「空気を吸っても、水を飲んでも、体重が増えてしまう世代 !?」向けの「下山ワークショップ」!?
今年になって、ひそかにパッションを持ちながらすすめているプロジェクトに、京都造形大学 アートコミュニケーション研究センターの伊達 隆洋さん、岡崎 大輔さん、内田洋行教育総合研究所 平野智紀さんらとの共同研究があります。
京都造形大学 アートコミュニケーション研究センター
http://acop.jp/
平野智紀さん ウェブサイト
http://www.tomokihirano.com/
京都造形大学や平野さんらの中心的な活動で、非常によく知られているのは「対話型鑑賞」のお取り組みですが、今回の共同研究で中心的なテーマになっているのは、それではありません。
それは、ズバリ
「働くことをとらえなおすための中高年向けワークショップ開発」
です。
もうすこし平たく申し上げますと、
50代の方々が、これから20年をかけて、いかに「下山」するかを考え直すためのワークショップ
を開発しています。ぜんぜん、ひらたくない(笑)?
ま、ワンセンテンスで申し上げれば
「下山ワークショップ」(笑)。
「長い仕事人生」をいかに安全に、かつ、心地よく「徐々に降りるか」を考えるための学習機会と申し上げましょうか。登山は、安全に「下山」できなければ「遭難」です。せっかく「登山」したのに「遭難」してしまっては、元も子もありません。だから、これから下山を迎える前に、下山のやりかたを考えよう、というのが趣旨かと思います。
ここに至る経緯は、話すとかなり長いのですが、ともかく4人で、そうしたものを開発しましょう、ということで、話をすすめています。
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思えば、これまで人材開発は「登山」に注目することの方が多かったように思います。
若手の社会化(人材育成)、熟達、リーダーへの成長、マネジメントスキルの向上・・・などなど、これらは、要するに「上昇移動を前提にしたさまざまな人材開発」であり、メタフォリカルに申し上げますと、いわば「登山」とも形容できるものです。そして、そこには、コーチングやメンタリングなどを中心に、さまざまな概念、ツール、技術が、すでに発達してきています。先行研究も「腐るほど」あります。そこは研究の中心地であり、いわばレッドオーシャンでもあります。
しかし、僕も、今年は40になり(笑)、「空気を吸っても、水を飲んでも、少しずつ肥えてくる世代」に突入してきました。
また、学問的にも、相対的にブルーオーシャンである、この領域をみたときに、そろそろ「下山の研究に着手すること」も大切だな、と思うようになりました。
むしろ、僕は、「自分の生き方」と「自分の学問」を切り離して考えられない人間なので、「自分のためにも」、「下山のプロセス」が知りたくなってきているといっても過言ではなりません。
さらにたとえていうのならば、
「空気を吸っても、水を飲んでも、少しずつ肥えてくる世代」、酸いも甘いもわかりかけている、海千山千な人々向けの、プチしょっぱい人材開発
というのかな(笑)。わけわからん。
たとえば、同じコーチングやリーダーシップ開発でも、そうした世代向けの「何か」が求められているような気がします。
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ワークショップの開発は、月1程度、実際にあってミーティングを繰り返しているのですが、今後のプロセスでは、つくってはやってみて、やってみてはつくりあげる、いわば「デザイン&実践」のプロセスに入ってきている、と思います。
せんだっての会議では、京都での実践の様子をうかがいましたが、まことに興味深いものでした。あるひとりの方が発したという、印象的な言葉が、どうもそれ以来、僕の脳内では、リフレインしています。
50になってみたものの
30のときから
自分としては
何一つ変わっちゃいない
この感覚は、なるほどなと思うところがあります。
たとえば、自分の場合、僕は今年で40になりますが、外見的には少し変わったような気がするのだけれども(笑)、マインド的には、自分としては20から何にも変わっていない気もします(成長していないってこと?)。外見はともかく、マインドはヤングです(笑・・・死語)
だとするならば、もう一度、これまでをみつめなおし、これからを構想する機会を、中高年に突入する、なるべく早い時期に「前倒し」でもつことが重要なのではないか、という思いを僕はもちます。
まだまだマインドはヤングなんだから、その時期に「安全な下山の仕方」を考える。
先ほども申し上げましたように、山登りは、安全に「下山」できなければ「遭難」です。せっかく「登山」したのに「遭難」してしまっては、元も子もありません。そうしたことを考えたく思います。
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というわけで・・・今、わたしたちは2本のワークショップを開発しています。秋・冬くらいには、実際に、都内で実験的実践をお届けできるものと思います。第一弾は、9月7日の夕方以降だと記憶しています。
ぜひご参加頂けたとしたらうれしいことです。
そして人生は続く
投稿者 jun : 2015年7月14日 05:57
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