30代後半のキャリアを考える:激流、筏下りの「先」にあるはずだったもの

 FUJITSUユニバーシティの山口由美子さん、安達優彦さんをお招きして「30代後半のキャリアワークショップ」に関する研究会「Academic Hack!」を開催しようと思っています。

 同社では、昨年より新たに「30代後半の社員の方々を対象としたキャリアワークショップ」を開発し、現在、同社・社員の方々に実施なさっているそうです。

 先日、企画を手伝ってくれる舘野さん(中原研OB・大総センター特任研究員)と一緒に、同社にお邪魔させて頂き、打ち合わせを行わせていただきました。
 お忙しいところ、山口さん、安達さんには貴重なお時間をいただきました。この場を借りて感謝いたします。

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 考えてみれば「現在、30代後半」というのは、なかなかに難しい年代です(正確には30代後半「も」難しいんでしょうね)。

 小学生の頃にバブル、物心ついてからはバブル崩壊、未曾有の不況。入社は就職氷河期。いつのまにかついた名前が「ロストジェネレーション」。

 そんな中、藁をもつかむ思いで社会にでる。
 いわゆる「筏下りのメタファ」(ワークス研究所・大久保さんのメタファ:先日、山口さんに教えて頂きました)のように、「仕事の激流」を何とかかんとか下り、気がつけば、最近、川の流れは、以前よりも、少しだけ緩やかになってきた。

 自分とともに上流を出た「筏」の中には、石にぶつかり遭難しかけているものもいる。激流をいち早く下り、陸にあがり、今度は登るべき山を見出しているものもいる。
 かつて「同期」とよばれた均質な集団は、様々にわかれ、中にはマネジャーになっているものもいる。

 自分は、そこをめざすべきなのか。
 それとも一生現場にこだわるべきか。

 筏で激流を下って、たどり着いた先には、何か「確固たるもの」があると思っていた。自分は、「確固たるもの」をめざして、川をくだってきたつもりだった。
 しかし、たどり着いた先には、確固たるものは何もない。四方は山に囲まれている。さて、ここから、どうしていけばいいのか。

 ふと「会社の外」に目をやれば、さらに「人生の分岐」は多様になっている。
 億単位のディールを繰り返す圧倒的な成功者。事業再編やリストラの憂き目にあい、仕事の意義を見失っているもの。いち早く会社を去り、起業するもの。病に倒れるもの。人生はまさに「千差万別」である。

 いわゆる35歳を、ひとつの境界とする転職市場とは、自分は、もはや、少しだけ「縁遠く」なっている。しかし、同時にこの先30年にわたって、今いる会社でどんな目標をもち、働いていけばいいのか。ぼんやりとした不安が、自分を襲う夜もある。

 家庭を持っている人は、子どもがまさに大変で多感な時期に入りつつある。家庭と仕事のバランスをいかに保っていくか。なかなか悩ましい。
 
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 実は、僕も、今年38になるのですが、大学の場合、少し状況は異なるものの、こうした状況に関しては、一定の共感を感じてしまいます。

 僕は、このあと、どこに行けばいいのか。
 僕は、何をすればいいのか。

 あー、こういうことを考えていると、暗中模索、五里霧中、阿鼻叫喚、あべし、という感じです。
 実際、昨日は、打ち合わせの最中、何度か唸ってしまいました(笑)。もう少し時間をかけて、今後を考えなくてはならないのは、僕かもしれません(笑)。

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 研究会は5月23日午後6時、東京大学を予定しています。ガチ研究会「Academic Hack!」の枠内で実施します。

 今回の研究会では、20代・30代・40代・50代の年代別、またライン・人事という職種毎に、なるべく多様な方々にお集まりいただき、「30代後半のキャリア」について考えてみたいな、と考えております。

 近日中に、メルマガなどから、募集を開始させていただきます。

中原研究室メルマガ
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 みなさんにお会いできますこと愉しみにしております。