言うことをきかない子どもを、どのようにして「動かす」のか!? : 規範的アプローチとストーリーアプローチ

 年末年始は、親戚が集まります。たくさんの大人が、たくさんの子どもを連れてくる。その相互作用の様子(!?)を観察していて、思うに「子どもを動かすこと」には「2つのやり方がある」と思うのです。それは「規範的アプローチ」と「ストーリーアプローチ」の二つです(笑)。

 これから、新年早々、しょーもないことを述べますが、どうか真面目に受け取らないように(笑)。
 一般化は1ミリもめざしてませんし、また僕は子育て論も保育論も知りません。正月まで、ただ、見てて思っただけ(笑)。

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 第一のアプローチ「規範的アプローチ」は、要するに「〜しなさい」という直接的な子どもに対する指示・命令です。
 たとえば、今、仮に、ある「おもちゃ」に固執し、遊んでいる子どもTAKUZO君がいるとします。彼は、はやく朝ご飯を食べなければならないのですが、そんなことはおかまいなしで、おもちゃで遊んでいる。

 その場合、「規範的アプローチな大人」は、

「TAKUZO、おもちゃで遊んでないで、はやく、食卓にきてパンを食べなさい!」

 と言ってしまう。
 お恥ずかしながら、これは小生が、いつも言ってしまうやり方です(笑)。ま、ひと言でいえば「子どもに指示・命令を与えて動かす」。オラオラ、さっさと飯食え(笑)。

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 これに対して「ストーリーアプローチな大人」は、TAKUZOが、「ついついゴハンを食べちゃうようなオルタナティブストーリーをつくること」で、子どもを動かそうとします。

「TAKUZO、こっちにパンあるよ。キリンさんみたいに見えない? こっちは、カメみたいじゃない? パンの動物園だねー」

 みたいな感じですね。
 小生からすれば、やや「ぬるく」見える。しかし、子どもは、確実に動く。このアプローチの大人は、「子どもにストーリーや世界観を与えることで、子どもを動かす」。

 さらに「高等テク」になってくると、「複数の子どもを動かすこと」もできます。

「AちゃんとBちゃん、こっちにパンの動物園があるよ!みてみて」

 AちゃんとBちゃんが、食事そっちのけで、どんなに遊んでいても、新たなストーリーについついのって、食事をはじめてしまいます。

 いいテク、もってますなー。

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 あらかじめ断っておきますが、「規範的アプローチ」と「ストーリーアプローチ」、このどちらかが優れているか、という話をしたいわけではありません。

「可及的速やかに、子どもに何かを禁止させなければならない局面」で、ぬるぬるとストーリーを語り、乗せていても仕方がないでしょう。
 また、思春期まっただ中のノドボトケ出てきた中2病の男子に、「こっちにキリンさんに似たパンがあるよ」といっても仕方がありません。
 対応は、状況により、かつ、対象者による。要するに、ケースバイケース。アカデミックな香りを漂わせて言うならば、コンティンジェンシーです(笑)。
 皆さんも、まだ親戚がお近くにいたとしたら、「大人が、どういう風に子どもを動かすか」参与観察してみてください。なかなか面白いですよ。

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 最後に・・・二つのアプローチは、案外、子ども以外にも、大人にも通用するような気もします。

 指示・命令で動かすのか?
 ストーリーで動かすのか?

 これら2つのアプローチを「メガネ」にしながら、少し「これまで」を振り返ってみると、「自分が部下などに出してきたメッセージ」、「自分が上司などから受けてきたメッセージ」の「特徴」が見えてくるかもしれません。

 ま、「いい年ぶっこいた大人」をストーリーで動かすのなら「キリンさんみたいなパンだねー」ではダメで、もう少し、アクチュアルでプラクティカルなストーリーが必要でしょうけど・・・(笑)。対象者にあわない「痛いストーリー」は、むしろ、逆効果でしょうね。

 そして人生は続く