親父の工具箱

 誠にどうでもいいことなのですが、子どもの頃、自分の親父の使っている「工具箱」というのが、何とも、憧れでした。
「赤くて、決して上等とはいえない普通の工具箱」だったのですが、そこに入っている道具を、親父が使って、いろんなものをつくったり、直したりしているのをみるのが好きでした。親父は口数少ない根っからの技術屋でした。何も言わず、作業をしていました。

 先だって、ちょっと前のことになりますが、自分も、そのような工具箱を準備したいと思い、東急ハンズに、工具と一緒に買いに行きました。真新しい工具箱をひとつ買いました。ドライバーや、ペンチも思い切って新調しました。

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 なぜ、突然、工具箱が欲しくなったのかはわかりません。
 我が家の棚には、真新しい工具箱と、その中の道具たちが、
 今か、今かと、出番を待っています。

 そして人生は続く