「アチャパー」と目を覆いたくなるほど「ドサイアクなアウトプット」しか生み出さないグループワークの3つの特徴!?
「アチャパー」と目を覆いたくなるほど「ドサイアクなアウトプット」しか生み出さないグループワークには、ひそかに「共通点」があります(笑)。
授業やら、研修やら、ワークショップやらで、四六時中、学生や社会人のグループワークを「観察」していて、僕はそのことに気づきました。
今、仮に、
ドサイアクな結果しか生み出さないグループワークの症状を、敢えて3つあげてください
と問われれば(誰から?笑)、僕はこの3つをあげます。
1.誰もボールを拾わない症候群
2.どんどん盛ってく症候群
3.完全忘却症候群
以下、これを半分マジメに半分愉快に論じてみましょう。
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まず、「誰もボールを拾わない症候群」とは「そもそもグループワークでのコミュニケーションが、キャッチボール的にならない」ということです。コミュニケーションは「受け手」と「送り手」があって成立しますが、それが一方向になってしまう。
今、仮に、誰かが勇気を振り絞って「意見」をいうとします。すなわち、グループという集団のなかにボールをなげます。しかし、そのボールを「誰も拾わない」。
言いっ放し
投げられっぱなし。
聞きっぱなし
誰も、中央に投げかけられた「ボール」を拾おうとしない。
よって、そこには沈黙が生まれます。
しかし、同時に人は「沈黙」を極度に恐れるものなのです。そうすると、今度は別の人が「別のボール」をまた投げます。これも見事に「誰も拾わない」、完璧に「スルー」です。
「誰もボールを拾わない症候群」とは、要するに、この繰り返しです。
コミュニケーションに「受け手」がいないのだから、話は前に進みません。
かくして、こういうチームは、ドサイアクな結果しか生み出せません。
あべし(笑)。
ねぇ、本当にこのままでいいのかい?
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第二の「2.どんどん盛ってく症候群」は、グループの中で出されたアイデアに対して、誰も反対意見や自分の意見を言えないときにおこります。
建設的な議論を恐れ、メンバーが出してきたアイデアを「すべて活かそう」とするがゆえに、どんどんとアイデアを無批判に「盛っていくこと」になります。
あっ、それもいいねぇ。いれとこ。
これもいいよねぇ。これもいれとこ。
結構、とっちらかってきたねー。
でも、何とか全部、活かせないかな。
こんなとき、僕から
ロジックをたてなさい
君らのグループはノーロジックだよね。
オラオラ、いい加減にせいよ
コルァ!
と「スパイシーなフィードバック」を受けるので、何とか、それに答えようとします。
しかし、本質的な議論を行わず、意見をたたかわせず、アイデアを盛っているだけなので、ロジックはたてられません。よって破綻します。
この症候群は、
「きちんと勇気ある一言がいえない」
「自分の思っている意見を言えない」
そして
「決めることができない」
場合に発病します。
この症状に罹患するのは、概して「仲がよいグループ」に多いものです。いったん発病すると「仲がよいだけ」に、完治までには時間がかかります。だって表面上「仲がよい」ので、思っていることを言って、人間関係を壊すことを恐れるから・・・。
あわゆび(笑)
あんたたち、それで本当にいいのかい?
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最後に「3.完全忘却症候群」とは、メンバーのやりとりや決めたことを、きっちり「記録」しておかないがゆえに、時間がたつと議論の蒸し返しをしてみたり、どうどうめぐりを繰り返してしまう症候群です。要するに、みんなグループ全員で、「過去」を忘れる、ということですね。
僕がよく学生さんに申し上げる言葉のひとつに、こんな言葉があります。
「今日の自分」は「明日の他人」
忙しい現代社会を生きる人々は、そのくらい「忘れっぽい」ということです。これが集団になると、さらに事態は深刻です。より忘れっぽい。
だから、自分たちがどのようにやりとりをしたのか。何を決めたのか。今、何が課題で、何をこれから解決していくかについては、しっかりと「記録(議事録)」をつけていくことが大切です。
ひょげ。
このままじゃ、まえに進まないよ・・・(笑)
ねぇ、ほんとうにほんとうに、このままでいいの?
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今日は、「アチャパー」と目を覆いたくなるほど「ドサイアクなアウトプット」しか生み出さないグループワークの共通点について論じてみました。3つだけ書きましたが、このほかにもいろいろあるかもしれません。
マニアックなネタですが、お近くの方々と少し話してみると、面白いかもしれませんよ。
自分が経験した「アチャパーグループワーク体験」をお裾分けする
ってのかな。
誰しも、惨いグループワークの経験があるのではないかと思うのですよね。
Have fun!
そして人生はつづく
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投稿者 jun : 2016年6月 8日 06:17
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