■Summary
この論文は、「The Collaboratory Notebook」の教育現場での最初の使用に関する量的研究である。「The Collaboratory Notebook」は、探求的学習を協同で行うためのハイパーメディアツールであり、高校の科学の教師とその生徒たちによって使用されている。
我々の報告によれば、教師による教育活動・教育評価のデザインによって、2つの異なった作業パターンが生まれたが、これらの経験をもとに、活動や評価をデザインする前に、協同的なハイパーメディアを使うために、教授の目的を明確化し、優先づけする重要性を我々は論じる。それは、教室で(学習のための)リソースの使用の機会がコンフリクトをなるべくおこさないようにするためである。
■The Collaboratory Notebook
教育の文脈において、協同的なハイパーメディアをデザインする者にとって、重要な目的は、教育の目的を達成するために、これらのアプリケーションとカリキュラムに定められている活動を、どのように「組み合わせるか」を、教師にアドバイスすることである。
経験のある教師が、教室に生起する活動の構造を「予期」できるのと同じように、協同的なハイパーメディアの使用を含む活動をデザインする教師も、メディアや評価のための手段が、生徒の活動や活動の結果に及ぼす影響力を「予期」できなくてはならない。もし、これが実現しないのなら、教師がプランするのが、あまりに困難であるために、テクノロジーは役に立たなくなってしまう。
「The Collaboratory Notebook」は、Northwestern Universityにおける「CoVis project」の一部としてデザイン・設計された「協同的なハイパーメディア」である。それは、科学の教育・学習における「プロジェクト的実践」を支援するための、ネットワーク・コンピュータテクノロジーとしての道具立てである。「The Collaboratory Notebook」は、共有されたデーターベースを、分散され、マルチメディア化された学習環境に提供するのであり、オープンエンドの探求学習を実現する。
(以下、省略)
The Collaboratory Notebookに関しては、ここでインターフェース画面を紹介することはできない。CoVis或いはThe Collaboratory Notebookに関しては以下の論文が詳しい。
○Pea,Roy 1993. The Collaborative Visualization Project. Communications of the ACM. 36(5). 60-63
○Pea,R,D & Gomez,L,M 1992. Distributed multimedia learning environments : Why and How ? Interactive Learning Environments. 2(2),73-109
また、以下の論文も非常に参考になる。
Pea, R. D. (1993). Practices of distributed intelligence and designs for education. In G. Salomon (Ed.). Distributed cognitions. New York: Cambridge University Press, pp. 47-87.
Pea, R. D. (1994). Seeing what we build together: Distributed multimedia learning environments for transformative communications. Journal of the Learning Sciences, 3(3), 283-298.