「最近の若い奴はケシカラン病」に感染してませんか?

「最近の若いやつは・・・・ケシカラン」
「近頃の若いものときたら・・・・ケシカラン」

 日本全国5万4000箇所?で繰り返されている言葉です。
 先だって、ある外国人の先生と話していたら、英語では「Kids these days(最近の若いやつは・・・)」というそうです。日本全国どころか、世界どこでもなんだねぇ(笑)
 おそらく有史以来、人は、土器やヤジリを暗い洞穴でつくりながら、この言葉を繰り返してきたんでしょう。

 最近の若いやつは・・・ケシカラン

  ▼

 ところで「最近の若いやつは・・・」という言葉について考えるとき、ふと、疑問に思うのは、人は、まずこの言葉を何歳くらいから使うのか、ということです。20代? それとも30代?

 思わず笑っちゃったのは、先だって電車に乗っていたら、中学生くらいの男の子の集団が、

「最近の若い奴は・・・・ごにょごにょ」

 と言っていたことです。ま、あんたたちも、「若い」んじゃないの?(笑)

 ▼

 有史以来、全世界で嘆き節のように使われている言葉に、あまり意味があるとも思えませんが、この言葉のちょっとしたリスクは、「自分」と「若い奴」の間に「境界」をつくりだしてしまうところです。

「こちら側」にいる「わたし」と、「あちら側」にいる「若い奴」という風に、無意識のうちに「線引き」をしてしまう。

 本来だったら、「若い奴」がなぜ、一見理解できないような行動にでるのか、その背後には、どんな「若い奴の常識=コード」が隠れているのかをさぐるチャンスなのですが、この言葉は、「若い奴」から学ぶチャンスを低下させてしまいがちです。

「新しい時代は、若者、馬鹿者、ヨソモノがつくる」

 とはよく言われますが、この筆頭に掲げられているのが「若者」です。「最近の若い奴は・・・」「Kids these days・・・」と言いたくなるのをぐっと数秒我慢してみると、もしかすると、新たな時代の兆候が見えてくる?かもしれませんよ。
「最近の若い奴はケシカラン病」に感染しちゃうと「時代が見えなくなる」から要注意。
そして、この病気は「おれたちの時代はよかった病」や「おれたちは逃げ切れる病」などの合併症をひきおこすから、さらに要注意です。

 そして人生はつづく

追伸.

スクリーンショット 2015-12-10 5.19.59.png

 東京大学が贈るアクティブラーニング・ポータルサイト!「マナビラボ」は、おかげさまで、Facebookページ「いいね」1000件を達成しました!ありがとうございます。
 教育関係者のみならず、人材開発・学びに関して興味をもたれる多くの方々に読んで頂けるコンテンツを用意しております。

 先行Facebookページでは、更新情報を日々配信していく予定です。どうぞ「いいね!」「シェア」をお願いいたします。Facebookページには、下記からお越し下さい。

manabilab_logo.png
東京大学が贈る「高校のマナビ」を応援するWebサイト
「未来を育てるマナビラボ:ひとはもともとアクティブ・ラーナー!」
https://www.facebook.com/manabilab.jp