3回やれば事業が「安定」する、安定した頃には「マンネリ化」がはじまる!?:組織学習をめぐる闘い!?
「組織学習」という概念があります。「組織が学ぶ」という風に「組織」が「主語」になっている概念は、何とも「奇妙」に聞こえるかもしれません。
が、それをワンセンテンスでいいかえますと、「組織がスマートに振る舞えるようになること」と言い換えることもできるのかもしれませせん。
組織学習とは
「組織に所属するさまざまな人々が、そこで業務経験をつみ、学び、それらの智慧が共有されることで、組織全体としては、少しずつ効率性がたかまり、さまざまなオペレーションが確立していくこと」
です。
経験を積んで、だんだんと「組織がスマートに振る舞えるようになること」。このことを、今、ここでは「組織学習」と呼ぶのだとします。学術的に様々な詳細な説明は、ここでは(20分で書いてるブログなんで)期待なさらないでください。取り急ぎ、ここでは、これですすみます。組織論の中で組織学習の概念レビューを丁寧になさったのは、南山大学の安藤先生かと認識しておりますが、下記の書籍に、詳細な歴史的系譜が論じられております。ご興味をお持ちの方は、ぜひご一読いただければ幸いです。
▼
組織学習・・・こう呼んでしまうと、何だか難しい概念であるような気もしますが、職場をマネジメントし、新たな事業を進め、苦闘している方々にとっては、いつも闘っていること、「あーあれのことか」ではないかな、とも思います。
新しい事業やサービスをはじめる。
最初は、メンバーの誰一人として、経験はない。
だからこそ、混乱する。
だからこそ、非効率。
でも、業務を積み重ね、経験を積むことで
だんだんと効率的、かつ、スマートな運営ができるようになる。
マニュアルが整備され、会議体がもうけられる。
3回やると安定してくる。
ここまでのプロセスが、「組織学習」です。
混乱期からオペレーションを確立していくのはなかなか大変で、内部にいる人々は、このプロセスの中で「闘っている」のですが、しかし、組織学習の「本当の闘い」は、ここからはじまります。
というか、マネジャーとしては、ここからが「激闘」。
なぜなら、
安定するころには「マンネリ化」もはじまってきます。
仕事がオペレーションになるころには、ルーチン化も
はじまってきます。
そうすると、だんだんと、メンバーは
仕事をこなしてくるようになってきます。
新しいことを次に工夫しようとか、そういうマインドが低下
することもあるかもしれません。
顧客に少しずつ見放されてしまう可能性もゼロではありません。
そのなかで、少しずつ外部環境自体も変わってきます。
事業が「飽きられ」、環境に「適応」できなくなってくる。
本来ならば、この1歩手前で物事を変えなくてはなりません。
安定した頃がマンネリ化、不適応のはじまりです。
本来ならば、安定期の一歩手前に、対処をうたなければならないのです。
つまり、いったん学習した内容を棄却(Unlearning)し
新たな物事を、次に生み出さなくてはならないのです。
これは苦渋の決断です。
なぜなら、ふりだしへ戻るだから。
本当にゼロではないけれど・・・
多くの場合は、「ふりだしに戻る」は痛みをともないます。
このように組織学習のややこしさは、「3回すれば安定する。でも、安定した頃にはマンネリ化する」の繰り返しにあるような気がします。
皆さん、思い当たる節はありませんか?
▼
今、私たちの研究部門では、さまざまな新たな試みを行っています。そして、メンバー全員、実は、この「組織学習」のまっただ中にいます。
さらに人の入れ替わりもありますので、方程式はなかなかに複雑です。どのような知識や経験が、今、組織がもっており、どのような経験が、人の入れ替わりによって失われてようとしているのかを、常に頭の中に入れておかなくてはなりません。
組織学習という言葉を仮に知らなかったとしても、マネジャーの中には、常にこれと苦闘している方もおおいはずです。
組織学習とは、経営学のマニアックな用語ではありません。
組織学習とは、「みんなの課題」です。
そして人生は続く
投稿者 jun : 2015年3月 6日 06:20
【前の記事へ移動: 「要するに、ワンワードでいうと何よ?」と部下を「詰める」前に考えたいこと!?:「 ...】【次の記事へ移動: プレゼンは「コンテンツが7割、デリバー3割」!?:「薄っ、これ水じゃねーの的ワイ ...】