最近の新人を「打たれ弱い」とdisる前に考えてみたいこと!?

「最近の新人は"打たれ弱くて"困りますね。昔は、こうじゃなかったのにな。すぐにヘナーってなっちゃって、仕事を続ける自信がなくなりました、とか言っちゃう」

 あるところで、こんな話題を耳にしました。
 なるほど。
「打たれ弱い」ね。

 今日は、これについて考えてみましょう。

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 まず、「へそ曲がりな僕」は、「新人は打たれ弱い」という命題そのものを疑います。

 もし仮に「打たれ弱いこと」を「仕事を任せるとヘナーっとなってすぐに自信を失うこと」とするならば、そうした状況が生まれる理由として、もうひとつの可能性を考えます。

 本当に「新人は打たれ弱くなっている」のでしょうか。

 賢明な方は、ここにもうひとつの仮説立案の可能性を考えられるはずです。

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 最大のツッコミポイントは、

「新人本人が打たれ弱い」んじゃなくて、
  「新人を取り巻く環境がシンド」くなってるんじゃないの?

 というものです。

「仕事を任せるとヘナーっとなってすぐに自信を失うこと」の規定要因を、前者は「新人本人の個人の資質」に求めますが、後者では「新人本人を取り巻く環境」に求めます。

 たとえば、
 
 ・そもそも仕事がかつてよりも難しくなってきている
 ・仕事で要求されるスピードが以前よりも増している
 ・先輩社員も忙しくって、助言をする余裕がなくなってきている
 ・マネジャーも忙しくて、観察や指導ができなくなってきている

 こういう具合に、新人そのひとではなく、「新人をとりまく環境」こそが変化しているとき、こうした激烈な環境で仕事をするのですから、新人側には以前よりは「負荷」がかかります。
 結果として、「仕事を任せるとヘナーっとなってすぐに自信を失うこと」が以前よりもはやく現象としてあらわれることになります。

 こうした状況を見たとき、人は

 「最近の新人って、打たれ弱くなっているよね」

 と結論づけます。
 本来ならば、「新人を取り囲む環境」にも目が向けられなければならないのに、「新人本人の個人的資質」に理由を還元して、思考停止してしまうのです。

 それは「無理ゲーなロールプレイングゲーム」をやるようなものです。
 
 今、はじめて、街を出て、冒険に出ようとしているプレーヤーがいます。
 プレーヤーは「経験値」もなく、「体力」もありません。
 とりあえず着の身着のまま「皮の服」だけを着て「素手」で敵と戦おうとしています。
 プレーヤーには、仲間はまだいません。
 とにもかくにも、この条件で、敵に勝って経験値をためなくてはなりません。
 街を出たら、おそらく「スライム」が1匹でてくるはずです。
 しかし!!!・・・出てきた敵は「スライム100匹」でした。
 しょっぱなからフルボッコ。

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 あべし。
 ゲーム設定そのものに「無理」がないですか?
 これ、「無理ゲー」じゃね。

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 今日は「新人は打たれ弱くなっている」という命題について考えました。
 この命題を聞く度に、僕は上記のような思いをもちますが、そもそも

 元来、

 「新人とは、もともと打たれ弱い存在なのではないか?」

 という思いもいたします。

 「最近の新人は打たれ弱くなってきていて、困るよねー」と言っている当の本人も、10年前ー20年前の昔をさかのぼってみれば、「打たれ弱かった」(笑)。

 しかし、当時は、当の本人を取り巻く環境が、今よりもしんどくなかった、という仮説も成立します。
 だから「打たれ弱かった」なんだけど、何とかサバイブできた(笑)

 ぜひ、皆さんも、それぞれの状況で一寸考えて頂きたいのですが、

 新人本人が「打たれ弱く」なっているのか?

 それとも

 新人が「ヘナーっ」となってしまうほど環境が「シビア」になってきているのか?

 おそらく究極を言ったら

 「そんなもん、両方だよ」

 って感じになりますが、皆さんの組織では、いかがでしょうか?
 
 せめて、「武器」くらいもって、街を出ようよ。
 そして人生はつづく

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