学部生に「人材開発」を教えるときのプチ工夫!?

 今日から駒場で集中講義です。山内祐平先生と担当している「情報人文社会科学Ⅳ」という講義で、兼坦している駒場の教養学部・学際科学科の科目ということになります。
 今年からの授業なので、朝っぱらから、ちょっぴりだけ緊張しております。今日は4時に目が覚めました。

 授業では大きく、下記のような内容を扱っていこうと思っています。
 
 1.経営学習論の視点
 ・人間・組織にとって学習とは何か? 
 ・人材マネジメントとは?
 ・採用ー配置ー育成ー昇進ー退出
 ・企業事例検討

 2.ケーススタディ
 ・人事部長・ミニケース①:採用施策を見直せ
 ・クラスディスカッション

 3.採用とキャリア開発 
 ・北九州市立大学 見舘先生からの問題提起
 ・グループディスカッション
 ・全員でクラス議論

 4.予期的社会化
 ・人事部長になったつもりでミニケース②
  内定辞退を防止せよ!

 5.研修と転移
 ・リアリティショック
 ・研修の意味
 ・Transfer of learning
 ・人事部長になったつもりでミニケース③
  富士山登山研修は何のため?

 6.組織社会化とOJT
 ・中原研・保田さんからの問題提起
 ・グループディスカッション

 7.リーダーシップ開発
 ・マネジャーになること
 ・リーダーシップ開発論の歴史的経緯

 いろいろ詰め込みたい気もするのですが、時間も限られておりますので、こんな感じでしょうか。
 北九州市立大学の見舘先生にはテレビ会議で、中原研の学生で看護師の保田さんには、ご講義をいただくことになりますが、本当に、お忙しいところすみません。まことにありがとうございます。

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 こういうカリキュラムを組んでいて、いつも悩むのは、こうした「経営的な内容」「会社的な内容」を、一度も社会に出たことのない学部生に講義することが、とてつもなく難しいということです。 
 経営学部なら事情はまた違うんでしょうが、本学のおおくの学生にとっては、

「組織? なんすか、それ?」
「人材マネジメント? まぁ、人が大切なのはわかりますが」
「マネジャー? それって遠い将来のことですよね」

 という風になることは明白です。おそらく、何の工夫もしなければ。一度も、社会に出たことのない彼らに、そのことをイメージしてもらうのが一苦労です。

 時には、「学生サークル」をケースにしながら議論したりもしたことはあるのですが、今回はケースを変えました。
 僕の授業をとりにくる学部学生は(大学院の授業にもぐって受講しているということですね!、単位も出ないのに!英語文献なのに!すごい人もいます!)、東大で学生サークルなどを運営している人も少なくないので、それでも、盛り上がることは盛り上がるのですが、ちょっとリアリティがないかな、と思ったのです。

 で、今回は無茶は承知で、人事のマネジャーに「なったつもり(もちろんなったつもりです)」で、ミニケースを読んで、討議してもらおうかな、と思っています。 学生の目線ではなく、社会人になった自分たちをマネジメントする側の視点に敢えて立たせてみようかな、と思ったのです。
 採用ー社会化ーマネジャーへの発達。僕の研究分野の主要な概念は、幸いにも、学部学生たちが「これからとおる道」なのです。で、「これから通る道」を、そのままトレースするのではなく、立場を変えてトレースさせるというのも面白いのかな、と。
 もちろん、うまくいくかはわからないのですが(笑)。

 とにかく頑張ります。
 そして人生は続く