アルバイト・パートの離職は「ギャップ」からはじまる!?

※4月29日から5月9日まで、原則として、ブログ執筆を休ませて頂きます。もしかすると、書きたくなって書くかもしれませんが(笑)慌てない、慌てない、ひとやすみ、ひとやすみ! みなさまも、よきGWを!

ちなみに・・・先だって、中原がゲスト出演させていただいたNHK BS1経済フロントライン「新人研修特集」がWebの記事になっていました。どうぞご高覧いただければ幸いです。

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NHK BS1経済フロントライン「新人研修特集」
http://www.nhk.or.jp/keizai/frontline/20160416.html

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 昨日のブログに引き続き「アルバイト・パート人材の採用・育成」に関する共同研究から小話(!?)をひとつ。

 このプロジェクトでは、アルバイト・パート人材の働く職場の環境を向上させ、採用・育成の促進につなげることを目的とし、様々な調査をおこなっておりますが、調査から見えてきたことのひとつに、個人的には、とても興味深いことがありました。

 それは、先だっての会議の際に、分析職人・小林祐児さんから報告されたことなのですが、

 (アルバイト・パート人材の)離職は「もともと抱いていた仕事のイメージ」と「現実」のギャップがありすぎるときに起こりうるのではないか

 という仮説です。調査の結果から、それが検証されました。
 まー、こう書いてしまうとアタリマエなんだろうけど、僕的には、非常に面白いなと思いました。
 
 世間一般的に、離職は

 「仕事が辛いから」
 「賃金が安いから」
 「職場環境が劣悪だから」
 
 という理由で直接的に引き起こるのではないかと考えられているように思います。
 もちろん、それも「十分ある」「改善の余地がある」のですけれども、調査からわかってきたメインの理由で改善しうるポイントは、どうもそれだけじゃない。

 それをワンセンテンスで申し上げるなら、

「ギャップ」がありすぎて辞める

 ということになるのかなと思います。
 つまり、「もともと聞いていた職場、仕事の内容」「もともと抱いていた仕事の内容」と、「現実の仕事の様子」が異なりすぎて、ギャップがありすぎているから辞める。

 もしこの仮説が「真」だとするならば、アルバイト・パート人材の離職防止は、エントリー部から、すなわち、アルバイトを希望する方々が求人広告にエントリーし、面接を受けるところからはじまることになります。専門用語でいえば、エントリーマネジメントこそが、離職防止の一丁目一番地であるということですね。
 「もともと抱いていた仕事のイメージ」は、仕事をするはるか以前から形成される可能性があるためです。

 ちなみに、もっと申し上げますと、今回の調査で、業種によっては

 アルバイト・パート人材の約半数が、「店舗の下見」に行ってから採用にエントリーしていること

 がわかってきました。
 ということになると、そもそも「店舗をいかに魅力的するか」「生き生きとした仕事を普段からしているか」ということが、最大のエントリー増大、離職防止になるという仮説も成立します。

 つまりですね、

 離職防止は「職場づくり」である

 ということです。

「職場学習論」(東京大学出版会)の著者としては、まことに嬉しい結論です(笑)。

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 アルバイト・パート人材の採用・育成研究は、今年度中に、一区切りがつくものと思われます。それまで、テンプグループのみなさま、渋谷和久さん、岩崎真也さん、稲田勇一さん、北本裕史さん、小林祐児さん、井上史実子さん、田中聡さんと中原で爆走していきたいと考えております。
 5月2日には、ダイヤモンドオンラインで、APカンパニーの大久保伸隆社長と渋谷和久さん、中原の鼎談が開始されます。アルバイトの採用、育成に関する実践知がつまっている鼎談となりますので、どうぞお楽しみに。

 ちなみに、このプロジェクトは、異業種7社(総従業員規模50万人以上)の企業に五三角頂いているプロジェクトですが、今年は勉強会などを異業種でおこないながら、お互いのベストプラクティスを共有しつつ、コンソーシアム風に運営していく予定だそうです。より多くの方々にご興味をもってもらえると嬉しいなと感じています。
 研究成果をまとめる段では、ダイヤモンド社の藤田さん、ライターの井上佐保子さんにもご参画いただき、テンプグループの皆様、中原とで今年の秋頃に、ダイヤモンド社さんから「アルバイト・パートの人材育成」という書籍を出版させて頂く予定です。どうぞお楽しみに!

 人手不足時代を背景に、アルバイト・パート人材の人材育成を、
「よりよいかたち」にするお手伝いができればと思っております。

 そして人生はつづく

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新刊「会社の中はジレンマだらけ 現場マネジャー「決断」のトレーニング」が4月19日発売されました。おかげさまで、発売1週間で増刷決定。AMAZON「経営学・キャリア・MBA」で1位、「光文社新書」で1位、「マネジメント・人材管理」で1位を瞬間風速記録しました(感謝です!)。

「働かないオジサン」「経験の浅い若手」などなど、現場マネジャーなら必ず1度は悩むジレンマを解き明かし、決断のトレーニングをする本です。どうぞよろしくご笑覧いただけますよう、御願いいたします。

4月15日発売、新刊「アクティブトランジション:働くためのワークショップ」もどうぞよろしく御願いいたします。