自分の乗っかっている「ちゃぶ台」をひっくり返すリフレクション!?
英語の「クリティカル(Critical)」というのは、日本語では「批判的」と訳されることが多いと思います。
Critical Thinking(クリティカル・シンキング)といえば「批判的思考」になりますし、今日のお題であるCritical reflection(クリティカル・リフレクション)といえば「批判的省察・批判的内省」ということになるのでしょう。
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このように「批判」という用語は、人材開発によく出てくる用語のひとつなのですが、実は、まことに「曲者ワード」のひとつでございます。
「批判」というと、シャバ的には「否定すること」「非難すること」「物事の善悪を判定すること」という風にとらえがちなので、ちょっともともとの意味からズレてしまうのです。
先だっての授業でも、勇気ある方々が「批判的内省」とは何かについて解説を求めて下さいました。ありがとうございます。
その質問に対して、僕は、「批判」という言葉をきいたときには、
「ちゃぶ台をひっくりかえすイメージ」を頭に思い浮かべて下さい
とお話をしました。図工2の絵としては、こんな感じです(小生は、若い時分、図工2をとっていました)。
そうですね「批判=ちゃぶ台をひっくりかえす=ものごとの前提や根本からひっくりかえす」イメージです。
前提や根本にいったん立ち返ったあとで、物事を考え直すことが「批判」というイメージです。どうですか・・・少しはイメージがつきますか?
ですので、「批判的省察」というと、「ちゃぶ台をひっくりかえすリフレクション」です。それも、さらに正確に述べるならば、
「自分が乗っかっているちゃぶ台をひっくりかえすリフレクション」
と考えれば、さらによいと思います(笑)。
通常のノーマルなリフレクション?ではなく、折りに触れて、自分が乗っかっているちゃぶ台や、自分がアタリマエと思ってきた自分の存立基盤すらも「ひっくりかえす」。
批判的省察とは、そのようにディープなものなので、「あいたた!」という風に「痛み」が伴うものであり、自己が「変容」する可能性がでてくるのです。ていうか、どう考えても、いてーよ。
くれぐれも「リフレクションして非難しあうこと」ではないので、あしからず。
え? 絵、ですか? ごめんなさい。図工2には描けません。どうか、絵心のある方、お願いいたします。「自分の乗っかっているちゃぶ台をひっくりかえす」??? 頭になぜか(!)イメージはできるけど、描けない(笑)
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今日は「批判的省察」について、面白おかしくアレンジして書いてみました。くれぐれも申し上げておきますが、その道のプロの方は、決して真に受けず、原典にあたってくださいね。
そして人生は続く
追伸.
僕が監修に携わった「教師の学びを科学する」の著者の脇本さん、町支さん、そして、この本の舞台になった横浜市教育委員会×中原研の共同研究を立ち上げをしてくださった横浜市教育委員会の
前田先生らが、6月5日(13:00〜14:40)で講演をなさるそうです。前田先生には、このプロジェクトにお誘いいただき、心より感謝をしております。「教師の学びを科学する」と序文にも書きましたが、前田先生が拙著「職場学習論」をお読み頂き、研究室を訪問してくださっていなかったら、心と志ある職員の方々と、このプロジェクトの成立に尽力してくださらなかったら、このプロジェクトも本もなかったものと思っております。本当にありがとうございました。
「若手教師が育つ学校づくりへの挑戦:サーベイフィードバックによる学校・教育委員会・大学の新たな連携」というテーマです。僕は参加できませんが、まだ少しだけ残席がおありなようなので、ぜひ起こし頂ければ幸いです。「教師の学びを科学する」のサーベイ、ワークショップの全体像がご理解いただけるものと思います。
「若手教師が育つ学校づくりへの挑戦:サーベイフィードバックによる学校・教育委員会・大学の新たな連携」
横浜市教育委員会 北部学校教育事務所 指導主事室 室長
前田 崇司 氏
青山学院大学 情報メディアセンター 助手
町支 大祐 氏
東京大学 教養教育高度化機構
特任助教
脇本 健弘 氏
NEW EDUCATION EXPO 2015(6月5日をクリック!)
https://edu-expo.org/seminar.php?event=2015&hall=T#timeline
6月4日(13:00〜14:40)には、同僚の栗田さん、市川さんらが「インタラクティブ・ティーチング:教えることを学ぶオンライン教員研修プログラムの成果と展望」というテーマでご発表なさいます。こちらもどうぞお申し込みいただけますと幸いです。
東京大学 大学総合教育研究センター 特任准教授
栗田 佳代子 氏
東京大学 大学総合教育研究センター 特任研究員
市川 桂 氏
NEW EDUCATION EXPO 2015
https://edu-expo.org/seminar.php?event=2015&hall=T#timeline
投稿者 jun : 2015年6月 2日 05:50
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