人前で話をする際の「緊張・あがり」をほぐす方法!?

 正直に申しますと、僕は「あがり症(stage fright)」です。
 人前でお話をする直前、プレゼンテーションする前などは、いつも、何度も無用にトイレに出かけたり(何もでない・・・)、背中にいやな汗(!?)をかいたりします。講演前のトイレでの、小生との遭遇率は、はずかしながら、かなり高いのではないかと、想像します。
 顔にはあまり出ないせいか、他人からは、あまりわからないようですが、本当のことだから仕方がありません。講演前、プレゼン前などは、いつも胃が痛いです、いや、本当に、マヂで(泣)。

 ところで、この「あがり症」を克服するために、これまで、様々な工夫をしてきました。
 手のひらに「人の字」を書いて飲み込むふりをしてみたり(!?)、ゆっくり深呼吸をしてみたり、まぁ、よく、巷間に流布するメソッドは、一通りやってみたのですが、まことに残念なことに、自分としては、あまり効果はありませんでした。

 で、自分で、何とか編み出した「あがり症克服」メソッドが、こちら、

 「控え室を早く出て、会場になるべく早く入り、慣れ、一体化する」

 です。
 いやー、何てこともない、メソッドでも何でもないですね。文字にしてみますと(笑)。

 講演などで、一般に、演者には、講演前に時間を過ごす「控え室」というものをご用意いただけることが多くあります(誠にありがたいことです。心より感謝いたします)。しかし、せっかくご用意いただきましたのに、いつも誠に恐縮なのですが、そこで過ごす時間を減らし、会場になるべく早く入り、会場で長い時間を過ごすようにします。
 会場に早く入り、お聞き頂ける方と、一緒の時間を過ごす、というのが、最も自分としては効果があるな、と感じています。

 といいますのは、講演などで特に心理的緊張が高まるのは、どういう時かをしこしこと分析(!?)しました結果、僕の場合「控え室での待ち時間が長く存在し、その後、突然、会場に移動する」場合だということがわかったのです。
 控え室と会場の心理的距離が大きければ大きいほど、その緊張は、高まります。

「いやー、突然、どえらいところに来てもうたがな!」

 ならば、会場に最初から居座り、一体化し、その場所に慣れてしまえばよい。はやくから会場に入り、しょっぱなから、いろいろな人々の視線を浴びることで、待ち時間を自らなくしてしまえばいい、と思ったのです。

 会場に長くいれば、だんだんと会場の様子、お話をお聞き頂ける方の様子がわかってきます。視線も浴び続けていれば、だんだん、慣れてきます。突然ステージにのぼり、お話をするときよりは、少なくとも僕の場合、緊張がほぐれます。

 「あっ、ここはこういう場所なんだ・・・」

 時には、聴衆の方々の中に、知っている方がいらっしゃる場合があります。そういう場合は、かなりラッキーです。積極的に話しかけ、お話をしていると、背中の「いやな汗」がひいていくことを感じます。

 「あっ、いつものままでいいんだ・・・」

 そんな風にして、僕は何とか、これまでやってきました。よい方法なのかどうかはわかりませんし、他人に全くおすすめしませんが、少なくとも自分にとっては効果はあるようです。

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 思い起こせば、学生時代から、同じようなことをやっていたようにも思います。学生時代に緊張することといったら、「受験」というものがありますね。

 僕は、高校受験や大学受験の前などは、直前日の下見の際、受験教室にポツンとひとり座り、1時間以上の時間を過ごした記憶があります。このことも、「受験教室に慣れてしまう」という意味で、同じ戦略だったのかもしれないな、と今では思います。

 「受験といっても、昨日1時間過ごした教室でやるだけじゃん」
 「なんだ、いつもと同じ教室じゃん」

 そんな苦肉の策(!?)を重ねながら、何とか受験を突破してきました。誠にラッキーだったと思っています。

 嗚呼、講演やプレゼンもさることながら、自分の仕事には、苦手なものだらけです。しかし、苦手なものから逃げているわけにも、いきませんので、何とかかんとか、プチ工夫を積み重ねる毎日です。

 そして人生は続く