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ここ数日間、僕の右目はケイレンしています。ピクピクとさ、アンタ。ピクピクって、生き物飼ってるのかと思った。エサあげな。 ケイレンはこのところ締め切り間近の論文を書いていたせいですね。昔は少しくらい無理をしても、こんなことはなかったのに。やはりお年を召してしまったのでしょうか、僕は。 ところで、いきなり話が飛びますが、今日の話題は、「大学における社会人の学習」です。その一端をご紹介することが今日の目的です。 「大学における社会人の学習」って何だかキャッチーじゃないですね。 キャッチーに言うのだったら、生涯学習(Life long education)といってもよいし、成人教育(Adult Education)って言ってもよいです。リカレント教育(Recurrent education)でもいいです、あるいは、継続教育(Continuing Education)ってのもアリだと思います。 要するに名前なんかどうでもいいんです。僕が言いたいことは、一度、社会にでて社会人になった人が学ぶ、そのことと大学が、ステキな関係を取り結べればよいなと思うわけです。で、そのことは、最近、いろいろと取り組まれているのですね。それを紹介しようという話です。 社会人の学習について、大学が行っている、あるいは行おうとしているココロミには、大きく分けて4つくらいあります。 まず第一のココロミが、社会人入試ってヤツですよね。これは社会人を対象とした入試をキチンと枠を設けた上でやろう、という話です。 社会人入試っていうのは、学部も大学院もあるわけですが、特に最近ウゴキが激しいのは大学院です。それもITとかマネジメントとか、そういう「すぐにお役立ちですよー、実学バリバリですよー」みたいな研究科がボコボコとできているんですね。 社会人は、忙しいんです、かつ、18歳のワカモノみたいに合コン豪遊ツアーをやったりとかできないわけです。夢見る少女じゃいられない。 社会人は、自分の今までの経験を整理したり、拡張するような教育サーヴィスを求めています。抽象的なことよりは、すぐに役立つ(と思われる)技量や知識を求めます。そして、そのためにだったら、お金をかけることをいといません。
上記はすべて私立ですよね。やはり一番最初に動き出したのは、経営がかかっている私立大学なのです。 もちろん、国立大学だって負けてはいません。 経営学の重鎮たちがいる一橋大学は、こんな研究科を立ち上げています。キャンパスは大手町です。 入学資格は、大学卒で実務経験があることですね。一流企業のサラリーマンさんをターゲットにした研究科で、2年間でMBAがとれちゃいます。
海外からだって、いろいろな大学院教育プログラムがはいってきていますよ。
グローバル化というのでしょうか。かつて「日本には言語のカベがあるので海外の大学が攻めてくることはない」なんていうことがまことしやかに言われていたわけですが、最近はそうでもないです。金融の世界みたいに、ビックバンとは行かないけれど、確実に海外の大学の教育サービスが増えているのは事実です。 以上、社会人を対象にした大学院でした。まぁ、そうは言っても、大学院入学っていうのは、大変ですね。 お金もかかるし、時間はない。勉強は夜にやらなければならない。それも通常2年間で30単位ですから、その労力たるやスゴイものがあります。で、そういう人にうってつけなのが、次のココロミです。 これが第二のココロミになるわけですが、エクステンションというヤツです。要するに、短期間講座という感じでしょうか。 海外のデカイ大学になると、この手のエクステンションは必ず持っていますね。有名なのは、カリフォルニア大学のUCLAエクステンションとかUCBエクステンションです。これはネットを用いた授業も行っています。
往年のライバル、早稲田と慶應ですね。 この二つの大学の提供しているエクステンションは、ゼンゼン性格が違いますが、とりあえず、大学内あるいはその付近で生まれたコンテンツ、あるいは外部の人と大学がコーディネーションして生み出したコンテンツを短期間のうちに社会人に対して提供していますね。 今後はこうしたエクステンションも、ネットワークにのせられていくのでしょうね。
早稲田ラーニングスクエアでは、そうした事業も行っているようです。 話は変わりますが、最近盛んになっていますね、都市の再開発。この再開発のウゴキに呼応して、都市のターミナル駅の高層ビルの中、比較的交通の便のよいところにエクステンションセンターをもったりするウゴキが流行しています。東京都立大学の事例なんかがこれにあたります。 次に第三のココロミとして、複数の大学がアライアンスをくんでエクステンション的なコンテンツをだしていくっていうのもあり得る話です。コンテンツ・アグリゲーション・アライアンスというやつです。 例えば、このキャンパスプラザ京都というのは、オモシロクって、大学都市京都の大学がアライアンスを結んで、授業をだしましょーというプロジェクトですね。京都駅前にビルがあるらしいですね、そこで授業を見ることができるそうです。
この一年間にこれに類するようなプロジェクト、僕はいくつか聞きました。やはり大学間のアライアンスっていうのはスゴクムズカシイみたいですが、東京都の西の方とかね、大学が密集している地域というのは、こうしたことができる素地があります。 次に第四のココロミになりますが、それがバーチャルユニバーシティです。もうなんかテアカにまみれてるコトバですね。僕は、自分のeXtended Universityっていうコトバを自分で勝手につくって、好んでいたりするのですが、要するにコンピュータネットワークを使って大学の教育サービスを提供しましょーっていう話ですね。 バーチャルっていうけど、ネットワークの世界っていうのは、もはや僕らにとってはリアルなんです。だから、なんか違和感があるので、eXtended Universityです。 まぁ、コトバはどうでもいいです。バーチャルユニバーシティは、前に というコンテンツで述べましたので、そちらも、もしお暇で興味がありましたら、ご覧になってください。 日本では、こんな事例が有名です。
これはいずれも私立大学が主導しているプロジェクトですね。単位認定も行われているようです。国立大学も負けてはいませんね。
信州大学大学院が今度インターネット大学院をはじめることになりました。平成14年度からの学生募集になります。あと、僕がかかわっているプロジェクトもあります。その他にもいくつか話は聞いていますので、この数年で動き始めるのではないでしょうか。 以上、駆け足になりましたが、社会人の学習について、大学が行っている、あるいは行おうとしている4つのココロミについて説明してきました。 ここで紹介した以外にも、ものすごく多くの大学や大学院が社会人を対象にした教育サービスの提供をはじめようとしています。詳細は以下のようなサイトをまわってみてください。
それでは皆さんごきげんよう。 |