本を「1トン」読め!?:1ヶ月に1冊も本を読まないスマホ時代!?に「多読」することの意味

 先だって、美瑛町にて、Yahooの宮坂社長とお会いする機会を得ました。Yahooさんからお声がけいただいて、小生、今年から関わらせていただいている5社・異業種問題解決研修に、宮坂社長がお越しになり、30人の次世代・若手ビジネスパーソンに、トップスピーチをなさったのです。

異業種社員チームによる、北海道・美瑛町の「地域課題解決プロジェクト」を開始
http://pr.yahoo.co.jp/release/2014/05/08a/

異業種5社のリーダーが集まる研修をいかにデザインするのか!?
http://www.nakahara-lab.net/2014/05/post_2222.html

 宮坂社長のお話は、どれも示唆にとむものでしたが、個人的に最も驚いたのは、宮坂さんの発せられる言葉、ひとつひとつが「わかりやすく」、メタファにとみ、聞いている人に「刺さる」ものであったことです。5000人の企業のトップに向かって、このようなことを申し上げるのは、まことに恐縮なのですが、本当に心の底からそう思いました。

 お話を伺いながら、「このメタファは、普通の人ではでてこないよなー」とか「ここで、この話をもってくるとは、わかりやすいなー」と思っていました。ブラボー!

 あんまり驚いたので、あとで同社・人事部長の本間さんや池田さんに、誠に失礼ながら、

「宮坂さんの言葉は、ひとつひとつが尖っていますね。あの場面を、あのメタファで説明することは、ふつーは、なかなか出てこないですよ。宮坂さん、よほど、本とかお読みになります?」

 と聞いてしまいました。
 すると、帰ってきた答えは・・・

「宮坂はものすごい読書家ですし、とことんまで調べて、調べて、追求します。読んで、調べて、読んで、調べてです。宮坂は若手には"本を1トン読め!"と言っています」

というものでした。ICレコーダーを持っていたわけではないので、1字1句同じではないですが、趣旨は間違っていないと思います。

 求められるレベルは、

「何冊本を読むのか?」

 ではなくて、

「1トン本を読むこと」

 なのです(笑)。素晴らしいことですね。社長という重責にありながら、それだけのインプットがあるからこそ、アウトプットも洗練されているのだろうな、と思いました。
 仕事柄、様々な社長・経営層の方々にお会いしますが、思わず舌を巻きました。

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 大人の読書については、思うことがあります。
 以前、ある調査で読書の量を調べたことがありました。調査対象者はビジネスパーソンで、ランダムサンプルではないので、偏りがあることを最初に断っておきますが、あくまでこのデータで、1ヶ月に一冊も本を読まない人は、マンガ以外のそれぞれのジャンルで、だいたい50%でした(N=617)。スマホ時代にあって、おそらく、そのレートはさらに下がっているものと予想します。

 思うに、本を読むことは、これだけ「知識や情報がパワーをもつ時代」にあって重要なことだと思いますし、「1トン本を読む人」と「ゼロ冊」では、長期的にみて、恐ろしいほどの差が生まれることは容易に予想できます。

 大人は忙しい。家と職場の往復だけで精一杯。確かにそのことはわかります。「自分の地図」を大きくするためにも、1トンとはいわずとも、せめて数百キログラムくらいは、本を手にしてみたいものです。自戒を込めて。

 最後になりますが、このような機会をいただいたヤフーの宮坂社長、本間さん、池田さんには感謝いたしますとともに、5社の人事部の方々、そして参加者の皆様にも、心より御礼を申し上げます。お疲れさまでした。ありがとうございました。プロジェクトは、まさに後半へ突入です。

 そして人生は続く。

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追伸.
 異業種5社の課題解決研修が、北海道新聞に取り上げられました。この場を借りて御礼申し上げます。今回のセッションは、NHKクローズアップ現代さんの取材も入っていただきました。NHKの布浦ディレクターには大変お世話になりました。ありがとうございました。

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