LOT20020905
nagai@tamabi.ac.jp
- DIS(designing interactive systems)
- ACM SIGCHIの組織。デザインの会議。
- 第1回:2000年8月ニューヨーク。<www.acm.org/sigchi/dis2000/menu.html>
- co-chairs: John Karat, IBM, John Thackara, the Netherlands Design Institute
- 第2回:2002年6月ロンドン大英博物館。<www.sigchi.org/DIS2002/>
- co-chairs: Alistair Sutcliffe, UMIST, Bill Verplank, Stanford University
- 第3回:2004年アメリカ予定。
- 情報デザイン?
- デザインは職能ごとに専門教育がされてきている。業界がそれぞれ全然違うので、超縦割。グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、インテリアデザイン。情報デザインはデザインのプラットフォーム。次世代デザイン。
- 日本では情報デザインという呼び方がされている。プロダクトデザイン系の人多し。
- 日本デザイン学会:情報デザイン研究部会(2001年5月)発足
- 情報デザインアソシエイツ編「情報デザイン」グラフィック社,2002.
- 渡辺保史「情報デザイン入門」平凡出版社,2001.
- scenario-based design の本John M.Carroll, Making Use, The MIT Press, 2000.
- 欧州では、information designというのはグラフィックデザインの系譜。
- vision plus <http://www.vision-plus.net/>Peter Simlinger, International Institute for Information Design (IIID)
- doors of perception<http://www.doorsofperception.com/>John Thackara
- Design research society<http://www.drs.org.uk/>
- 米国ではinteraction designerという言い方が主流。CHIとの関わりが多し。
- この論文を選んだ理由
- コンピュータのせいで変化のデザインをしなければならなくなってきた。変化とはユーザが使う、ということで、ユーザと一緒にデザインを考えなければならない状況がある。コミュニティのコミュニケーションをコミュニティと一緒に考えるやりかたをしているUIAHのグループやPhilipsのグループが今やっていることを見ておきたい。
Pools and Satellites - Intimacy in the City
Katija Battarbee, UIAH <www.uiah.fi/english.shtml><www.mlab.uiah.fi/>
人々のintimacy(個人的な親しい付き合い)を取り持つことをテーマとしている。都市共同体を支える目的で、親しい付き合いとは何で、共同体にある新しい技術の導入によって、どのように取り持つことができるのか。2つの実地踏査、情報とコミュニケーションテクノロジーのコンセプトとシナリオから、考えている。
- INTRODUCTION
- ICT (information and communication technology)は様々な場所で使われている。インタラクションの新しいパターンが展開できる。
- i3 summer school 2001のメインテーマ:new interactive technologies for communities
- EC -i3(Intelligent Information Interfaces )
- European Commissionのデザインプロジェクト<www.i3net.org/i3projects/ >1997ー。
- 関係プロジェクト:philips:Living Memory 他。<www.design.philips.com/lime/>
- Irene McAra-McWilliam←現在RCAのHead of Department of Computer Related Design。
- the Interactive Institute in Ivrea, Italy
- <http://www.interaction-ivrea.it/index.asp>
- 2001秋開講インタラクションデザインの大学院大学。イタリアテレコム、オリベッティ出資。オリベッティの本社があったイブレアに立地。head:GillianCrampton-Smith(exRCA)
- テーマ:Intimate City:イブレア市内をケーススタディとして。
- 操作方法と、環境とのインタラクションの新しい方法を考えた。
- intimate media:個性をコミュニケーションするためのオブジェクトで記憶を保持するもの。
- social navigation:他の人々を使うプロセス。
- BACKGROUND
- Intimacy 親しい付き合い親交・親友関係
- コミュニケーション、(親子のような)親密な感覚と関係がある
- face-to-face conversation
- non-verbal communication
- 親しい関係は、次のような感覚を含む。
- commitment約束 (feeling of cohesion and connection)
- affective intimacy 感情的な親しい付き合い(a deep sense of careing, compassion, and the opportunities to express the same)
- cognitive intimacy 認識的な親しい付き合い(thinking about and awareness of another, sharing values and goals)
- physical intimacy 身体的な親しい付き合い(sharing physical encounters ranging from proximity to sexuality)
- mutuality 相互関係(a process of exchange or interdependence)
- Intimacy, Community and Technology 親しい付き合いと共同体と技術
- 人々の関係性という点から、他のコンテクストへと拡張できる。
- 生活の中の単純な物が親しい関係を呼び起こす。例えば日記
- 親しい付き合いとは、使うことを通して授けられる。使うことの文脈、マナー。
- 親しい付き合いのできる場所:レストラン/できない場所:混雑した街中。
- コミュニケーション・テクノロジー:コミュニケーションの増大、face-to-faceコミュニケーション支援。
- 共同体は次の3つを共有する人々。地縁にもバーチャルコミュニティにも共通。
- a set of common interests 共通の興味
- frequent interaction 頻繁なインタラクション
- identification 一体感
- コミュニケーション・テクノロジーは、これから生じるインタラクションの新しい方法という可能性を支える。メディアを通して生じるコミュニケーション
- Community and technology 共同体と技術
- 共通の同一性を共有するという感覚は、人々に安心感をもたらす。
- いままでは、ローカルな環境で、身体的、社会的環境で営まれていた。
- いまは、電子メディアと情報技術が、身体的な世界から、人間の活動を取り除いてしまう傾向がある。
- ネット上に、バーチャルな共同体が突然現れる。でいきなりバラバラになる。デジタル・エイジとは、街のコミュニティ・ライフから離れることだ。
- 背景に姿を消すデバイスが技術的に可能になった。
- 我々の目的は、コミュニティ・ライフを高める、親しい関係を増やす。
- DESIGN
- Observations 観察
- イブレアの観察。イタリアらしく広場が多い。人々がどう引き合っているのか、人工物がどう機能しているのかを観察。
- 何故か特定の広場で人々が集う。
- 3世代の人々が共有しているベンチ。
- いろんな小道から広場にやってくる人々。
- 植木やベンチが広場をうまく仕切っている。
- 機能的なビルに面した広場はどうか。
- 市役所、銀行、カフェ。でも互いに全然インタラクトしてない。
- 広場には、occasional social interaction, potential intimacyが必要。
- 何が魅力的なんだろう?
- 毎日の生活に関することが至る所に貼ってある。
- 白黒のきれいな死亡案内(?葬式か?)。真っ赤なバラの絵と彼女の写真付き。
- 男の子の誕生の報告。ペールなブルーのリボン付き。
- 郵便ポストにまで書いてある「愛してるソニア」の黒マーカー。
- 人生の全てのステージが紹介されていて、街にあふれている。
- Interventions
- この広場になにが欲しい?質問ボックス。
- ジュークボックスが欲しい。なにかをいれると音楽が出てくる。
- social nexusが重要。社会的な関係。人々に活動させる。。
- 2つの社会的な必要性をコンセプトに取り入れた
- コミュニケーションと遊びが必要。
- どちらのコンセプトにも入れたこと。
- 個人的に意味があって感情豊かなビジュアルコミュニケーション。
- インタラクションのなかでの遊び心と探索。
- Selection Criteria選択の基準
- Intimacy supporting intimate experiences or communication
- Interactivity providing means of interaction for people, not just pieces of art
- Meaningfulness providing the possibility to add personal content and be personally involved
- Openness to participation supporting the passive observers' experience as well
- CONCEPT DESCRIPTIONS コンセプトの解説
- The Pool of Memory:intimacy within a community:メッセージを広場に運ぶ。
- 昔から人々を引き寄せる小さな泉。縁に座れる。
- メッセージはどこからでもいれられる。見る人は、水の中に映っているメッセージを見る。
- A Scenario for the Pool of Memory
- The Satellites:playfulness:技術を使って一緒に遊ぼう。
- a playful exploration。まぁるくてbiomorph(新たな生物形態)なもの。抱っこできる大きさ。2つで一組。
- The ground control::見ることができるけど聞くことはできない。スタンドに置いてある。
- The Wireless Satellite聞くことはできるけど見ることはできない。抱っこできる。転がしておく
- コミュニケーションを制限することで、遊び心をくすぐる。そうやって、使っている相手への興味や好奇心がでてくる。
- A Scenario for the Satellites
- DISCUSSION
- The Concepts コンセプト
- 1人1台のコンピュータじゃなくなるんじゃないか。
- The Satellites:とっても個人的なメッセージで人と人をつなぐ。みんなが参加できる可能性がある。サッカー好きだし。
- The Pool of Memory:multi-user interaction。メッセージをもとに一緒にいるひとと会話がはずむ。Emergent Interaction:とても個人的なものだけどその一部分とみんながインタラクトできる。感情的に豊かになれる。みんなが楽しいメッセージを作れる。そういうメッセージを見るということで感情的な親しさを共有できる。
- The Design Process デザインプロセス
- イブレアのサマースクールで行ったプロジェクト。9人グループで9日。
- the intensive observations of the town,集中的に街を観察。 the interventions for design inspiration デザインのインスピレーションに介入。
- Intimacy and Interaction Design 親密とインタラクション・デザイン
- Alben: コミュニティに共感するコミュニティメンバーの生活に入り込む
- intimacyが抜けている。共感できるというデザインコンセプトはすでにある。
- 共感する、という感情的な理解とは、仕事場を離れて、未来のユーザの生活の中に入っていくということ。
- cultural proves 文化的探索:
- Evaluation
- コミュニティの経験を評価できるか?
- 人工物と人々、人々とコミュニティの親しい関係を支える部分の評価をすべき。
- コミュニティのメンバーと一緒に評価する必要がある。
- 通常やられている人と製品のインタラクションよりも、より資源消費型で、質的な経験指向の重要性と、コンセプトデザインのステージでの文脈的な調査を意味している。。
- コミュニティでどう使われるかプロトタイプを作る。
- デザイナーに非常に長い共同運営を要求する。
- Living Memory
- Presence
- デザイナーがお家に帰った後も、ちゃんと使われて、維持されていたら、成功。
- Conclusions
- 人々の親しい関係だけでなく、コミュニティ全体を支援することができた。
- 本日の永井の感想
- 他分野の人と議論するためには、どうしても概念を抽象化ー言語化しなければならない。言語化が難しい部分ほど、デザインにとって重要な部分だったりするが、そこを議論の対象にしなければならない、んだろうな。。。