銭湯の「常連」さんたちの「背中流しネットワーク」から見えてきたものとは?:菅原和孝編「フィールドワークへの挑戦」を読んだ!

 いや、カミサンが職場復帰してからというもの、時間がマヂでありません。夫婦共々田舎出身で、身寄りが東京におらず、2人の子どもを前に、右往左往して、何とか日々を過ごしているのが現状です。

 これまでカミサンが果たしてくれていた役割に感謝するとともに、現在、決して「サスティナブルではない自転車操業状態」を、いかに「ルーティン」におとしこみ、効率化を追求していくか。
 必要な場合は、家庭外のリソースを動員するか否かについて、本格的に「しくみづくり」をしていかなければならないと思っています。このままでは「サスティナブルではない」(泣)というか、たぶん、もたない。

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 というわけではないのですが、今日は読書メモだけ(笑)。

 先だって遅ればせながら、人類学者・菅原和孝さんの編まれた書籍をまとめてよむ機会を得ました。菅原さんの本はとても面白かったのですが、とりわけ個人的に興味深かったのは、「フィールドワークへの挑戦」です。研究者というよりも、いちおう教育者のはしくれとして感銘を受けました。

 この本は、人類学者・菅原和孝さんの授業で学生達が成し遂げたフィールドワーク40本集めた書籍です。学生たちが為したフィールドワークは、どれも切り口が斬新でした。セックスワークからはじまり、棚田の研究まで。へぇーと思うような場所を丹念な観察を通して描き出しているところが興味深いところでした。

 特に圧巻だったのは、第5章「銭湯の行動学」(佐藤せり佳著)です。街場の銭湯というローカルな場所を舞台に、そこに集う常連さん達による背中流しネットワークを分析し、最後はゴフマンでしめるという荒技を、学生ながらやってしまうのは、何とも素敵です。これまでにも増して、京都大学といいましょうか、同大学に流れると予想される硬派なアカデミズムの風土が好きになりました(笑)。

 とまぁ、こんな慌ただしい日常です。
 本当は菅原さんの最新刊「世界のてざわり」に収録されたフィールド哲学についても、書きたいところがあるのですが・・・綿密なフィールドワークと哲学的思考と自己に対する省察があわさったフィールド哲学には、なかなか心引かれました。でも、今日は涙をのんでここまで。


 そして人生は続く