■東大大学院がeラーニングサイト
iii onlineのサイト
東京大学大学院と文部科学省の「メディア教育開発センター」(坂元昂所長)は共同で4月から、eラーニングサイト「iii online
」(アイアイアイ・オンライン)で研究実験を始める。社会人が働きながら学べる環境を提供すると同時に、eラーニングを使いながら教育の質を保ち、学生の幅広い学習目的に応えるためには、どんな学習形態、教材、サポートシステムが有効かを研究する。さらに、全国の大学、海外の大学との連携の可能性を探っていく。
このプロジェクトは4月に設置される新しい大学院組織の「情報学環」「学際情報学府」で行う。新年度は「自然言語処理論」「コミュニケーション・システム」「情報政策論」「メディア表現論」の4つの授業で授業のビデオやテキストなどを配信し、掲示板やテレビ会議システムなどを活用して、ディスカッションや質疑、ワークショップなどを展開する。
iii onlineについての発表
学際情報学府ではポータルサイトを設け、「オンデマンドで講義ビデオを視聴できる」「双方向のディスカッションができる」「大学間での授業の交換や単位互換」「教材の管理や学習管理」などの機能を持たせる。メディア教育関連開発センターは、衛星通信を使う映像交換を柱とする大学間ネットワーク「スペース・コラボレーション・システム(SCS)」やメディア教材開発、学習素材のデータベース構築などの事業を行っており、これらの事業をeラーニングに生かし、大学連携の道を模索する。
山内祐平・情報学環助教授は大学院のeラーニングの課題として(1)社会人に対応したサービス(2)きめ細やかなサポートの必要性B対面型授業との連携ーーを挙げる。
e大学連合をと語る坂元所長
サポートについては、教育工学の知識を持つコーディネーターのグループが、それぞれの学生にふさわしいeラーニングの技術や学びの方法をコーディネートし、カウンセリングを行い、学習状況を見る。授業はeラーニングに特化するのでなく、eラーニングと対面授業、ディスカッションなどを組み合わせて教育効果を挙げる道を探る。山内助教授は「大学院の学習は答えのないことを一緒に考える。それが最先端の教育で、共同で問題解決をする学習が大半になる。そういう環境をeラーニングを使ってつくり、異領域の人たちの知的スパークが起きるような学習を狙っている」と話す。
iii online は一般に教材を公開する。さらに複数の大学間で単位互換や国立大学間の教材配信ネットワークの構築などを行う。坂元昂・メディア教育開発センター所長は「メディアを使った高等教育のサポートをしていく。将来は全国を結ぶe大学連合、国際e大学連合に発展させたい」と意欲を語った。
iii onlineはhttp://www.iii.u-tokyo.ac.jp/online/
http://www.mainichi.co.jp/digital/e-learning/school/200203/05-1.htmlより引用
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