すぐに「大丈夫です!」と口にしまう人は、なぜ成長しないのか?

 先だって、あるところで、志ある方々と若年層の育成について対話になりました。ゆるゆるとした対話だったので、特にICレコーダを回していたわけではないのですが、もっとも印象的だった話題に、下記がありました。

「成長しない若い人」には、どんな特徴があるか?

 若い人とふだん日常を過ごしている多くの関係者が、同様に口にしたのは、

「どんな指摘をしても、すぐに大丈夫ですと言ってしまう人かなぁ・・・」

 でした。

 おそらく言葉をかえれば、

 全然大丈夫じゃないんだけど、すぐに「大丈夫です」と口にすることで、他人からのフィードバックを拒絶する人

 ということになるのでしょうか(笑)。フィードバックに対して反論するのでもなく受け入れるのでもなく、拒絶する。

 それも、「大丈夫です!」と口にして「本当に大丈夫」ならいいんですけど、どこからどうみても、「アンタ、大丈夫じゃなさそうだよね」というところで、フィードバックを拒絶する、というところがポイントかと思います。

 そして、関係者が同様に口にしていたのは「そういう若いが最近増えている気がするなぁ」とも話していたのがとても印象的でした。もちろん「最近の若者は・・・」という論ほど怪しいものはないので、割り引いて考える必要はありますけれど(笑)。

 ▼

 フィードバックを正しく受ける
 フィードバックを正しく行う

 ことは、学習や成長にとって非常に重要なことであると思います。
 このことを、某所である大学の先生に話したら、

「あー、中原君、そりゃ、ロケットと同じだね」

 とおっしゃっていました。

「まっすぐ飛べるエンジンロケットは存在しないの。ロケットってのは、飛んでいるうちに傾いてくるので、そうしたら自分の傾きを検出して、ジェットの吹き出し口の傾きをかえるためのフィードバック機構がついてます。そういうフィードバックがなくては、正しく飛べないんだよ・・・」

 絵にしてみれば、下記のようなものでしょうか?

rocket2015.png

 こんなグラグラなロケット、乗るの、いやだよ、オレは(笑)

 でも、なるほど、とても勉強になりますね。ありがとうございます。そうか、フィードバックがあるから、はじめて「正しく飛べる」のね。

 さらに話を先にすすめて申し上げるのだとすれば、「フィードバックを正しく受けること」ができなければ、将来、自分がマネジャーになったときに「フィードバックを正しく行うこと」は難しいように思います。

 「フィードバックを自分は正しく受けることができない」のに、他者に対しては、「絶妙なフィードバックをかえすことができる人」

 というものに、僕は出会ったことがありません。

 ▼

 今日はフィードバックについて書きました。

 フィードバックの受け方や、送り方は、「教科」でもなんでもないので、学校で教えてくれることではありません。でも、これほど大切なことはないのにな、とも思ってしまいます。

 正しく力強く飛ぶために
 そして人生は続く