自分の「耳」を養うのです!? : アナウンサーの「学びの現場」を取材させていただきました!

 先だって、人事専門誌「学びは現場にあり」の取材で、TBSテレビにお邪魔し、「アナウンサーの学び」について、現場の方々から、非常に興味深いお話を伺いました。この仕事は、JMAM久保田さんと、井上さんとの仕事です。

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 まずお邪魔したのは、新人アナウンサーの練習の場面です。
 つい最近、制作部からアナウンス局に異動なさった笹川友里さんが、30年のキャリアをもつベテラン・清水大輔アナウンサーに先生になってもらい、ニュース原稿を読む場面を見学させて頂きました。

 小さな小部屋の中で、新人アナウンサーの笹川さんが、ニュース原稿を読んでは、ICレコーダに記録され、その後再生。清水さんからは、「自分としてはどこが悪い」と思うか、を問われます。

「この2行(の原稿)あたりで気になるところがあったけど、どこだった自分は思う?」

 実践ーモニタリングーフィードバックを繰り返す、その様子は、非常に興味深いものでした。

 清水さんによりますと、アナウンサーの育成で、最も力を入れているのは、「発音すること」ではなく、「自分の耳を養うこと」だと言います。

 なぜなら、アナウンサーは3ヶ月後のトレーニングを経たのちは、原則としては「自分一人で、自分の発音を直し、トレーニングを積み重ねなければならないから」だそうです。要するに「自己調整学習するための感覚器を養う」ということでしょうか。

 そして、そのためには、自分の発音やアクセントを聞き取る「耳を養うこと」が大切なのだそうです。
 そのことは、その後にインタビューをさせていただいた加藤シルビアさん(現・Nスタアナウンサー)も同じようなことをおっしゃっていました。
 人には、それぞれに、自分には気づかない発音・アクセントの癖がある。そうした癖を自分で意識してなおすことが重要なのだそうです。
 練習を積み重ねることで、自分の錯誤に気づくことのできる「耳を養う」というのは、まことに興味深いメタファです。見学・ヒアリングをご許可頂いた清水さん、笹川さん、加藤さん、本当にありがとうございました。心より感謝致します。

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 その後は、人材開発部の藤田多恵さん、矢田絵里奈さんらのお招きで、「TBSテレビ新入社員研修」の最終場面、「スポットCM発表&審査会」を見学させていただきました。

 TBSテレビでは、配属直前、新人研修のフィナーレとして、30秒から1分程度のビデオ制作を新人に課しているそうです。制作にあたっての成約は「撮影1日、編集1日」。今年は、「TBSのテレビで、朝が変わる」というテーマで、新人達が6人のグループになり、30秒のスポットCMをつくったそうです。この30秒のCM発表会が、全社のしかるべき方々に審査員になってもらい、先だって、開催されていました。

 発表会では、

1.メッセージ力
2.インパクト
3.構成力(編集のテクニック力)
4.オリジナリティ

 の4つの視点で評価がなされます。4つのグループの作品ともに面白かったのですが、僕も見ていて、「たぶん、優勝はこのグループだろうな」と思った作品が賞をとりました。
 制作された、これらのCMは、社内のエレベータで流れる可能性があるのだそうです。さすがはテレビ局。

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 今日はテレビ局の人材開発のお話をしました。
 現場はまことに学びが多く、また、そこにいる人々の語りには、豊穣なメタファが含まれています。非常に興味深いことです。

 最後になりますが、今回の取材をアレンジして頂いたTBSテレビ藤田さん、矢田さんには心より感謝致します。お二人は、かつて、僕の授業の受講生でいらっしゃいました。
 帰り際、もうひとりのアラムナイであった中田奈穂子さんにもお逢いすることができました。

 アラムナイの方々が、それぞれの現場で、人材開発に携わっている様子を拝見させて頂くことは、これ以上、幸せなことはございません。ありがとうございました。心より感謝致します。

 そして人生は続く