ドッチボール練習を通じた「メタ認知の訓練」!?:CUN課題を乗り越えろ!

 育ち盛りの男の子が2名もおりますと、週末の我が家は大変なものです。この状況、ワンセンテンスで申し上げますと、

 「やかましい! やかましい! やかましい!」

 三語連続のこの1文しか、僕の頭には思い浮かびません(笑)。
 まー、次からつぎへと、散らかし放題、遊び放題、阿鼻叫喚。こっちで叫び声が聞こえたと思ったら、こっちでは爆走してる。もちろん、親も彼らにつきあって「遊ぶ」のですけれども、さんざん、これでもかというほど「遊んだ」あとに、

 「ねー、今日、いつ遊ぶの?」

 と言われた日には、腰が砕けてウンチョスダダ漏れになりそうでした。
 最近の我が家の週末は、毎回、そんな感じです。ブレーキのないジェットコースターに乗っかったみたいで、気がつけば、月曜日の朝になっています(笑)

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 せんだっての週末、小生は、上の愚息TAKUZO担当でした。午後などは一緒に「ボール投げの練習」などをやっておりました。

 最近、TAKUZOの学校では「ドッチボール」が流行っているらしいのですが、ここにTAKUZOの悩みがありました。
 それは、TAKUZOのボールのスピードです。TAKUZOのボールは、どうにも「へなちょこ」で、蚊が2匹くらい止まってお茶菓子をつまんでそうな勢いだったのですね。またベクトルも「いつもあさって」であり、ボールはどこに飛んでいくかが予測不能状態に陥っていました。

 どうやら、これまで、何も考えずに、見よう見まねで、適当にボール投げをしてきたらしく、その結果が、「へなちょこ+あさって」ということになっていたようです。
 これらを向上させるというのが、この日の練習の目標でした。

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 まずは「なぜボールが遅いのか?」を考えます。
 議論のすえ、どうやら、主因は「ボールを身体でなげるのではなく、手で投げているからだ」とわかりました。ならば、どうやって身体をつかってなげるか。投げる前に足をあげて身体をねじる練習をしました。

 おつぎはベクトルです。これはTAKUZOの投球場面をビデオ撮影することを実施しました。すると、その原因が「ボールをなげる瞬間に、視線をボールの飛んでいる方向をむける」ことができていないことから発生していると、彼自身が気づきました。

 結局、自分自身で「わかったこと」しか、人は物事を変えられないのです。
 子どもですらそう。大人ならば、あに、いわんや。
 ボールを投げるときには、きちんと相手を見る練習をしました。
 
 練習のかいあって、当社比20%アップくらいまでは向上しました。まだまだ改善の余地はありますが、1時間の練習では、こんなものでしょう。

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 この練習のプロセスにおいて、僕は、ボール投げ以外に、ひとつのことを考えていました。

「遅かれ早かれ、僕は、いつか、この子の目の前から、姿を消すときがくる。そのときに、この子は、自分一人で、メタの立ち位置にたって、自分で問題を分析して、仮説をたて、練習することができるだろうか。何とか、その癖をつけさせなければ・・・。

なんてことはない、ドッチボールの練習だって経験学習だし、リフレクションだ。ドッチボールを練習するという、たかがそれだけのことからも、メタにたつ練習ができる。これからを生きる子たちには、もう一段上のことを学んで欲しい。それが「メタにたって考える癖」だ。」

 この後、TAKUZOとは

「相手がキャッチできない場所にボールを投げるためにはどうするか?」
「受け取ることが難しい場所とはどこか?」

 を考えました。

 ポワンとした子なので、なぜ、投げることをひたすらやらずに、「二人で考えるのか」がわかっているような、わかっていないような感じ(笑)です。が、親としては、ぜひ、そういうトレーニングを積んで欲しいなと思います。たかがボール投げの練習からでも。

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 CUN課題という言葉があります。

 CUNとは「Complex, Unfamiliar and Non routine Task」の略で、「複雑で慣れ親しんでない、ルーティン化されない課題」ということです。

 これからの現代社会を生きる人々にとって社会が要請してくる「問題解決」とは、まさにCUN課題へのタックルであり、挑戦です。そして、CUN課題にうまく対処するためには「メタにたつ癖」が必要です。なぜなら、

CUN課題とは「どこから手をつけてよいか、そのとっかかりさえ見えない課題」だからです。

 そんな課題に対処するためには、

1.わからない課題が生じても、びびらない、諦めない
2.「前向き」にまずはやってみる
3.やってみた結果をメタにたってリフレクションする
4.未来のやり方を考える
 
 ことが不可欠です。これは「メタにたつ癖があるかないか」と無縁ではありません。

 そして、重要なことは、CUN課題に対処する前には、まずは「Routine Task」において「メタにたつ癖」を獲得することです。いきなりCUN課題の課題解決はハードルは高いものです。まずは、簡単なRoutine Taskにおいても、メタにたつ訓練をしたいものです。

 たかがドッチボールですが、されどドッチボールなのです。
 TAKUZOと「ボール投げの練習」をしながら、僕は、そんなことを考えていました。

 今週も頑張りましょう!
 そして人生はつづく