、いったいどうしたらいいんだ」
一度、罪をおってしまったものは、いつ、どのようにして赦されるのか。
罪を負わない人間はいない。
そして、程度の差こそはあれ、赦しを必要としない人間もいない。
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