創造的・脱二分法のすすめ!?

 Aか、さもなくば、Bのどちらかだ!

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 この世には「二分法思考」があふれています。
 ここで「二分法思考」というのは、ある対象Aと、それとは真逆のBを想定し、それらを対照づけて考える思考法です。

 僕が、よく学生さんに申し上げているのは、

 二分法思考で描き出されるものは、たいてい「怪しい」

 ということです。

 言葉をもう少し換えるならば、

 人々が両極・両端に描き出そうとするものは、便宜上、その方が「簡単」だからそうしているだけであり、その内実は、いったん「疑う」必要がある

 ということになります。
 今日はこのことについて考えてみましょう。

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 例えば、伝統的に組織論では、よく「個人」と「組織」が完全に分けられた要素であるかのように論じられます。

 個人が・・・をする
 組織が・・・をする

 個人レベルでは・・・かくかくしかじかである
 組織レベルでは・・・ちょめちょめほにゃららである

 上述の物言いにおいては、ここでは、「個人」があたかも「組織」とは異なる独立した要素として描き出され、かつ、組織の方も、個人とは異なる主体かのように描き出されます。

 しかし、よーく考えてみてください。

 組織「が」・・・・する

 と、組織をあたかも「主体」かのように描き出しますが、組織を構成しているのは「個人」の集合です。

 「組織が」という言葉は日本語のセンテンスとしては通用しますが、

 「はい、それでは組織さん、出てきてくださいー」

 といっても、「ある特定の何か」が

 「はーい、何かお呼びになりましたかー?」

 とでてくるわけではありません。
 あたりまえですが、この世には「組織君」も「組織ちゃん」も、そのような実態は存在していません。組織はその概念の内部に個人を内包しています。また、個人は、組織を構成する要素の一部です。

 これは非常に簡便な例で、さらに掘り下げていくと、なかなか味わい深い例だったのですが、僕が述べたいことの概略はおわかりいただけたかな、と思います。

 冒頭に述べたとおり、人々が両極・両端に描き出そうとするものは、便宜上、その方が「簡単」だからそうしているだけであり、その内実は、たいてい「怪しい」ものです。
 
 日常的には、このような二分法を用いて世界を認識することはよいのですが、本気の本気でものを考えるときには、こうした二分法を、いったん疑う必要もありそうです。
 おそらくビジネスの世界も、二分法に支配されている世界のひとつです。
 多忙ゆえに致し方ないところもあるのですが、時には、二分法をいったん疑い、その内実をじっくり考えることが大切なのかもしれません。
 
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 今日は、二分法思考について書きました。

 今日は二分法のネガティブな側面についてのみ書きましたが、実は、逆手にとれば、二分法とはチャンスでもあります。

 なぜなら、二分法によって対照づけられる2つの要素は、そもそも

 一般に、人が「両極」に描き出すことをよしとしている常識のかたまり

 だからです。

 ここを逆手にとって、敢えて、意図をもち、それらを結合させることができたとしたら、そこにリマーカブルなアイデアが生まれる可能性が高まるかもしれません。
 
 すなわち「A or B」と他者に選択を迫られたら、「Aか、Bかのどちらかを選びたくなる習性」をぐっとこらえて、「A and B」が成立する地平を探す、ということです。

 あなたの近くに、疑う価値のある「二分法思考」は存在していませんか?

 そして人生はつづく

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