「見せつける部下指導」をしちゃう「マウンティング上司」が生まれる理由とは何か?

 先だって、書籍の企画会議で、日本能率協会マネジメントセンターの久保田章子さん、ライターの井上佐保子さんと、ケンケンガクガク、あっちゃに飛び、こっちゃに飛びの「議論」をしておりました(飛んでいるのは、例のごとく、わたくしめの思考です・・・嗚呼)。3人で議論をしていたさい話題になったのが、新任管理職の「思い込み」に関する話題です。

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 以前も申し上げましたが、新任管理職には、「実務担当者から管理職への移行」にまつわる、さまざまな「課題」がございます。その中でも代表的なものが、

「管理職とは、かくあるべし」
「管理職なのだから、、、しなければならない」

 という「思い込み」です。
 これらの「思い込み」は、本人が仕事を為す上で、「拠り所」になるところもあるので、十把一絡げに、それらの思考に対して、「思い込み」というネガティブなラヴェリングを為すことに、わたしたちは慎重でなくてはなりません。
 しかし、それが「過剰」である場合や、「環境」にあっていない場合には、本人にも周囲にも、望ましくない影響を与えてしまうことがあるから「注意」が必要です。

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 先日の話では、新管理職が「陥りやすい」思い込みのひとつに

「管理職である自分は、部下よりも、優れてなくてはならない」

 という思い込みがあるよね、という話になりました。
 これは僕の研究にも符合することでもあり

「管理職である自分は、部下よりも、優れたスキル・能力を有していなければならない」
「管理職である自分は、部下よりも、豊富な知識を有していなければならない」

 という思い込みが、存在することがわかっています。

 一般的に管理職には、実務担当者で成果をあげた人が管理職に登用されるケースが多いと思われますので、「管理職が部下よりも優れている」場合のほうが多いこともあるのでしょう。

 が、しかし、成り立てホヤホヤの新任管理職の場合、特に彼 / 彼女たちは、自分たちのポジションや役割に「自信がまだない」ので、これが行きすぎてしまうと、

「管理職である自分は、すごいんだぞ」
「管理職である自分は、仕事ができるんだぞ」

 ということを「見せつける」部下指導をしてしまうケースがあります。
 本来、あまり「不要」であるにもかかわらず、「管理職である自分は、仕事ができるんだぞ」ということを「見せつけ」、力尽くで「納得させるため」の「マウンティング行動」に走ってしまうということです。ワンセンテンスで申し上げますと「見せつけるための部下指導」です。

 もっとも多いケースは、先ほどの思い込みが

「管理職である自分は、細かいところまで目が光っちゃうんだぞ」

 という具合に発展し、「重箱の隅をつついて、重箱に穴をあけてしまう」ような「見せつけるための部下指導」をしてしまうケースがありそうです。

 もちろん、世の中には、いくら「注意」や「指導」をしても、右耳から左耳的な人もいます。「重箱の隅どころか、蓋すらあかない人」もいますから、執拗な指導はときに必要であり、そのときには自信をもって為すとよいと思います。
 ここでわたしが問題にしたいのは、本来あまり必要のないのにもかかわらず、管理職本人に「自信」がないため、「見せつけるための部下指導」を為してしまうことです。こうした状況には注意が必要かもしれません。

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 今日は新任管理職の移行に関する問題を扱いました。「自分は部下より優れていなければならない」という思い込みと、「重箱の隅をつついて、各所に穴をあけてしまう」ような「見せつける部下指導」が展開する可能性を論じました。

 この問題は、新任管理職だけに特異に存在しうるのか、そうでないかはわかりませんが、それがきっかけで部下との信頼関係を築けないのだとしたら、管理職自らが、自分のあり方にフィードバックをもらう機会を得ることが大切になってくるのかもしれません。

 あなたの近くには「見せつける部下指導」をする管理職はいませんか?
 あなたは、自分に自信がもてず「マウンティング上司」になっていませんか?

 嗚呼、いつだってマネジメントとは、難しいものです。
 そして人生はつづく