あなたが「天国」に着いたとき、「神様」から、なんと声をかけられたいですか?
今年度、東大・駒場キャンパスで実施している「メディア創造ワークショップ」という授業を実施しています。
この授業は、学生自らがキャンパス内外を探究学習し、「Global × Work × Discovery」というテーマにゆるく関係した3分間のインタビュービデオを作成する、というアクションラーニング型の演習授業です。
映像ディレクターの大房潤一さんをゲスト講師にお招きし、藤本徹先生、中澤明子先生、福山佑樹先生、石原学さんらとともに、実施しています。
ちなみに、ここでテーマに敢えて、最後に「Discovery(発見)」とつけていることには意味があります。
それは「今まで巷にあふれているコンテンツとは、ひと味違ったものの見方・角度」からコンテンツ制作を行うように、学生さんにお願いをしているのです。
要するに、学生の皆さん自身が「発見」したものをコンテンツにしてください、ということですね。
マスメディアでとりあげられるような、いわゆる「グローバルグローバルした人」をミーハー心から取り上げ、紋切り型のコンテンツをつくるんじゃない! 要するに、言いたいことはそういうことです。
おかげさまで、メディア創造ワークショップは、募集人数・満員御礼。4つのグループに分かれた学生さんたちが、グループワークを開始しています。いよいよ来週からは実習です。
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昨日の授業では、今回の授業で開発する制作物についてのレクチャーを中原が一通り行ったあと、大房さんの方から、インタビューの映像文法に関する講義をいただきました。
世界のインタビューを見ていくと、インタビューと一口にいっても、その演出、その形式には、様々な種類のものが存在することがわかります。
数あるインタビュービデオの中で、僕がもっとも興味深いな、と思ったのは、アクターズ・スタジオ・インタビュー(Inside the Actors Studio)という米国のインタビュー番組でした。
この番組は、アメリカの俳優・映画監督などを対象にしたインタビュー番組で、1994年から20年間続いているご長寿番組だそうです。
(ごめんなさい。聞き書きなので詳細は知りません)
昨日は、ジョニーデップのインタビュー場面を皆でみて、そこにどのような演出が存在しているか、を考えました。
Johnny Depp - Inside Actors Studio Clip - P1 投稿者 JohnnyDeppNews
アクターズ・スタジオ・インタビューでは、毎回、様々なゲストを対象にインタビューがなされますが、質問項目の中には、毎回おなじみの「10の質問」というのがあるそうです。それが下記の10つの問いかけです。
1.好きな言葉
(What is your favorite word?)
2.嫌いな言葉
(What is your least Favorite word?)
3.気持ちを高揚させるものは
(What turns you on creatively, spiritually or emotionally?)
4.うんざりすることは
(What turn you off?)
5.好きな音
(What sound or noise do you love?)
6.嫌いな音(What sound or noise do you hate?)
7.好きな悪態
(What is your favorite curse word?)
8.今の職業以外でやってみたい職業
(What profession other than your own would you like to attempt?)
9.絶対にやりたくない職業
(What profession would you not like to attempt?)
10.天国に着いたとき、神様になんと言われたいか?
(If Heaven exists,what would you like to hear God say when you arrive at the Pearly Gates?)
この10の質問、1番目や2番目は、ジャブのようなものですが、よくよくひとつずつ自ら答えてみると、なかなか考えさせられるものがあります。
特に3番目、4番目、7番目あたりから、その人の、人となりが想像できるような質問が続きます。そして、最後は「仮定法」がどどどと続き、最後の最後に「究極の質問」がきます。
ところで、あなたは、天国に着いたとき、神様になんと声をかけられたいですか?
(If Heaven exists,what would you like to hear God say when you arrive at the Pearly Gates?)
これは、なかなか考えさせられる質問です。天国で、一番最初に神様からかけられる言葉は、自分の人生を総括し、それをワンワードで表現するひと言になりうるからです。
皆様なら、この質問に、何と答えますか?
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質問には日常を破り、揺さぶる質問というのがあります。特に、仮定法とは、ーあんまりしつこく仮定法を用いられるのはいやですがー効果的に利用されれば、非常にパワフルな問いかけを生み出します。
メディア創造ワークショップは、「Global × Work × Discovery」というテーマを扱いますので、学生たちは、これからの「働き方」や「仕事」を考えざるをえません。と同時に、インタビュービデオをつくるとは、「問いかけのトレーニング」でもあるのです。学生ならではの視点を盛り込んだ、しかし、人を揺さぶる問いかけをつくりだしてほしいものです。もう大学生なんだから「問いかけられて」ばかりいるんじゃない。自ら「問い」をつくりだす主体になってほしいものです。
あなたが、天国に着いたとき
神様になんと声をかけられたいですか?
そして人生は続く
投稿者 jun : 2014年10月17日 07:49
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