年配者の経験談を「オレオレの押し売り」にしないためには!?

 ちょっと前のことになりますが、テレビ番組「情熱大陸」に高田純次さんが登場なさったことがあります。

 高田純次さんといえば、僕の中では、子どもの頃に家族で見ていた「天才たけしの元気がでるテレビ」のレポーター役がもっとも印象にのこっている姿であり、それから数十年後、68歳の今なお、元気で活躍なさっていることに、まずは驚愕しました。

 

 番組の方も、「68歳の今なお、現役で活躍できること」をフィーチャーしており、そのことも踏まえ、高田純次さんの魅力に迫っておりました。

 番組のなかで高田純次さんは、こうおっしゃいます。

 肩書きは第三者が決めるからね
 歳とってやっちゃいけないことは
 「説教」と「昔話」と「自慢話」
 だからおれ、この3つ無くしてるからエロ話しかできない

 嗚呼、自戒をこめて申し上げますが、高田さんの、この言葉にドキッときた方もいらっしゃるのではないでしょうか。かくいう僕も、まだペーペーなのですが、最近、この3つが「全くない」わけではないな、と思いました。年齢を重ねると、若い人に対する「説教」と「昔話」と「自慢話」が一般的に増えていくのでしょう。おー、気をつけなければ!あぶない、あぶない。

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 とはいえ、年配者の経験談というのも、全くの「有害物質」かと問われると、そうではない一面ももっている気もします。うまくもちいれば、後輩からみれば、非常に学ぶことの多いリソースになる可能性があるものです。
 僕の専門は人材開発ですが、「年配者の経験を、自社の人材開発に活かせないだろうか?」というご相談は、頻繁に寄せられます。

 これにはいくつかコツがあるのですが、もっとも大きいことは何かと申しますと、

「経験談を、ほったらかしにしない」

 ということです。つまり、年配の人だけが経験談をしゃべくりたいだけ話して、それで終わり、という「新春大放談的」な場にしないこと。そうした場は、たいがい

 オレ、すげーだろ
 オレの過去、いかしてるだろ?
 オレ、今も、イケてるだろ?

 というような「オレオレの押し売り」になりはてます。そして、そのような場をつくると若手は「やらされ感」が漂います。

 むしろ「経験談を、ほったらかしにする」のでは「なく」、それを素材として議論をしたり、質疑を活発にしたりする。つまりは、経験談に「インタラクション」を交えていくことがもっとも重要なことだと僕は思います。たとえば、仮に今、60分時間があったとします。そうであるなら、経験談は20分でもいいくらいです。残りの40分はインタラクションにあてるくらいの覚悟がなければ、僕は、個人的に経験談のセッションは組みません。大切なことは、年配の数ある経験談の中から、「若い人=聞き手が知りたいこと」についてより深い理解につながる話しあいができるか、どうかということです。

 これまでかかわってきた現場、そういえば、先日かかわった現場でも、工夫して経験談を料理しておられました。経験談の危険性と可能性をよく熟知しておられる人材開発の方が、機転をきかして、場をつくっておられたのが印象的でした。

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 今日は高田純次さんの話題から、なぜか?「人材開発における経験談」の取り扱いに話が飛びました(笑)。休み明けなので、そのようなこともございましょう。

 いずれにしても、「押し売り」をしたりせず、若い人々とはしっかり向き合いたいものです。

 そして人生は続く