「やかましい夜」と「静かな夜」

 我が家には2人の「男の子」がいます。
 9歳・TAKUZO、2歳・KENZO。
 2人あわせて、「超絶ママ好き好き隊」です。

 その「好き好きっぷり」は、ものすごいものがあります。
 歯磨きするのも「ママ」にしてもらいたい。
 横に寝るのも「ママ」がいい。
 牛乳をつぐのも「ママ」にやってもらいたい。
 二人して、いつも、ママを取り合っています。

 彼らが思春期になり、ママに偉そうな口をききはじめたら、
 毎夜毎夜、我が家のリビングで繰り広げられている、
「ママ争奪戦」の映像をYoutubeにあげてやろうか、
 と思うくらいです(笑)。

 奪い取りたい
 自分のものにしたい。
 ママが好き。
 
 かくして、ママが自宅にいる夜は「やかましい夜」です。
 ママをめぐる「仁義なき戦い」が我が家の日常です。

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 大変興味深いのは、こういうときの「パパの身分」です。
 それは「ママが自宅にいるか、いないか」によって変化します。

 ママが自宅にいるときには、パパの身分は「底辺」です。

 「おっ、パパ、今日いたんだ」
 「いや、パパじゃないんだよ、ママなんだよ」
 
 一方、ママが仕事で遅く、パパが一日面倒をみるときは、
 その身分は、信じられないほど「上昇」します。

 「パパ、一緒に寝よう」
 「パパ、一緒に遊ぼうよ」

 さしずめ、その様相は「日常の反転」であり、いわば「倒錯」です。
 
 しかし、悲しいかな、どんなに二人と遊んでも、
 どんなにお世話をしても、
 パパは二人の間で「取り合い」にはなりません。

 パパが子どもの面倒を見る夜は「取り合い」のない
 「静かな夜」なのです。

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 「静かな夜」は、ベットルームで、3人で寝ます。
 寝かしつけをしながら、つくづく思うことがあります。

 嗚呼、今日も「静かな夜」が終わった。
 こういう日も、まぁ、悪くないな。
 いっつも「やかましい」からな。
 「ママ争奪の仁義なき戦い」、何とかならんかな・・・。

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 それにしても、今日は、いつもと違ったな。
 TAKUZOも、パパと、モクモクとゲームをしていたな。
 KENZOは、口数少なく、ちょっと寂しそうだったな。
 静かな夜だなぁ・・・。

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 やっぱり、今は「やかましい夜」の方がいいのかな。
 仁義なき戦いも、永遠に続かないだろうしな。

 きっと、今だけなんだろうな
 今が大切なんだろうな、と。

 そんなことを考えながら、うとうとしているうちに、僕は寝てしまいます。
 「やかましい夜」を疎ましく思いながら。
 一方で、明日を愉しみにして。

 そして人生はつづく

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