「アチャパー」と目を覆いたくなるほど「ドサイアクなアウトプット」しか生み出さないグループワークの3つの特徴!?

「アチャパー」と目を覆いたくなるほど「ドサイアクなアウトプット」しか生み出さないグループワークには、ひそかに「共通点」があります(笑)。

 授業やら、研修やら、ワークショップやらで、四六時中、学生や社会人のグループワークを「観察」していて、僕はそのことに気づきました。

 今、仮に、

 ドサイアクな結果しか生み出さないグループワークの症状を、敢えて3つあげてください
 
 と問われれば(誰から?笑)、僕はこの3つをあげます。

 1.誰もボールを拾わない症候群
 2.どんどん盛ってく症候群
 3.完全忘却症候群

 以下、これを半分マジメに半分愉快に論じてみましょう。

  ▼

 まず、「誰もボールを拾わない症候群」とは「そもそもグループワークでのコミュニケーションが、キャッチボール的にならない」ということです。コミュニケーションは「受け手」と「送り手」があって成立しますが、それが一方向になってしまう。

 今、仮に、誰かが勇気を振り絞って「意見」をいうとします。すなわち、グループという集団のなかにボールをなげます。しかし、そのボールを「誰も拾わない」

 言いっ放し
 投げられっぱなし。
 聞きっぱなし
 誰も、中央に投げかけられた「ボール」を拾おうとしない。

 よって、そこには沈黙が生まれます。

 しかし、同時に人は「沈黙」を極度に恐れるものなのです。そうすると、今度は別の人が「別のボール」をまた投げます。これも見事に「誰も拾わない」、完璧に「スルー」です
 「誰もボールを拾わない症候群」とは、要するに、この繰り返しです。

 コミュニケーションに「受け手」がいないのだから、話は前に進みません。
 かくして、こういうチームは、ドサイアクな結果しか生み出せません。
 あべし(笑)。

 ねぇ、本当にこのままでいいのかい?
 
  ▼

 第二の「2.どんどん盛ってく症候群」は、グループの中で出されたアイデアに対して、誰も反対意見や自分の意見を言えないときにおこります。
 建設的な議論を恐れ、メンバーが出してきたアイデアを「すべて活かそう」とするがゆえに、どんどんとアイデアを無批判に「盛っていくこと」になります。

 あっ、それもいいねぇ。いれとこ。
 これもいいよねぇ。これもいれとこ。
 結構、とっちらかってきたねー。
 でも、何とか全部、活かせないかな。

 こんなとき、僕から

 ロジックをたてなさい
 君らのグループはノーロジックだよね。
 オラオラ、いい加減にせいよ
 コルァ!

 と「スパイシーなフィードバック」を受けるので、何とか、それに答えようとします。
 しかし、本質的な議論を行わず、意見をたたかわせず、アイデアを盛っているだけなので、ロジックはたてられません。よって破綻します。

 この症候群は、
 
 「きちんと勇気ある一言がいえない」
 「自分の思っている意見を言えない」

  そして

 「決めることができない」

  場合に発病します。
 この症状に罹患するのは、概して「仲がよいグループ」に多いものです。いったん発病すると「仲がよいだけ」に、完治までには時間がかかります。だって表面上「仲がよい」ので、思っていることを言って、人間関係を壊すことを恐れるから・・・
 あわゆび(笑)
 
 あんたたち、それで本当にいいのかい?

  ▼

 最後に「3.完全忘却症候群」とは、メンバーのやりとりや決めたことを、きっちり「記録」しておかないがゆえに、時間がたつと議論の蒸し返しをしてみたり、どうどうめぐりを繰り返してしまう症候群です。要するに、みんなグループ全員で、「過去」を忘れる、ということですね。

 僕がよく学生さんに申し上げる言葉のひとつに、こんな言葉があります。

「今日の自分」は「明日の他人」

 忙しい現代社会を生きる人々は、そのくらい「忘れっぽい」ということです。これが集団になると、さらに事態は深刻です。より忘れっぽい。

 だから、自分たちがどのようにやりとりをしたのか。何を決めたのか。今、何が課題で、何をこれから解決していくかについては、しっかりと「記録(議事録)」をつけていくことが大切です。
 ひょげ。

 このままじゃ、まえに進まないよ・・・(笑)
 ねぇ、ほんとうにほんとうに、このままでいいの?

  ▼

 今日は、「アチャパー」と目を覆いたくなるほど「ドサイアクなアウトプット」しか生み出さないグループワークの共通点について論じてみました。3つだけ書きましたが、このほかにもいろいろあるかもしれません。

 マニアックなネタですが、お近くの方々と少し話してみると、面白いかもしれませんよ。

 自分が経験した「アチャパーグループワーク体験」をお裾分けする

 ってのかな。

 誰しも、惨いグループワークの経験があるのではないかと思うのですよね。

 Have fun!
 そして人生はつづく

ーーー

新刊「会社の中はジレンマだらけ 現場マネジャー「決断」のトレーニング」発売中です。おかげさまで、すでに3刷増刷!AMAZON「経営学・キャリア・MBA」で1位、「光文社新書」で1位、「マネジメント・人材管理」で1位を瞬間風速記録しました(感謝です!)。

「働かないオジサン」「経験の浅い若手」などなど、現場マネジャーなら必ず1度は悩むジレンマを解き明かし、決断のトレーニングをする本です。どうぞよろしくご笑覧いただけますよう、御願いいたします。

新刊「アクティブトランジション:働くためのワークショップ」もどうぞよろしく御願いいたします。