「生涯学習」というより「生涯修行」!? : 中野民夫(著)「みんなの楽しい修行」を読んだ!

(中原は、夏休みをいただいております。また復帰次第、更新させていただきます。またお逢いしましょう!)

 先だって、同志社大学の中野民夫先生に、はじめてお逢いするご縁をいただきました。

 中野民夫先生といえば、2001年、今から15年弱くらい前、「ワークショップ」という名称が、まだ日本に流通していないときに、岩波新書「ワークショップ」を出版なさり、その後の、同様の試みの発展に寄与なさってきた方です。

 同日は、両者ともに、同一のセッションの運営者のひとりでございましたので、そのご縁でお逢いすることを愉しみにしていました。

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 セッション開始前、中野先生とはじめての顔合わせです。はじめてお逢いした感想は、まことに失礼なのかもしれませんが、「以前に、どこかでお逢いしていたような気がして、はじめてのような気がしない」というものでした(笑)。す、す、すみません。

 これは、僕が中野さんの著書を何度も読んでいたことに起因するのかもしれませんが、おそらく、中野先生のいつも「自然体」のお人柄の部分が大きいのではないかと思います。

 同日は、パラレルでセッションが動いており、僕はしかもコーディネータのひとりをつとめていたこともあり、中野先生のセッションには常に参加できたわけではないのですが、合間合間にでも、お話を伺わせて頂けたことが非常に興味深いことでした。
 とくに、これまで歩んできた経験のなかに、いくつか共通するもの、共通する人々がいるような感じを受けました。事実、共通の知り合いや、過去に接点のある方も多く、そのようなご縁を勝手に嬉しく感じていました。

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 後日、中野先生からは、ご著書「みんなの楽しい修行」をご恵贈いただきました。まことにありがとうございます。この本は、中野さんが高校時代から現在にいたるまでを振り返り、そこで出会った人々、出来事、そこからの学びを「修行」という概念でまとめられた本です。

 曰く、社会をよりよいものにしたい、社会に対して何らかの働きかけをしたいと人々が願うとき、「我が身を内側から調え、養っていく地道な作業」がどうしても、必要になります。本書では、それを「修行」という概念でまとめられています。

 本書を読み進め、なるほど、先日感じた「共通点」らしきものとは、こういうことなのか、といくつか納得しました。

 勝手ながらあげさせていただきますと、先生も僕も、見田宗介先生の「気流のなる音」など一連の著作に、学生時代、かなり影響を受けたこと。マインドフルネスなどのストレスリダクション(ストレス低減法)に興味をもっていること。
 また過去の仕事経験の根幹に、「内側に入り込んで、内側から物事を脱構築する=内破する」という側面が存在すること。

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 おこがましいかもしれませんが、まだまだいくつか共通点らしきものが発見できたのですが、そのようなところで、なるほど!、そうだよね!と勝手に膝をたたきながら、本書を読まさせて頂きました。貴重な学びの機会に感謝いたします。

 本書の後半部には、人生をめぐるある名言が掲載されています。

人生とは、何かを計画しているときに起きてしまう「別の出来事」である (シリア・ハンター)

 人生は、「計画」をいつも超えていきます。
 もちろんん、だからといって、「計画をしないこと」が知性的態度とはいえないのですが、人生を愉しむためには、一方で「計画」をしつつも、他方では「計画を超えること」を受け入れ、新たに変化することを厭わぬ姿勢が求められるような気がします。

 そのひとつが修行であるのだとしたら、僕自身も、常に「生涯修行」の身でありたいと願います。

 「生涯学習」というより「生涯修行」??(笑)。
 そして人生は続く