「人材育成」とは「年長者が若年者を育てること」ではない!?

 先日、あるビジネスパーソンと話していたときに、少し盛り上がった話がございました。それは「育てること」に関する連鎖についてのお話です。

 我々の話に曰く、

 若い人「だけ」がぐんぐん伸びて、3年目や中堅はさっぱり、という組織は、なかなか見ないんですよ。
 逆に、3年目や中堅は元気いいのに、若い人だけ、シオシオのパーっていう組織も、あまり経験したことはないですね。
 駄目なところは、全体をとおして芳しくない。逆に好転すれば、くるくる回り出すイメージですかね。

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 この理由はいろいろと考えられそうですが、おそらくも最もありえそうなのは「育てること」の連鎖ということです。
 すなわち「育てる側」が自分よりも若年者を「育てること」で、さらに「育ち」、「今は育つ側」が「育てられること」で、近い将来、今度は「育てる側」に回るという循環が起きるということです。

 若い人は「育てられること」で、近い将来、3年目や中堅になってきたときに、育てる側に回ってくれる。逆に3年目や中堅は「育てること」で、自己の成長課題に気づき、また、その上のマネジャー層に必要な資質を身につけていく・・・つまり「育つ」。しばらくして、そうした人材がマネジャーになったら、職場のメンバー個々人の資質が伸びるように職場をつくっていく。

 あまりに牧歌的、かつ、理想的すぎるかもしれませんが、まー、いいじゃないの(笑)、朝っぱらからシビアな話してもね。でも、おそらく、よい組織では、このような連鎖が生まれうるのではないか、ということで盛り上がりました。

 そう考えてみますと「人材育成」とは「年長者が若年者を育てること」ではない、ということになります。
「人材育成」とは「年長者が"育てる"ことで"育ち"、やがて職場に"育てる風土"をつくり、若年者が"育つこと"で"育てられるようになること"の循環である」ということです。

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 今日は「育てること」の連鎖について書きました。
 僕に残された次の課題は、今は夢想にしかすぎないこの連鎖をどのように実証し、表現していくか、ということです。それは、また別の機会にでもお話しいたします。

 そして人生は続く