「研修評価=研修参加者の満足度!?」 : 人材開発研究における教育効果測定の進展

 先日、いつものように、大学院生の論文指導をしていました。その院生さんは、ある企業(教育ベンダーさん)との共同研究で、「これまでにはない、新たなコンセプトで研修を開発し、評価を行うという」研究をやっていて、そこで得られたデータを現在分析し、今、学会論文を書いています。

 ここで詳細を述べるのは避けますが、この実験(研修)自体は、実際の民間企業で、実際のビジネスパーソン数十名を対象にして行われ、データが取得されました。研修にご参加頂いた皆様には、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

 この研究では、いわゆる「実験計画法」を利用した研修効果測定を行い、幸いなことに、望ましい結果を得ることができました。今後は、どのようなプロセスで「業務・業績に変化」が生まれたのかを、質的にインタビューすることも考えているそうです。まことに今後の研究の進展が楽しみです。

 研修をさせていただいた企業の人事の方には、詳細なレポートをお送りし、説明にもあがったそうです。企業の方のお話しでは、来年度以降の人材開発施策のご参考にしていただけるとのことでした。
 この場で、どこの企業か企業名を明かすことはできないですが、このような研究の機会をいただき、この場を借りて、心より感謝いたします。ありがとうございました。

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 いつものように論文指導をしながら、今後の人材開発の世界では「研修の効果測定がさらに盛んになるだろうな」「研修効果の明示が求められるようになるだろうな」、とぼんやりと考えていました。
 
 研究の現場では、すでにその動向は生まれてきていて、数年前から、定量的手法・定性的手法、様々な手法を用いて、研修の教育効果の測定が行われることも珍しいことではなくなってきました。定量的研究を行う場合、マネジメント研究に、実験計画法を用いた研究というのは、これまでにあまり例がありませんでしたが、最近は、それさえ行われるようになってきています。

 このような背景のもと、中原研の指導学生・研究室では、研修評価を含みこんだ研究としては、これまで4つの企業の皆さんと共同研究を推進してきました。

 僕の経験上、僕が関与した研修で、「全く"ねらい"を達成できない」ということはないですが(一応、小生もプロなので・・・笑)、残念ながら、すべてが「ねらい」どおりになるとは限りません。ねらいどおりの効果をあげられる場合もありますが、そうでない場合もあります。もし万が一後者の場合には、研修をブラッシュアップしていくためにも、やはりデータを取得していく必要があります。それも、煩雑ではない、可能な限り、簡便な手法で、やらなくてはならないので工夫が必要です。多くの場合、すでに企業で蓄積されている既存のKPIから、研修評価に適切な指標をさがすことが多いように思います。

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 一般に「効能のわからない薬」を飲む人は、あまりいません。
 そういう人もいるのかもしれませんが(笑)、僕は、少なくとも「効能が示されていないもの」を口にいれようとは思いません。

「研修」を「薬」に喩えるのは、メタファとしてどうかと思いますが(もっといいメタファがあるんではないか、と思います)、おそらく、その提供側(サプライサイド)には、それをアカウントしていく必要が、これまで以上に求められるようになるだろうな、と思います。
 
 もちろん、薬には「長期的にきく漢方薬」のようなものもあるでしょう。また、短期的に解熱するような「即効性のある抗生物質」のようなものもあるでしょう。
 「時間」は「効果測定のあり方」は規定する最大の要因のひとつですので、多種多様な薬に一概に、どのような評価方法・評価指標が適切かを述べることはできません。
 ただし、評価のあり方は多種多様であろうと思いますが、いずれにしても、少なくとも「何に効くのか」は明示されている必要があるように思います。

 そして、ここで大切なことは「研修の効能」とは必ずしも「研修参加者の満足度」では「ない」ということです。
「研修参加者の満足度があがることをめざす研修」も「ゼロ」ではないとは思いますが、それが研修評価で「最も追求されるべき指標である」という状況は、あまり僕は納得できません。それは高いことにこしたことはないですし、場合によっては、研修のあり方を考え直すいいきっかけになるとは思いますが、それが「メインの指標」になることは、少なくとも僕が関与する共同研究ではありえません。

 一般に「企業内の人材開発とは、組織の戦略・目標にそうように実施される教育的介入プロセス」です。ゆえに、ここでいう「効能」とは、「組織の戦略・目標にそった指標」になることが一般的だと思います。

 誤解を恐れずにいうのならば、「研修参加者の満足度がたとえ低くても、組織の戦略・目標にそった指標を満たすならば、それでよい」という「潔さ」や「腹をくくる覚悟」も、人材開発においては必要になる気がします。
本当に必要なことで、かつ、自分が自信をもって伝えなければならぬと思うことは、たとえ、学習者が「耳が痛かろう」が、若干「もやもや」しようが、言わないわけにはいきません。それは「研修の満足度を下げること」につながってしまうでしょうが、そういう場合であるならば、そのことを過剰に気にする必要はありません。
 むしろ、「腹をくくって」、結果を受け入れればよいのです。
 「予想通りですね、でも、全く問題はないですね」と。

 このことは学校教育のメタファで考えればわかりやすいと思います。

 小学校・中学校の教育現場のゴールは「生徒の授業満足度」でしょうか?
 「生徒の授業満足度の高さ」だけをもって、「教育のよしあし」を判断するでしょうか?

 むしろ、もっともめざすべき目標は「学力の向上」や「生徒の達成度の向上」、さらには学習者の「成長」ではないでしょうか。僕が親で、自分の子どもを預けているのなら、まず、そこを問います。

 こういうことをいうと、また鋭いツッコミがきそうですね。

「あいつ、バカじゃねー。教育のパフォーマンスなんて、学力や達成度だけじゃなくてそれ以外にもたくさんあるよ、やっぱわかってないよね」

 という「矢のようなツッコミ」が(笑)。そういうツッコミが「自分の頭上」にふりかかることは「覚悟の上」で、敢えて極論で単純化して、お話ししてますけれども(笑)。でもね、僕にとって、「授業の満足度」という指標は、「パフォーマンス指標」と比べて、プライオリティが低いです。

 皆さんは、何をゴールに設定していますか?

(ちなみに、研修参加者の満足度というものは、実は、もっとも外的にうわべで操作しやすい指標なのです。本来言わなければならないことを指摘せず、参加者が耳の痛くなること、考えさせることは敢えて避け、あくまで面白く、軽妙に、笑いをとって、優しくぬるぬるで、時に"カタルシス(感情の浄化)をともなうような感動のシーン"と、"これだけやっておけばあなたは大丈夫的な箇条書き化された3つのポイント"をいれていけば、確実に指標の値は高くなります。それは外的に、かつ、表面的に操作するのがもっとも簡単なのです。つまり、研修参加者の満足度を指標にするということは、教育のサプライサイドにとって、もっとも都合のよい状況をつくりだしている、ということになります)

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 教育効果測定は、学習研究では、アタリマエダのクラッカー的に、従来から実施されています。マネジメントリサーチの、特に人材開発研究では、ようやく、それが本格化してきたという印象があります。学習研究の様々なパラダイムを活かしながら、今後の研究を続けていきたいと思っています。

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■2012/10/30 Twitter

  • 22:00  Learningfulな2日間を過ごせたようで、よかったですね>RT @a3115325 RT @akion87 充実の2日間でした!:かかわりの中から、個を見て、表現する : 「プロセスの知を磨くワークショップ」 http://t.co/sf0TwGuP  [in reply to akion87]
  • 21:42  RT @tatthiy 昨日の連続ツイートをまとめました!色々反響頂き感謝です! → 対話型鑑賞法に関する連続ツイート http://t.co/8ZzoxHfY  [in reply to tatthiy]
  • 21:41  全く同感。柔軟であること / 時間があること / 伸びしろがあること が学部生の貴重な資本だと思います> RT @tatthiy 最近色々な学部生と会う機会が多い。学部の特徴はあれど、共通点は伸びしろがたくさんあること。未熟さなど気にせずチャレンジすればいい。負けてられん!  [in reply to tatthiy]
  • 17:08  RT @makimuramaho: お疲れ様でした!最後のヘルメ君の感想とてもよかった! RT @herume 計2日間のワークショップを終えた / ありがとうございました。
  • 16:46  かかわりの中から、個を見て、表現する : 「プロセスの知を磨くワークショップ」第一回目が終わった! http://t.co/sf0TwGuP
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投稿者 jun : 2012年10月31日 15:32


かかわりの中から、個を見て、表現する : 「プロセスの知を磨くワークショップ」第一回目が終わった!

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「個(学習者)を見ること」にこだわった実験的なワークショップ「プロセス・インテリジェンス・ワークショップ」を2日間にわたって実施しました。


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 本企画は、経営学習研究所の牧村真帆さんと中原のコラボ企画で、成城ナーサリィスクールの御協力を得て開催されたものです。

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経営学習研究所
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 このワークショップ、どのようにでも位置づけが可能ですが(笑)、メインには、ワークショップやファシリテーションに興味がある方を主に想定してつくられています。

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 でも、実際は・・・本当は・・・「創造」や「デザイン」、さらには「子育て」「ケア」「リーダーシップ開発」とか「ひとにかかわること」に興味のある方、「ひとにかかわる仕事」についておられる方には、比較的多くの方にお楽しみいただける「幅広さ」を、密かに、何気に持っていると思っています。そのお話は、また別の機会でいたしましょう。

プロセスインテリジェンスワークショップ企画
http://www.nakahara-lab.net/blog/2012/10/neo.html

 今回、様々な制約から、残念ながら参加者は学生に絞らせていただきました。
 それでも、あいにく、参加希望者が多く「抽選」になってしまいましたが、結局、6名の参加枠に対して、8名の方々にご参加頂きました。
 ご要望にお応えできなかったみなさまには、大変心苦しく思いますが、リソースの関係でどうしても難しい状況でした。またの機会にご参加頂けますよう、どうかお願いいたします。

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 本プログラムは、8名の参加者が「幼稚園の先生」として、2日間にわたって、子どもと遊びながら、「個を見ること / 理解すること」をめざします。

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「子どもと遊ぶこと / 子どもを見る」ことの後には、様々なアクティビティがあります。つまり、単に「個を見る」だけで2日間を終えることができるわけではありません。見てるだけじゃ、帰さないのよ(笑)

 1.現場で個を見る
 2.鳥瞰図的に個を見る
 3.自分が見た個を「ストーリー」で表現する
 4.自分が見た個を「カタチ」で「表現」する
 5.実践者から"個のストーリー"を聞く / 語る
 6.個を見る経験をシェアする
 7.個を見る経験を内省する

 など、「個を見ること」に付随する様々なアクティビティを通して「個を見る」について深く考えることをめざしています。


 1日目と2日目は、敢えて、時間を離して実施されました。1日目が終わったあとに、様々なことを考えていただき、2日目を迎えることが求められます。

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 これら多種多様な活動のなかで、特にわたしたちが重視しているのが「表現」の部分です。

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 この部分では、いわゆる「文字」や「声」による表現だけでなく、絵画やものづくりなど、様々なモダリティを用いることをめざしています。

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 実際、そのようなアクティヴィティに参加しているうちに、参加者の方々は、実感をもって、いろいろなことに気づいていきます。

1.「鳥瞰図的に見ること(対象者との距離を可能な限り遠ざけ、塗り壁になったようにして見ること)」と「現場で見ること」はどうやら違うものであること

2.「見る」とは、どうやら「対象とかかわること」と独立して考えることはできないこと。「かかわること」が「見ること」を可能にし、「見ること」が「次のかかわり」をつくること

3.ただし「かかわれば」必ず「見えてくる」ものでもないこと。逆に「対象と深くかかわる」がゆえに、「見えなくなること」もあること

4.時間軸の進展の中で生起してくる、様々な出来事に付随する情報を最大限用い、対象者を「推論しつづけること」が、「現場において見ること」に近いこと。この意味で「見ること」はいつまでたっても、確証は得られず、終わらないこと。

5.「個を見る」とは「個へのまなざし」のみで完結しないこと。「個と個の関係を見ること」「個と全体を見ること」「個と道具・人工物の関係を見ること」にひらかれていること

6.「個を見ること」は、単一の実践者だけによって可能になることではなく、「多くの実践者のまなざしの統合」によって、可能になることであること

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 もう、そろそろやめます。このように「箇条書き」にしてしまうと、いくらでも書き出せてしまいますし、「なんだ、そんなことかいな、ふん、そんなことしってるわい」という風になってしまいます。
 どんなに言葉を尽くして書き出しても、これらは、文字だけでは、なかなか伝わりにくいことなのかもしれません。

 が、こうした「伝わりにくい何か」を「現場の体験」の中から、「実感」をもって認識していくことが、このプログラムの特徴です。2日間でできることは限られています。その限られた制約の中で、いかに「伝わりにくい何か」をつかんでもらうかが、勝負です。

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「個を見る」という、たったそれだけの「シンプルなこと」が、「いろいろな物事を深く考えるきっかけ」になることを、わたしたちは示したいと思っていました。

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 そして、もしかすると、そこで生まれる内省が、「学びの場をつくる」「創造の機会をつくる」ということに関与する方々に、大切な視点なのではないか、と牧村さんと僕は思っています。

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 プロセスインテリジェンスワークショップは、「味わい深い得体のしれない多面体」でいいのです。

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(今回のワークショップで、学生さんの中には、「幼稚園の先生方がもつ、ものすごいファシリテーション能力」に揺さぶられた方もいました。また、一見、本能に従い、シンプルに動いているように見える子どもの背後に、様々なストーリーや脈絡があることに気づいた方もいらっしゃいました。個を見る、というシンプルなワークで、いろいろなことが見えてくる可能性があります)

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 最後になりますが、参加してくださった8名のみなさま、本当にお疲れ様でした&ありがとうございました。よくこんなに怪しいワークショップにご参加頂きました。そのためには、「一歩踏み出す勇気」が必要だったでしょう。知的にも、エモーショナルにも、愉しんでいただけたとしたら幸いです。

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 参加なさった学生さんが感想をブログで書いていただきました。下記ご笑覧ください。

三田くんの感想
http://www.hashimoto-lab.com/2012/10/2509

宮本さんの感想
http://www.hashimoto-lab.com/2012/10/2498

木村さんの感想
http://www.tnlab.net/melcblog/2012/10/121031.html

山根さんの感想
http://www.tnlab.net/melcblog/2012/11/121101.html

 こちらは共同企画者、牧村さんのブログ

牧村さんのブログ
http://maholab.net/?p=314

 最後になりますが、参加者のみなさま、このように、「何が起こるかわからない実験的なワークショップ」を受け入れてくださり、プログラムにご参加頂いた、成城ナーサリィスクールの先生方、特に牧村園長先生、滝澤先生、さらには当日の記録をご担当いただいた、井上さん、池田さん。、心より感謝いたします。ありがとうございました。

成城ナーサリィ・スクール
http://homepage3.nifty.com/seijons/

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 嗚呼、今回も、ドキドキハラハラのワークショップを無事何とか終えることができました。この2日間、Learning Producer(Practitioner)として、どっぷり、過ごしました。久しぶりに「車座の対話」とかもやったしね。愉しかったね。
 小生にとって、この2日間は「年休」でしたので、本来ですと、自宅で寝て休んでればいいのでしょうけど、小生は、それをよしとしません。なかなか、知的にエキサイティングで、ハード・ファンな時間を過ごしました。

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 どっぷりPractitionerだった2日間を終えると、でも、「もうひとつの世界」が気になってきます。そろそろ「論理とデータ世界」、Learning Scientistに戻りたくなるんだねー。ロジックや数字に懐かしさを感じる(笑)。
 というわけで、今日は、数日ぶりに、朝から、そればかりです。なかなか面白いデータ分析ができています。
 こちらも、もうしばらくすると、なかなか面白い分析結果をお届けできるのではないかと思います。

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 でも、一般的には、こんな風に「フーテンの寅」こと、「車寅次郎的プラプラ研究生活」をしていると、「どっちつかずの中途半端野郎」と揶揄されちゃうんだろうね・・・(笑)。でもねぇ・・・それって、トレードオフなのか?

 このバランスを微妙にとりながら生きていくことが、今の僕にとっては、不思議なもので、もっとも「心地よい」のです。ここまできたらさ、がっつり「腹をくくって」さ、「どっちつかずの中途半端野郎」を決め込もうと思います。
 それが、「僕らしさ」になるんじゃないだろうか。「際(キワ)に生きる」ってのかな。そんなかっこのいいもんじゃねーか。

 37歳にもなって、いまだに、「己」がわからんわ。何をやっても「満足できない」。何をやっても「違う気」がする、ってことだけは、確かだけれど(笑)。

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 ともかく・・・「プロセスの知を磨くワークショップ」は、今回、第一回目を終えただけです! プロセスを見る / プロセスをしることは、決して「個を見ること」だけに限られるわけではありません。このほかの企画が、しばらく続きます。

 そして人生は続く。

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■2012/10/29 Twitter

  • 21:13  プロセスインテリジェンスワークショップ無事終了。参加者の皆さん、成城ナーサリースクールの皆様、ありがとございました!RT @herume @dan27_yam: 2日間のWS終了!思うことが非常に多かったからきちんと整理しよう。貴重な体験をありがとうございました!
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■2012/10/28 Twitter

  • 09:25  TAKUZO、保育園イベントのハイキングへ。久しぶりにカミさんと買い物にでも出かけよう。
  • 09:10  おねしょで、パジャマの上も下もびしょ濡れになったTAKUZOが、「僕じゃないよ」と言って起きてきた日曜日の、すがすがしい朝。
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■2012/10/27 Twitter

  • 18:57  たとえ「大きい船」でも、船底に穴が開いていたら、安定航行できないんですよ。たとえ「小さい船」でも、船長が賢くないと、「小回り」がきかないんですよ。気にするべきは「大きい」とか「小さい」でしょうか?
  • 17:59  猛省 RT @okabedaisuke: 地雷5個!多っ(笑)!撤去せずに暴発させて帰京する戦闘もの、新しい...。 RT パネルディスカッション。最低5個は、地雷を踏んだ気がします。アイアム、劣等戦士ジライヤー。すみません。帰京の途。"
  • 17:32  パネルディスカッション。思ったことをそのまま、口にしたので、最低5個は、地雷を踏んだ気がします。アイアム、劣等戦士ジライヤー。すみません。帰京の途。
  • 12:52  お役にたてるといいのですが。頑張ります、笑 RT @gurigura0725: さて、キャリア教育学会!今日のお目当ては東大中原先生(@nakaharajun)の講演です。今日も良い出会い(人にも気付きにも)ある予感
  • 10:14  某医療系学会から、二年後の学会基調公園の依頼をいただいた。二年後、自分は、いったい、どこで、なにをしているのだろう。暗中模索、五里霧中、阿鼻叫喚、意味不明。
  • 08:36  これより東京ー京都ー滋賀ー京都ー東京のシャトル出張。12時間後には帰還の予定。
  • 07:17  なかなかお役立ちサイトだ。子ども用の遊び素材が、プリントできる: http://t.co/V6EigWaT
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■2012/10/25 Twitter

  • 16:51  かなりの確率で「オワコン化」します>RT @clione 「専門家に、"自分の専門外のこと"を、"あたかもその筋の専門家"のように語らせること」 RT 【ブログ更新】専門家を「ダメ」にする方法!? : http://t.co/SuCh7ect  [in reply to clione]
  • 12:59  【ブログ更新】専門家を「ダメ」にする方法!? : http://t.co/XxGhauLO
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投稿者 jun : 2012年10月30日 16:26


専門家を確実に「オワコン」にする方法!?

「専門家をダメにする方法」 があるのをご存じですか?

 それを繰り返していると、どんな専門家でも、だんだんと「色褪」せて、声色に艶を失っていき、いわゆる「オワコン」化(終わったコンテンツ)していく、まことに恐ろしい「黒魔術」のような方法!?です。しかも、「黒魔術」なのに、その方法は、とても「シンプル」なのです。

 まぁ、そんなもの、知っていても、知らなくても、「どうでもいいこと」のように思いますし、知っていても「一銭の得」にもなりませんし、未来永劫、テストに出たり、昇進に関連することはないですが(笑)、もし、万が一、そのような方法が、仮にあるのだとして、あなたは、どんな「方法」を思いつきますか? 

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 個人的に、僕がひとつ「確実な方法」だな、と思っていることは、これです。僕は、いわゆる文系の人間なので、そっち方面の専門家を何となくオボロゲに思い浮かべて、以下のことを書きます(いわゆる理系には、あまりあてはまらないかもしれません)。

 それは、

「専門家に、"自分の専門外のこと"を、"あたかもその筋の専門家"のように語らせること」

 です。

 たったこれだけ、めちゃくちゃシンプル。しかし、それでいて、黒魔術(笑)。
 それを繰り返していると、たぶん、専門家はだんだんと「声色に魅力」を失っていきます。不思議と、自ずと、そして、確実に(笑)。

 「おまえ、絶対に絶対だべな」、と言われると、絶対じゃないんだけどね(笑)。ごくごく希に、そうならない方もいるとは思いますが、たぶん、それは「希」ではないか、と個人的には思います。

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 いろいろな定義があるのでしょうけど、一般に、専門家とは、それぞれの専門分野に固有の「概念」と、「思考の方法論」(研究方法論)と、「思考パターン」をもっている人のことをいいます。

 専門家は、それらの「道具」をフルに活用して、世の中の「現象」に深く切り込み、「一般の人」とは異なるかたちで、現象を理解します。
 専門家とは、「様々な(概念的)道具」を駆使して、「一般の人(非専門家)には見えないもの」を「見る」ことのできる人である・・・ここでは仮に、こう定義をしましょう、ざっくりとさ。

 しかし、世の中の人々 - とくにメディア - は、「専門家が専門家たる由縁」と、「専門家が探究している狭くニッチ領域」を、「確実」に、しっかりと、理解しているわけではありません。

「ある領域の専門家」が、自分の探究領域を語る、その「勇姿」が「スマートでクレイバーでカリスマティック?」に見えれば見えるほど、その人に、他のこと、「その人の専門外に関すること」でも発言を求めたくなるのです。

 つまり、「ある専門家が、こんなにもスマートでクレイバーであるならば、どんなことであっても、どんな現象であっても、語ることができるのではないか」と考えるようになるのです。
 ある専門家が、ある領域においてスマートであればあるほど、「専門家に、自分の専門以外のことを語ること」を求められる傾向があるということですね。

「いつものように、ババーンといっちゃってください! えっ??専門とは違う? まー、そう固いこといわずに、ババーンと、ほれ、ババーンと」

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 当初、そうしたリクエストに対して、専門家は「これは自分の専門とは少し違うな・・・」と訝しがることもあります。
 
「なして、オラなんだべか?」
「なして、オラが、この問題を答えてんだべか?」
「そりゃ、無理あるっしょ!」
「他に、もっといい人が、いるんでないかい」
(田中邦衛風に読んで下さい)

 しかし、このように疑問をもっていたとしても、彼/彼女が「善意」に満ちていればいるほど、そうした「外部からのリクエスト」に、できるだけ応えようとします。

「ちょっと無理あるけど、何とか答えてあげよう」

 そして「自分の道具」が決して本領を発揮しない領域であっても、「丸腰」「素手」で、戦いを挑むのです。願わくば、自分の「道具」がうまく機能することを夢見て・・・。

 しかし、多くの場合、それほど事態は甘くありません。
 考えている以上に、世の中の現象は「複雑怪奇」、「暗くて深い耳の穴」なのです(意味不明)。

「キレ味最強な、キンキンにとがった道具」を複数に組み合わせ、ようやく、それなりの現象理解が可能であるのにもかかわらず、いまや、彼 / 彼女は、それを持ち得ていない。
 今の彼 / 彼女は、「武器」を持たないまま、「丸腰」で複雑な現象に切り込んでいるのです - そう「非専門家」と同じように。

 もちろん、事態が幸いする場合には、たまたま、自分の手持ちの「道具」で、「現象を鮮やかに把握すること」ができる場合もあります。

 しかし、多くの場合、そういう「幸運」は、長くは続きません。「どこか、ぼんやりとした、キレ味に欠ける語り」を、繰り返すことの方が、確率としては、高くなります。
 そうした「ぼんやりとしたキレ味にかける語り」が多く積み重なり、人々に消費されていく。少しずつ、人々の社会的期待を静かに失いながら。
 そして、そうしたプロセスの中で、自らの「道具」をひとつひとつ手放したり、「自らの領域」と「それ以外の領域」の境界を見失ってしまうのです。

 最悪の場合、行き着く果ては、専門家が「ダメになる事態」です。

 「あの人、最近、面白くなくなったね・・・」
 「あの人の専門って、そもそも、何なんだっけ?」

  ▼

 専門家とは「何」か?

 この形而上学的な問いに対する回答は様々でしょう。
 先に述べたように、「専門家とは、独自の概念・方法論・思考形式を持ちうる人である」というのも、その問いに対する回答のひとつでしょう。

 しかし、こうも、いうことができます。

 専門家とは、「自分が探究できない領域」の存在を知っている人のことをいう

 あるいは、

 専門家とは、自らが「探究しない領域」を見極めている人のことをいう

 繰り返しになりますが、世の中は「複雑怪奇」「魑魅魍魎」「阿鼻叫喚」に「四面楚歌?」です(笑)。
 複雑な世の中を相手にして、ひとつの「専門的な概念装置」が浮かび上がらせることのできる領域は、限られています。

 だからこそ、現象に対する知的探究は、多様で、かつ、学際的に、かつパラレルに存在することが大切なのかもしれません。

 そして人生は続く

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■2012/10/24 Twitter

  • 21:11  新型LED式の水槽ライト。光量最強。これで、水草もさらに元気になるだろう。 http://t.co/3eDjMn0b
  • 12:12  中原ゼミ(@nakaharalab)RT @tatthiy 今日読んだ英語文献はこちらの6章:Wanberg, C. R. (ed.) Oxford Handbook of Organizational Socialization : http://t.co/OeiTFZqt  [in reply to tatthiy]
  • 12:09  大学院・中原ゼミ(@nakaharalab)保田さん研究発表。新人看護師の熟達に関する研究。新人看護師 - プリセプター - チームリーダーの社会関係から、熟達を描く #nakaharalab
  • 11:43  大学院・中原ゼミ(@nakaharalab)吉村さん研究発表。校長のリーダーシップのあり方と学校の社会関係資本、組織改善力の関係に関する研究。#nakaharalab
  • 08:11  【ブログ更新】学生時代にどんなアルバイトをするのか!? : 「自分の経験を伸ばすアルバイト」と「自分の経験を消費するアルバイト」: http://t.co/4nSZtlTy
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投稿者 jun : 2012年10月25日 12:57


学生時代にどんなアルバイトをするのか!? : 「自分の経験を伸ばすアルバイト」と「自分の経験を消費するアルバイト」

 ちょっと前といっても、かなり前のことになりますが、ある学部生の皆さんたちのインタビューを受けました。

 テーマは、

「大学時代、学生時代をどのように過ごせばよいのか」

 ということだそうです。

 今から十数年前、学部1年生・2年生にかけて「学ぶ意欲」をすっかり失い、大学の教室から逃走し、「シオシオのパー」だったワタクシメに、それを聞きますか(笑)? 

 このインタビュー、全く僕は「適任」ではないと思いましたが、たとえ小生のようなシオシオのパーでも、その後の奮闘によって、なんとか復活できるから大丈夫だよ、と自信をもってもらいたかったのと、あまりにも目をキラキラさせている皆さんを前にして、あまりに申し訳なく思い、いくつかのアドバイスを、偉そうにならない程度、控えめにしました。

(「いい大人」の中には、学部生に対して、ついつい「上から目線」になってしまう人がいるように思います・・・自戒をこめて。そういうのをハタから見ておりますと、本当に、たまに、気を失いそうになることがあります。その、あまりの「上から目線」っぷりにね・・・自戒をこめて)

  ▼

 僕がしたアドバイスはいくつかあったのですが、自分としてもっとも自信があるのは、これです。

 大学時代に、多くの学生さんがおこなうアルバイト。もちろん、大学時代は勉強する時間を確保した方がいいのは、言うまでもないのですが、多くのみなさんが、アルバイトとかもするでしょう。かくいう僕も、カネがなかった(笑)。今から考えれば、たくさんのアルバイトをしてきました。

 でも、大学生の皆さんが行うアルバイトの中には、僕は、2種類のアルバイトがあるように思うのです。

 ひとつめは「自分の経験を伸ばすアルバイト」。
 ふたつめは「自分の経験を消費するアルバイト」。

 どうせなら、たとえ、そんなにカネにならなかったとしても、後者「自分の経験を消費するアルバイト」よりも、前者「自分の経験を伸ばすアルバイト」をやりたいよね、と、今になっては思います。

  ▼

 つまり、こういうことです。

 具体的な職種や業種をあげるとややこしいので、やや抽象的に話しますが、前者の「自分の経験を伸ばすアルバイト」とは、「社会人になって必要になるスキルを伸ばすことができ、かつ、教育世界から職業世界への移行時に、そんじゃそこらの他人にはない貴重な経験として他者に語りうるアルバイト」をさします。
 自分の経験値を伸ばす、ということもあるかもしれませんが、同時に、それは「Talkability(他人が興味をもち話題になりやすい)」が高く、他者が興味を持ちそうな世界であります。

 対して「自分の経験を消費するアルバイト」とは、「高校までに培った自分のこれまでのスキル・経験をもとにしてできるアルバイトではあるけれど、"新たな挑戦"はさしてふくまず、かつ、他の人との差異化がなかなか難しいアルバイト」をいいます。誰もがそのアルバイトの実状を知っていて、予想がつき、多くの人々が実施している世界です。

(実は、上記の定義には二軸の要素がはいっていますが、話を単純にするため、以下、ざっくりとお話しします)

  ▼

 たとえば、僕もたくさんのアルバイトをしてきましたが、あくまで僕にとっては、家庭教師は後者の「自分の経験を消費するアルバイト」でした(人によって、家庭教師が経験を伸ばすアルバイトになりうることはあると思います)。

 それまでに培ってきた受験のテクニック、クソ度胸、自分の経験を「消費」して、お金に換えていた。しかし、このアルバイトによって、あらたに自分の経験値が伸びたとは、あまり思えません。それは、「かつての自分の経験」を「切り売り」したものでした。もちろん、仕事には熱心に取り組みましたが、これであらたに自分が一回り大きくなったとは、あまり思えないのです。ペイはよかったけれども・・・。

 それに対して、僕は、後者のアルバイト「自分の経験を伸ばすアルバイト」もたくさんしました。むしろ、敢えて、自分と同じ大学に通っている学生が、なかなかやらないアルバイトを、やったような記憶もあります(結果として、その方が愉しかったから、そうなっちゃった、という話も大)。
 その中には(ほとんどは今の仕事とは関係ないですが)、今の仕事に関係してくるものもあります。

 たとえば、レイアウト、記事作成、Webプログラミング、家電量販店での接客、フォトレタッチ、データベースづくり・・・カ●キ町でのアルバイト経験。
(こう書くと、なんだ、ふつーじゃん、と聞こえるかもしれないけれど、あのね、ここで経験したストーリーをはなすと、悪いけど、長いよ・・・・)

 もちろん、どんな仕事であっても、経験を「将来の糧」にかえることはできるんでしょう。
 また、ある人にとっての前者のアルバイトは、他の人にとっての「後者」でもあることもあるでしょう。
 そして、大学生の経済事情が予断を許さぬ状況に入っていくなか、たとえアルバイトであっても、なかなか選べない状況が生まれていることは想像にかたくありません。

 しかし、もし自分にまだ選ぶ余地があったなら、「アルバイトを選ぶ」という非常にトリヴィアルで、日常的な瞬間でも、「将来のこと」「キャリアのこと」を考え得るのだ、と思うのです。

「将来のこと」「キャリアのこと」・・・と大上段にかまえなくても、そんなに深刻にならなくても、「自分の経験値があがるアルバイトってなんだべかね?」と考えることで、「挑戦のある、いままで知らない世界」に飛び込んでいけるような気もします。
(ちなみに、いくら「知らない世界に飛び込む」っていっても、「道義的に飛び込んではいけない世界」「人として飛び込んではいけない世界」には飛び込まないように!)

  ▼

 嗚呼、ごめんなさい。今日は、やっぱり少し説教臭くなりました(笑)。まことに本当にすみません。学部生の皆さんには、でも、ちょっとだけ、こんなお話をしました、とさ。

 ともかく、今を大切に生きて下さい(Seize the day!)
 素晴らしい学生生活を!

 そして人生は続く。

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■2012/10/23 Twitter

  • 21:56  Party of the Future Tokyo@FabCafe、今日も一日面白い人々に出逢えた。感謝、おやすみなさい。
  • 13:35  某学会・基調講演のプレゼンテーションづくり終了。
  • 06:03  【ブログ更新】イノベーションを実現に導く「まっとうな理由づけ」!? : 武石彰・青島矢一・軽部大(著)「イノベーションの理由 -- 資源動員の創造的正当化」:イノベーション実現のために、技術革新をいかに意味づけ、組織を動かすか? http://t.co/kQooO4HQ
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投稿者 jun : 2012年10月24日 08:06


イノベーションを実現に導く「まっとうな理由づけ」!? : 武石彰・青島矢一・軽部大(著)「イノベーションの理由 -- 資源動員の創造的正当化」書評

 ちょっと前のことになりますが、武石彰・青島矢一・軽部大(著)(2012)「イノベーションの理由 -- 資源動員の創造的正当化」(有斐閣)という本を読みました。「イノベーションの実現プロセス」に関する定性的な探究をつづった研究書です。

 本書において、イノベーションとは「経済成果をもたらす技術革新」であるとします。注目するべき要素は2つ。イノベーションを構成する要素は「技術革新」であるだけでなく、「経済効果をもたらす」ということですね。

 特に、後者の「経済効果をもたらす」という部分が大切なところです。「経済効果をもたらす」ということは、「技術革新」が単なる「新たなアイデア」であるだけではなく、それが「生産プロセス」に結びつけられることを意味します。

 具体的にいえば、「工場をつくる」とか、「販路をつくる」とか、そういうことでしょう。
 そして、そうしたものをつくりだすためには、誰かひとりが頑張るわけにはいきません。組織内部において「ヒト・モノ・カネ」の「資源動員」が革新に対して行われる必要があります。

 そして、その「資源動員」のためには、組織内部において、みんなを説き伏せるだけの「まっとうな理由」をつくりだすことが必要です。著者らは、これを「創造的正当化」とよび、「創造的正当化による資源動員」に着目した、イノベィティブな「イノベーション論」を、本書において展開します。まことに面白い部分に着眼なさるな、と思いました。

  ▼
 
 しかし、少し考えてみればわかることですが、この「経済効果をもたらす資源動員」「それを可能にする創造的正当化」というのがまことに難しい。

 それは、イノベーションの特質 - 革新性と不確実性 - という2つの特色からみちびかれる論理的帰結です。

 すなわち、イノベーションとは、誰もみたこともない新しいものであり(革新性)であり、かつ客観的な経済合理性が予測できない(不確実性)であるゆえに、組織内部において「抵抗」や「反対」にあいやすいのですね。人は、見たこともないものには、不信感を持ちやすい。そして、客観的に利得を予測し、主張できないものを - ともすれば、自分のオペレーションや事業への資源配分をおびやかすものを - 許すことはできないでしょう・・・一般には。

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 本書では、「革新」に対して、組織内部においていかに資源動員を行い - すなわち「いかに具体的な製品やサービスとして、生産ラインを動かす資源動員を、どのような創造的正当化によって可能にしたのか」を、大河内賞(生産工学、生産技術の研究開発のイノベーションにおくられる賞)を受賞したイノベーションのケースから事例研究しています。

 もっとも興味深いのは、大河内賞を受賞した数十のイノベーションのうち、イノベーションの芽がではじめた当初、「組織からの支援があったもの」は少なかった、という事実。場合によっては「組織からの抵抗・反対」を受けたものの少なくなかったということ。
 そして、それを説き伏せるために、「組織外部の支援者」などを巻き込んだり、連合をくんだり、助言・情報提供してもらいながら、創造的正当化を行った事例も存在した、という事実です。

innovation_seitouka2.jpg
 
 俗にいえば、

 組織内部の人には、内部から声をあげても、なかなか響かない。
 組織外部の諸力を利用することで、内部を動かす

 ということでしょうね。

 個人的には、イノベーションとは「技術革新」が「創造的」であるだけではだめで、「正当化 - 組織内部を動かすまっとうな理由付け」も「創造的」でなければならない、という指摘が、非常に印象的でした。
 従来のイノベーション論は、イノベーションを促す要因を、「個人の資質」ないしは「個人に与えられた資源」に帰結するか(個人レベル)、あるいは職場や組織のルール、風土、リーダーの振るまいなどに帰結するか(職場・組織レベル)、経営者のコミットメントや理解に求めるか(経営者レベル)、ないしは国家の法整備・経済政策に求めるかであった思います。

「創造的正当化」という視点とは、非常に興味深い視点だな、と思いましたし、また、そのプロセスを明らかにするとは、定性的な事例研究の手法が活きるな、とも感じました。

 あなたの組織で生まれた「イノベーションの芽」・・・
 実現に向かっていますか?

 躓いている事例もありますか?

 それは、
 技術革新のつまづき?
 それとも
 創造的正当化?

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■2012/10/22 Twitter

  • 18:27  対話型鑑賞で、渋谷の街を考える RT @tatthiy: ブログ更新!先日参加したイベントの感想です。→ 渋谷ってどんな街?:まれ美@co-ba libraryに参加してきた!http://t.co/ZthyWJU8
  • 18:26  楽しそう!RT @tomokihirano: [開催報告] まれ美 in co-ba library 「ハチ公はアート?渋谷にまつわるアート作品をみんなで鑑賞!」: http://t.co/B2zl796m
  • 17:18  やべー、今日は、お迎えだ。気合いで乗り切る。たぶん、ギリギリ、間に合うであろう。TAKUZO待ってろよ。
  • 11:08  自己メモ:アジア展開へ積極人材採用 13年度日経調査:イオン、海外勤務を前提とする採用者数2.5倍増。ニトリ、海外からの留学生31人採用。三菱東京UFJ銀行は、若手を国際部門などの成長分野に重点配置(日経)
  • 07:11  【ブログ更新】"考えるということを本気でさせた人"が一番えらい!?:「優劣のかなたに - 遺された60のことば」(苅谷夏子さん著)を読んだ! 戦後を代表する国語教員のひとりである大村はまさんの珠玉の言葉を集め、解釈した書籍です: http://t.co/pjcybStK
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投稿者 jun : 2012年10月23日 05:54


"考えるということを本気でさせた人"が一番えらい!?:「優劣のかなたに - 遺された60のことば」(苅谷夏子さん著)を読んだ!

 戦後を代表する国語教員のひとりである「大村はま」さんの珠玉の言葉をあつめ、解釈した著書「優劣のかなたに - 遺された60のことば」(苅谷夏子さん著)を読みました。

 扱われている内容は「学校教育現場」のお話 - 子ども論・授業論・教師論 - が多いですが、「人間の成長」「人間の学び」に関して深い洞察がなされており、これらの事柄に関心をもつ方であったら、たとえ「学校教育」に直接携われていなくても、愉しく読むことができると思います。

 大村はまさんは、「二度と同じ単元授業」をしないことを自らに課していた希代の国語教員であり、つねに自らに厳しい「授業研究」を課していました。特に、国語の教員らしく、言葉を大切にした方でした。

 曰く、

面白くない話に集中することは、人間としては難しいことです。子ども達がつまらない話や、何度も聴いた話を集中して聞くと行った芸当ができると思うのは、人間への誤解であると私は思います(大村はま)

一番先に浮かんだ言葉は使わないこと。たぶん、それは「自分の癖」だから、いつも同じ事を言っていることになる(大村はま)

子どもに考えさせるということをした人が、いちばん教師としてすぐれている。できるようになったか、ならなかったかは、どっちでもよろしい。けれども、考えるということをさせた事実  - "考えなさいといった人"ではなくて、"考えるということを本気でさせた人"が一番えらい/(大村はま)

メモしなくて忘れてしまったら、それでいい。忘れていいようなことだったのではないかしら(大村はま)

愚問は頭を悪くする(大村はま)

   ・
   ・
   ・

「愚問は頭を悪くする」とは短く鋭い指摘です。そして、影賭けられたこの言葉は、鋭い刃を抱えたまま、ブーメランのように「教師」そのひとに帰ってきます。
 考えるためには、良質の問いかけを必要とすることは言うまでもありません。そのためには、「教え手」にたつ人は、常に研鑽を積まなくてはならないのです。

 ちなみに最近「対話」の重要性がよく語られることがありますが、大村さんは「話し合い」についても、よく言及なさっています。

 曰く、


話し合いは、悪い癖がついてしまいますと、まず直すことは不可能です。話し合いに対する興味を失い、その重要性を軽蔑するようになってしまいます。話し合いなんて時間つぶしでつまらない。みんな聞いてもきいても黙っていて、何も言わない人がいるとか、愉しく話せないとか、話し合っても、結局は、自分で考えたのと同じだ。話し合いがなくても、結局自分自分でやればいいんだ、とそういうふうになってしまいます。(大村はま)

話し言葉というものの世界に、どういう自己開発の瞬間があるかということを悟らせたいと思います。そして、生きた人と生きた人とが、貴重な生命の一コマをつかって打ち合っているそのとき、何が起こるのか、ということを私は悟らせたい(大村はま)

聞く力というのは智慧のはじまりです。耳のあいていない生徒は、まず成功しないと思います。集中して聞けないのは、勉強をしていく上では致命傷だと思います(大村はま)


   ・
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   ・

 常に教材を収集し、命を削りだすように、また、しぼりだすように授業をなさった方だから、子どもに対しても、厳しい目を向けていました。その目は、優しさに裏打ちされていたものでした。

 曰く、

教室でわたしは生徒をかわいいと思ったことなどない。 / かわいいか、かわいくないか、それどころではない。力をつけることで、精一杯でした(大村はま)

子どもたちに、安易に、誰でもやれる、やればやれる、といいたくない。やってもできないことがある - それも、かなりあることを、ひしと胸にして、やってもできない悲しみを越えて、なお、やってやって、やまない人にしたいと思う。

(子どもは)可愛い、可愛いではダメ。メダカ育てたって、可愛いんだから(大村はま)

自分のしたことを、自分で「一生懸命やりました」というものではない、ということを、一年の最初から教えていた。他の人の批判を封じる言い方であり、甘えた言い方である・・・ / 本当に一生懸命になっているときは、一生懸命になっているとは思わないものだ、意識しないものだ/(大村はま)

片々たることを責めない。本人が気がついてない、まずいことは、どうしても言わなくてはなりません。しかし、本人が気がついているよくないことをまた言うというのは、これは人として避けたいことと思います。本人が、ちょっとでも気づいているときには、もうその傷口にはさわならない。さわって痛い目にあわせて、それが辛くてあやまちを繰り返さなくなるなどと言われることがあります。そういうこともありましょうが、わたしは「傷跡なく」なおしたいと思います/(大村はま)

   ・
   ・
   ・

 そして「教員」という自らの存在について、こんなことを述べてられています。それは「渡し守」のような存在だと。その凛とした言葉には、どこか「寂しさ」や「切なさ」も感じます。

わたしは「渡し守り」のような者だから、向こうの岸へ渡ったら、さっさと歩いて行って欲しい、と思います。後ろを向いて、「先生、先生」と泣く子は困るのです。「どうぞ、新しい世界で、新しい友人をもって、新しい教師について、自分の道をどんどん開拓して行きますように」そんな風に、子どもを見送っております(大村はま)
   ・    ・    ・

 このように同著の内容は学校教育現場のものが多いですが、以上のように、その珠玉の言葉は、「人間」について関心のある方なら、楽しんで読むことができると思います。「子育て」で、子どもにかかわる方にもおすすめかもしれません。

 最後に著者の苅谷夏子さんについてです。
 苅谷夏子さんは、現在はオックスフォード大学で教鞭をとられている苅谷剛彦先生の奥様だそうです。苅谷夏子さんは、「大村はまさんの教え子」で、晩年は、彼女を影ながらサポートする仕事に携われていたそうです。苅谷夏子さんの綴る大村はまさんの言葉、そして、その解釈には、大変学ばせて頂きました。
 ちなみに、苅谷剛彦先生には、「教育社会調査実習」の授業で一年間大変お世話になりました(決して僕は優秀な学生ではなかったですが・・・その節は大変お世話になりました)。調査実習は、約1年間かけて、水曜日まるまる1日を使って、自分たちで仮説をたて、質問紙をつくり、統計分析をして、翌年の五月祭で成果発表をする、とい授業でした。Hard Funとはまさにこのことで、大変厳しかったですが、十数年たっても、もっとも印象に残る授業でした。
 
 苅谷夏子さんの本書を最初に手に取ったときは、全く気づかなかったのですが、この本からは大変学ばせて頂きました。What a small worldといいましょうか、勝手に、ご縁のようなものを感じてしまいました。

 そして人生は続く・・・

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■2012/10/21 Twitter

  • 21:17  「愚問」は頭を悪くする(大村はま)
  • 21:15  自分のしたことを、自分で「一生懸命やりました」というものではない、ということを、一年の最初から教えていた。他の人の批判を封じる言い方であり、甘えた言い方である・・・ / 本当に一生懸命になっているときは、一生懸命になっているとは思わないものだ、意識しないものだ/(大村はま)
  • 21:14  メモしていなくて忘れてしまったら、それでいい。忘れていいようなことだったのではないかしら(大村はま)
  • 21:11  今日の読み聞かせ絵本は、「すてきな三人組」です。親のない子供たちを集めて、お城でいっしょに暮らす三人の山賊さんのお話。子どもの頃、僕が好きだった絵本。 http://t.co/CbGnBqQM
  • 20:30  戦後を代表する国語教師、大村はまの珠玉の言葉をエピソードをまじえて解説。その言葉は、学校教育の現場だけにあてはまるものではありません。「人間の成長」「人を育てること」に関心のある方なら、ぜひ>苅谷夏子(2012)「大村はま 優劣のかなたに」http://t.co/Mh03gWGx
  • 20:30  子どもに考えさせるということをした人が、いちばん教師としてすぐれている。できるようになったか、ならなかったかは、どっちでもよろしい。けれども、考えるということをさせた事実  - "考えなさいといった人"ではなくて、"考えるということを本気でさせた人"が一番えらい/(大村はま)
  • 20:25  「一番先に浮かんだ言葉」は使わないこと。たぶん、それは「自分の癖」だから、いつも同じ事を言っていることになる(大村はま)
  • 16:00  子どもたちに、安易に、誰でもやれる、やればやれる、といいたくない。やってもできないことがある - それも、かなりあることを、ひしと胸にして、やってもできない悲しみを越えて、なお、やってやって、やまない人にしたいと思う。(大村はま)
  • 12:35  小生はLサイズ希望!RT @YmayumiY ほしい!@syasuak Mサイズ希望!@akanobu これイイですねー 親子で着たい! RT @nakaharajun: せなけいこ、おばけTシャツ。大人版があったら欲しい http://t.co/U0YOhDM3  [in reply to akanobu]
  • 12:34  TAKUZOも好きでした、、、怖がりながら読みました(笑)RT @inagakimegumi 「ねないこだれだ」ですよね。こわいのに何度も読みました。RT 先日買ったTAKUZOのTシャツ。せなけいこ、おばけTシャツ http://t.co/U0YOhDM3  [in reply to inagakimegumi]
  • 08:50  先日買ったTAKUZOのTシャツ。せなけいこ、おばけTシャツ。これの大人版があったら欲しいなぁ。 http://t.co/U0YOhDM3
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■2012/10/20 Twitter

  • 13:49  ただいま気合いで校正中。ようやく半分、あと100ページ。上田信行先生との共著、新刊「プレイフルラーニング」は12月刊行予定です!お楽しみに http://t.co/hiENNoQa
  • 09:11  東京、16度。東京大学ホームカミングデイ(卒業生・同窓生イベント)のお仕事で、本郷へ。静かな研究室。
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■2012/10/19 Twitter

  • 17:22  予約せねば>グラン・ジュテ「今村久美さん「NPOカタリバ」代表」 NHK Eテレ 土曜日午後10時25分 - 10時50分 : http://t.co/QDqVjj6x
  • 07:35  牛島先生、昨日はどうもありがとうございました!RT@lattedimucca: よろしくお願いします! RT @shotaroymd 東大中原研、法政長岡研、慶應牛島研との合同研究会。テーマは「学びの〈場づくり〉について考える」 #nun
  • 07:21  皆さんの「ステージ」を愉しみにしています。お疲れ様でした!RT @takerunagaoka #nun とても素晴らしい場でした。中原先生、牛島先生、舘野さん、有り難うございました。そして、牛島ゼミ生&長岡ゼミ生、/ さあ、考えるのは「次の機会」についてですね!  [in reply to TakeruNagaoka]
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■2012/10/18 Twitter

  • 19:15  これから小生プレゼンです。緊張するね。RT @shotaroymd 東大中原研、法政長岡研、慶應牛島研との合同研究会。テーマは「学びの〈場づくり〉について考える」 #nun  [in reply to ShotaroYmd]
  • 07:44  熱帯魚水槽にヒーターを取り付けました。もうすっかり秋だねぇ。
  • 07:01  む>米国大学の学費が高騰、社会問題化。2011年-12年、公立大学費上げ幅は平均8.3%。バークリー校の年間学費、州内出身学生は11676ドル(91万)、州外34645ドル(270万)。ハーバード大40886ドル(318万)、コロンビア大学47246ドル(368万)(日経)
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■2012/10/17 Twitter

  • 16:49  授業のため、再び本郷へ。一日に二度出勤している感覚に襲われる。一日が長い。
  • 13:33  本郷での大学院ゼミを終え、駒場へ。学部授業。で、その後は大学院授業のため本郷へ戻る。キャンパス間移動、大変。どこでもドア、望む。
  • 11:41  伊勢坊さんの研究発表。「秘書職の職務行動変化」を質的研究手法でアプローチした論文。秘書職は、経年変化に応じて、どのように職務が拡大し、ボスや組織に対して何をもたらせるようになるのか? #nakaharalab
  • 11:41  関根さんの研究発表。分散協調型のOJTの実証研究。OJT指導員を「ハブ」として、職場の各メンバーによって育成が担われた場合の学習効果。#nakaharalab
  • 11:26  注目されている報告書らしい。高等教育×民主主義。木村充君情報 > A Crucible Moment: College Learning & Democracy's Future : http://t.co/7rxMbjkV #nakaharalab
  • 11:14  夏合宿の成果が、冊子になりました。各メンバーが、自分の研究の中心的概念を調べて、20p程度の小論を書きました。取りまとめをしてくださった保田さん、皆様、お疲れ様でした!#nakaharalab http://t.co/qH3vjaqy
  • 10:18  大学院・中原ゼミ(@nakaharalab) 冬学期は今日から開始です。新規メンバーも参加してくれています。#nakaharalab
  • 07:17  【ブログ更新】ともすれば忘れがちな「実験マインド」を思い出す - 皆さん、最近「実験」してますか?: http://t.co/fBlDLMnF
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■2012/10/16 Twitter

  • 18:55  RT @tatthiy 【参加者募集】第二回 「越境学習×イノベーション論」の研究会を11/1の19時から行います!参加費無料で限定15名です。「オープンイノベーション・社会関係資本」に焦点を当てます。詳細&応募はこちらから http://t.co/HyRYtTK9  [in reply to tatthiy]
  • 18:42  河渡ったね(笑)めでたい>RT @tomokihirano 僕自身、美術館・博物館研究から出発してアート・コミュニケーション研究にかかわる中で、美術館・博物館という関心から離れつつあることを感じている。僕は、今の美術館・博物館にできないことをやりたい #marebi  [in reply to tomokihirano]
  • 17:08  (2)時々「想定外の結果」が生まれたり。本当に希に「期待通り」に面白いことが起こったり。でも、ほとんどは何も起こらない・・・でもそれは「悲観」すべきことじゃないですよね。「人間と人間の出会い、そして、その後のケミストリー(化学反応)」が最高に面白い。
  • 17:07  (1)「あの人」と「この人」が出会ったら「めちゃくちゃイノベィティブなこと」が起こりそうだな、と、考えることが、僕にはよくあります。僕が、いろいろな「場」をつくるときの、根本的動機のひとつは、「そういう出会い」を見たいからなのかもしれません。
  • 08:21  なぬ!興味深し>RT @tatthiy: さっそく登録してみたけど面白い。 → デジハリ、無料動画で学べる「カメラの学校」をWeb上にオープン http://t.co/Rff0DXSS
  • 06:47  「君たちは社会に出て、良き職場や良き上司に恵まれて、社会生活を送るかもしれない。しかし、多くの場合はそうではない。有能だとは思えない上司。自分にあわない仕事内容。さて、どうする? 本当に"かしこい"というのは、そこから始まるのだ」(甲田和衛氏の言葉「生涯学習と自己実現」より引用)
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■2012/10/14 Twitter

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投稿者 jun : 2012年10月22日 07:04


ともすれば忘れがちな「実験マインド」を思い出す - 皆さん、最近「実験」してますか?

 このところ毎年のように、清里で開催される収穫祭「カンティフェア」を訪れています。

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 カンティフェアは、財団法人KEEP協会(Kiyosato Educational Experiment Project)の創設者でもあられるポール・ラッシュ博士がはじめたお祭りだそうで(間違っていたら訂正してください)、毎年、日本全国から、多くの方々が集まり、盛り上がっています。

 八ヶ岳の自然がまずはある。
 八ヶ岳麓の牧草地に、高原のおいしいお料理、エコなグッズをうる出店が立ち並び、コンサートあり、バレエあり、競馬ありの、牛の乳搾りありの、非常に愉快な空間が出現します。そして、短い秋の一日を、みんなで愉しむ。

 僕は「アメリカの収穫祭」に参加したことはないのですが、たぶん(笑)、こんな感じなのでしょう。勝手に類推してますが・・・(笑)。

  ▼

 さて、清里を定期的に訪れるようになって、もう数年がたちますが、その理由は、カンティフェアは面白いし、料理もおいしいし、温泉も素晴らしい(笑)・・・ってのも、確かにあるのですが、それ以上に、もうひとつの意味があります。

 それはここに来るたびに、「今の自分」が忘れがちな、しかし、決して忘れてはいけない、ひとつの「マインド」を思い出すからです。

 それは先ほどKEEPのアクロナムの3番目に位置する「E」・・・そう「Experiment(実験)」です。実験とは言うまでもなく「試行錯誤」であり「失敗を恐れないチャレンジ」です。

 ポール・ラッシュ博士は、この地、清里での自身の挑戦と試みを「教育実験(Educational Experiment)」と表現し、自らの団体を「KEEP
」と名付けました。
 僕は「教育や学び」と「実験」を結びつけた、このマインドに共感を覚えるのです。自らも微力ながら「学びの社会実験を繰り返していきたい」と思うのです。そのことをこの地にくると、思い出すのです。

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   ▼

 実社会において「教育や学び」とは、ともすれば、常に「固定化」「教条化」「大量消費」の方向に向かいます。

「かくかくしかじかの教育方法」がよいということになれば、それが模倣され、大量に消費される。「かくかくしかじかの学習内容」がよいということになれば、それを早期に、なるべく、手っ取り早く憶えることに人々の関心がいく。

 そうではない。
 ポールラッシュ博士は、そういうことに抗いたかったのではないでしょうか。だからこそ、ともすれば「固定化」「教条化」「大量消費」の方に向かいやすい「Educational」という言葉に敢えて「Experiment(実験)」というワードをつけたのではないか、と思うのです。

「教育や学び」こそ「実験」するのだ
そして「よりよきものを」を永遠に追求するのだ

 つまり、

「教育や学び」こそ「試行錯誤」するのだ
 失敗を恐れずチャレンジするのだ
そして「よりよきものを」を永遠に追求するのだ

 ということですね。

 あのー、すみません、真に受けないで下さいね。これは、勝手に僕が想像力をふくらまして、類推して、意味づけちゃっているだけですから(笑)たぶん、そうなんじゃないかな、という感じです。

 思うに、世の中に「実験のできる場所」はそう多くはありません。そして、それは次第に少なくなっています。

 世の中で、もっともリスキーで、もっともチャレンジングなことをなすために創られているはずの「大学」とて、「本当の意味でもExperiment」を行う余地は少なくなっています。

 増えているのは「手堅い実験」「プロポーザルが採録されやすい実験」「重箱の隅をつつくような実験」です。それは研究者の資質の低下という問題ではありません。大学を支える経済的かつ構造的な問題がここにはありますが、これについては、また折りをみてお話ししましょう。

  ▼

 ともかく、「新しく愉しく意義のある学びの場や機会」を創り出すべく、リスキーな実験を繰り返そうと思います。今年も、清里の地をおとずれて、そんなことを考えていました。

 そして人生は続く・・・。

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投稿者 jun : 2012年10月17日 07:13


「先生の力量」を「子どもの絵」で見る、「マネジャーの管理能力」を「オフィス」で知る!?

 学習研究の専門用語ですが、脱中心化方略(decentering strategy)という言葉があります(高木 1996)。

 脱中心化方略とは、

 人間の学習の様子をとらえるために、学習者の「個人的資質」や、彼/彼女が持っている「知識」にフォーカスをあてるのではなく、「学習者を取り巻く様々な状況の変化」を、丁寧に見て、それを記述していこうとするアプローチです。

 誤解を恐れず、ひと言でいうと、「人間の学習」を「知識の蓄積」「個人的資質の変化」と見ずに、「学習者をとりまく世界の関係の変化」と考えることだと思います。「個を見ない、個をとりまく環境を見る」とも言えるかもしれません。

 この言葉に僕が出会ったのは、まだ学部生の頃でしたが、かなり記憶に残っている言葉です。

 当時、高木光太郎先生は僕が所属していたコースの助教さんをなさっていたと記憶しています。その節は大変お世話になりました。

 一見、「個人のもの」と考えられがちな学習を、敢えて、そうは見ない。むしろ「個人を取り巻く環境の変化」とみる。そのように世の中をみると、なかなか面白いことに気づかされるな、と当時から、ほほーと思っていました。

 ▼
 
 これに「ゆるく」関連して(笑)、先日、ある小学校をお邪魔した際、校長先生と放課後の教室を歩いていて、面白いことを聞きました。

 その校長先生は、とても先進的な考え方をお持ちで、自らが「サーバントリーダー」のように振る舞い、中堅教員、若手教員の方々を巻き込んだ「学習する組織」づくりに尽力なさっている方です(また機会をみてご紹介させていただきたいと思います)。

 その先生曰く、

「先生に力があるかどうかは、教室に飾ってある子どもの絵を見れば、わかるものです。同じ単元で、同じ絵を描かせていても、どの程度、子どもの絵にバラエティがあるか、どのような色使いをしているか、何を中心に描かさせているか、といったほんの些細なことによって、先生が、どのような問いかけを子どもにしているか、わかるのです」

「子どもの絵にバラエティがあるということは、先生が、きちんと、子どもに問いかけている証拠です。どんな思いでこの色にしたの? 結局、絵というのは、コミュニケーションなのです。(中略)色使いが荒れてくるということは、クラスに何かがあることが多い(中略)同じ構図であるということは、子どもに先生が考えさせることなく、誰かが書いた構図を他の子どもがマネしている証拠です」

 ICレコーダーをもっていたわけではないので、一字一句正確ではありませんが、そのようなご主旨のことを、校長先生がおっしゃっていたことがとても印象的でした。

 というのも、以前、ある会社の経営者の方とお会いして、同じようなことをっしゃっていたのです。こちらも一字一句同じではないですが、そのような趣旨でした。

「マネジャーの力量は、部下の机やオフィスに現れるものです。マネジャーが本当はどういう仕事をしているか、どの程度力量があるかは、経営者の僕が、社員に問いただしても、誰も本当のことを言ってくれない。だから、僕は、朝一番早く来て、毎日のようにオフィスに行って、ひとりひとりの机をみる。机の上のメモはどの程度あるか、デスクトップにあるポストイットの数はどうか。掲示物はきちんと貼られているかどうか。ゴミはすてられているかどうか。そういうディテールに、マネジャーの力量や人間性がでる」

 ▼

 今日のお話は、ぴったりと「脱中心化方略」にあてはまる話ではないかもしれません(ごめんなさい・・・インスピレーションをふくらまして読んで下さい)。

 しかし、この校長先生や経営者の方が、教員やマネジャーを「見つめるとき」に、「当の本人」を見るのではなく、「子どもの絵」やそこにあらわれる「モティーフ」、そして「部下の机」やオフィスの掲示物、人工物を見ているのは、非常に面白いと思いました。もちろん、それが「真実」なのかどうかはわかりません。しかし、そのような「目」を実践の蓄積の果てに獲得なさったというのが面白いと思います。

 また、校長先生や経営者の方が、「脱中心化方略」といった概念を、たとえ、ご存じないのだとしても、「現場の感覚」でそのような「目」をお持ちであることに、「実践知のすばらしさ」を感じます。

「個人の力量・資質」をおしはかるには「個人」を見ない
 むしろ
「個人を取り巻く周囲の環境」を見る

 脱中心方略的な「目」で、あなたの周囲を見回すと、見えてくるものがありませんか?

 あなたのオフィス、机はどうですか?

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■2012/10/12 Twitter

  • 21:47  以前、ANAさんの職場にお邪魔させて頂いたときは、CAの方々には紙のマニュアルが配布されておりました。興味深い記事>iPadはANA客室乗務員の業務をどう変えたか : http://t.co/nrHgkBzI
  • 21:05  かつて、僕が企画したラーニングイベントで偶然お隣同志になった若い方同志で、そのときの出会いがきっかけになって「結婚」したという方に、今日、出会いました。新規事業・新商品がうまれたという方はこれまでにもおりましたが、なんと「結婚」とは! 嬉しいことですね。末永くお幸せに!
  • 19:49  同様のことを感じておられる方も少なくないかもしれませんねRT @rkazuki: 私がこのところ感じている違和感を、見事に言い当ててくれてます...RT 「グローバル人材育成」という言葉をもう止めませんか!?http://t.co/SnuAREOG
  • 10:38  【ブログ更新】「グローバル人材育成」という言葉の利用をもう止めませんか!?:「グローバルな活躍に寄与する人事プロセス」をつくる: http://t.co/SnuAREOG
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投稿者 jun : 2012年10月12日 09:59


「グローバル人材育成」という言葉の利用をもう止めませんか!?:「グローバルな活躍に寄与する人事プロセス」をつくる

 現在、某社との共同研究(調査をともに行って下さっている皆様、心より感謝です!)で「海外で活躍できる日本人マネジャーの見極めと育成」に関する研究をしています。去年の冬頃からプロジェクトを立ち上げ、数ヶ月間のヒアリング調査を終え、現在、定量データの把握に入っています。

 すべてのデータセットが揃うまでには、まだまだ時間がかかるのですが、この仕事をしていて、つくづく思うことがあります。

 それは

「グローバル人材育成」という言葉の利用をもうやめた方がいい

 ということです。

 グローバル人材育成という言葉は、「人材」という言葉が指し示すように、「海外で活躍できる要因」を「個人」に矮小化してしまうような気がします。「個人」さえ変われば、「グローバルで活躍できる」ということです。でも、それは本当でしょうか。

 むしろ、まだまだ不十分ながら、僕らの手持ちのデータの実感からは、

「グローバルな舞台で人が活躍できる人事プロセスをつくりこむ」

 といった方がいいような気もします。

 くどいようですが、前者の「グローバル人材育成」は、介入の対象が「個人」です。
 つまり「ある個人が英語ができない」ということになれば、「英会話を学ぶ機会」を準備することになります。「異文化が理解できない」となれば「個人に対して異文化理解の研修をうつ」ということになります。もちろん、そうした機会も大切なこともあることでしょう。

 しかし、海外で仕事をしている日本人マネジャーの声に耳を傾けるたびに、それで本当に「海外で活躍できるのかな」という思いがしてきます。
 むしろ、大切なのは、もしかすると回り道になるのかもしれませんが、「グローバルな舞台で、人が活躍できる人事プロセスを作り込むこと」にあるように思うのです。つまり「グローバル人材育成」ではなくて、「グローバルな人材プロセスをつくる」ことになります。正確にいうと、これは二者択一の議論ではありませんね。「グローバルな人材プロセスをつくる」の中に、その一部として「グローバル人材育成」が存在する、ということになります。

 しかし、そういうややこしい整理をしなければならないほど「グローバル人材育成」という言葉は強固で、ある固定化した、偏ったイメージを「聞く人」に喚起してしまいます。「個人さえ変われば、何とかグローバルで活躍できる」といった具合に。
 
 だからこそ、敢えて、粗雑な整理だということは理解しつつも、ひと言でいいます。

 「もうグローバル人材育成って言うの、もう、やめませんか?」


  ▼

「グローバルな人材プロセス」は「採用」から「育成」「異動」にいたるまで、いわゆる人事プロセスのそれぞれにおいての対処を必要とします。

 たとえば「採用」や「選抜の基準」。
 どういう若手を採用するかは、自社のどういう人材が海外にでて活躍し、どういう人材が海外では仕事が難しくなるかを子細に分析することが必要でしょう。日本の人事部は、各種の個人情報をデータとして蓄積してきました。これらのデータをうまく使えば、ある一定数の海外赴任者が存在する場合に、「あるパターン」が見えてくることはないでしょうか。少なくとも僕の手持ちのデータからは、「海外で活躍できない人」の特性が浮かび上がってくるような気がします。

 例えば「国内での育成」。
 国内での育成体系は、近い将来、グローバルに活躍できる人材を安定的、かつシステマティックに輩出できるような仕組みになっているでしょうか。

 また海外赴任の「最初の打診(注意!内定ではないですよ)」は、どのくらい前に本人に通知され、どのような準備機会を提供しているでしょうか。1ヶ月前に「最初の打診」があった、という事例も、少なくない気がします。

 現代の海外赴任は、僕は「3重苦」だと思います。1)赴任自体が若年化しており、2)ロンドンやニューヨークではない新興国であり、かつ、3)必ずしも英語が通じる国ではありません。

 特に1)は深刻です。赴任者が若年化するということは、必然的に赴任地での役割が「はじめての管理職」になることが確率として高いこと、さらには「子どもが義務教育段階にあるような家族をともないやすいこと」を意味しています。

 このような状況下で、少なくとも「1ヶ月前の最初の打診」は、あまりにも酷ではないでしょうか。それで、安心して、海外で活躍することができるのでしょうか。

 つぎに「現地での仕事」。
 現地での仕事は、現地法人の代表のマネジメント、現地の状況に、多くの場合、委されますが、その状況はヘッドクォーターが把握・モニタリングできるシステムになっているでしょうか。

 海外勤務を終えた日本人マネジャーから、よくお話しをお聞きするのが、「もっとも最悪なときに現地に塩漬けにされ、もっとも仕事がノッてきたときに本国に返される」という異動です。

 また、困ったときのメンタリングシステム(支援システム)は存在するでしょうか。
 どの文献の指摘を見てもそうですが、現地のマネジャーが困ったときにもっとも助けになるのは、「本社」でもなく、ましてや「社外のメンター」でもなく、「同じ境遇にある同じ方面に赴任している信頼のおけるマネジャー」です。こうした接点をいかにつくっていくか、が問題になるのだと思います。

 最後に「帰任」。
 帰任後の評価やそれにともなうキャリアは、海外での活躍を加味したものになっているでしょうか。

 損得勘定してみると、国内で仕事をしていた方が特であった、という人事システムが完成しているのなら、人は「合理的選択」の結果として、グローバルな舞台で活躍しようとはしません。それは「合理的選択」の結果です。

 帰任後のショック、あと、帰任後に巻き込まれる様々な「やっかみ」は、海外勤務時のリアリティショックと同レベルであるという研究も存在します。いずれにしても、対応が必要な気もします。

 特に、現在、日本企業が取り組んでいるグローバル関連の人事施策は「若手」が中心です。こうした現状に対して、中堅以降の方々が、どのように反応するのか - ネガティブな感情を持たないのか - が課題であるような気がします。

 これはサイバーエージェントの曽山さんの言葉ですが「どんな人事施策でも、必ず、誰かに白けが生まれます」。「今日もどこかで、誰かが白けている」。そして、その「白け」を検出し、芽をつむことが、人事の仕事でもあります。

 あなたの組織のグローバル関連施策が、誰に「光明」を与え、誰に「白け」を与えているのかを考えてみることは、無駄なことではないのかもしれません。

  ▼

 今日はツラツラと、思っていることを述べてきました。

 今日の僕の話の趣旨「グローバル人材育成」ではなく「グローバルな人材プロセスをつくりこむ」という観点は容易なことではないのかもしれません。しかし、長期的視野にたった場合には、どうしても、それから逃れることは難しいのではないか、という印象をもっています。
 その観点にたった場合、「採用 - 選抜 - 赴任 - 帰任」、それぞれにおいて考えるべき事、やるべきことは多いような気がします。もちろん、いわゆる「グローバル人材育成」もそのひとつです。しかし、それがすべてではありません。
 
 ともかく、現状は、たとえば「英語」や「異文化理解」といった、万人にとってわかりやすい、いわゆる「個人を対象にしたグローバル人材育成施策」が、これらの「プロセス」とは独立して存在しているような印象をもっています。

 つまり、

 「採用」は「採用」
 「育成」は「育成」
 「キャリア開発」は「キャリア」

 そして、それらとは別に

 「グローバル人材育成」は「グローバル人材育成」

 といった具合に。。。

 これらをいかに統合するかも、大きな課題でしょう。

  ▼

 いずれにしても、またデータが揃いましたら、この議論をデータをもとにしていきたいと思っています。今は印象論しか語れないので恐縮ですが、地に足がついた議論ができればと思っています。

 そして人生は続く。

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■2012/10/10 Twitter

  • 22:04  RT @tatthiy 学習科学については以前「NAVERまとめ」で少しまとめましたので興味ある方はご覧下さいませ。→ネットで読める「学習科学(学習理論・プロジェクト)」に関する記事まとめ http://t.co/wOhajxeP  [in reply to tatthiy]
  • 21:37  面白そうだね>RT @tatthiy 【参加者募集】「学習科学ワカモノ勉強会」がスタートします!詳細はこちらをご覧下さい! http://t.co/wk95Yjam  [in reply to tatthiy]
  • 16:20  教養学部授業「メディア創造ワークショップ」第一回目終了。今年も40名弱の学部生の皆さんが集まってくれました。満員御礼。機材の関係で、やむなくセレクションせざるを得ない状況です。課題ミニレポート、愉しみにしています。Have hard fun!
  • 13:13  【ブログ更新】仕事のなかで、あなたを最も成長させた「出来事」をブロックで表現してみましょう:ミドルマネジャーの作品に見られる「3つのよくある光景」:火事場・タフネゴ・ひとりぼっち http://t.co/RTT2H9Bc
  • 07:30  (2)去年の冬学期開講・駒場全学自由ゼミナール「メディア創造ワークショップ2012」成果・作品「東大発2012」が、iTunes Uコレクションランキング24時間で、95位⇒15位に急浮上 http://t.co/2vkHfeqG
  • 07:29  (1)本日から開講。教養学部「メディア創造ワークショップ(全学自由ゼミ)」この授業では、1)学生が現役記者の方、映像ディレクターに指導を受けながら、2)社会人にインタビューを行い、2)電子書籍を作成・配信します。http://t.co/2tD2nnHL
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投稿者 jun : 2012年10月11日 10:34


仕事のなかで、あなたを最も成長させた「出来事」をブロックで表現してみましょう:ミドルマネジャーの作品に見られる「3つのよくある光景」:火事場・タフネゴ・ひとりぼっち

「仕事をはじめてから、あなたをもっとも成長させた出来事を思い出して下さい。そのときの、あなた、あなたの仕事・あなたの職場の状況を、ブロックを用いて、5分間で表現してみてください。

このワークの目的は、上手な作品をつくることではなく、下手であったも、その作品を指さしながら、自分の仕事や職場の状況を語ることです。それでは5分間で御願いします」

   ・
   ・
   ・

 今のあなたが、こういうインストラクションに出会ったとしたら、どのような「かたち」をつくりますか?

 ここではブロックを用いていますが、1)誰にでも扱うことができて、2)上手・下手の差が出にくくて、3)片付けやすいもので、かつ、4)それなりの抽象度があるようなものであれば、どんな「表現メディア」であっても、かまいません。

 いずれにしても、これまで自分が、仕事をしてきて、もっとも印象に残る場面・出来事をひとつ思い起こして、そのときの「自分・自分の仕事・職場の状況」を「表現」してみるとしたら、どんなかたちをつくりますか?

  ▼

 ブロックのみならず、様々な「表現メディア」を用いて、これまで、僕は日本のビジネスパーソンに、こういうエクササイズをしてもらいました。たぶん、その総数は、もう千人規模になっていると思います。

 「表現」を通じて、自分の仕事や職場の状況を他者に対して語り、「内省」を深める。いわば「表現メディア」は「語りのためのメディア」でもあり、「内省のためのメディア」でもあります。
 僕にとって「表現」とは「語り」を媒介するメディアであり、「他者に対して語り」が駆動するとき、「内省」が生まれるのだと思います。

  ▼

 日本のビジネスマンに対して、こういうワークをしていて、圧倒的に面白い(失礼かもしれませんが・・・)のは、自分と同年代のミドルクラスの方々にワークをやってもらった場合です。
 特に彼らの「修羅場体験」の「表現」「語り」は、非常に興味深いものがあります。

 さすがに、他者のつくったオリジナルを紹介するのは、憚れるので(笑)、よくあるモティーフを再現してみましょう。

 まず、よくあるモティーフは、下記のように「自分が背負わされていること」を表現するパターンです。

legowork1.jpg

 先日印象的な作品をおつくりになったこの方は、あるIT企業につとめておられる方です。

 この方の表現した内容は、「納期遅れで火を噴いているあるプロジェクト」です。自分は、この「修羅場プロジェクト」の「火消し役」として、現場の責任者をまかされました。頭の上にのっている「お花畑のついた人々」は、「プロジェクトに火を噴かした張本人たち」だと思われます。

 この方が大変なのは、自分の前方に「お客様」がいて、そちらを向いて闘っているのに、後方にも、一人、組織の中から「恐ろしい影」が忍び寄っていることです。
「忍び寄る影」の手には、前で闘っている自分をねらう「刀」が握られていることがわかります。

 実は、本当の敵は前にいるのではない。事実、前方の人々は、武器をもっていません。本当の後にいた「組織内部の人間」だった、というわけですね。

 おお、恐ろしい。
 くわばら、くわばら。
 でも、こういうこと、よくありませんか?
 
 ▼

 働く大人がつくるブロック表現で、最も頻繁にあらわれるモティーフのひとつが、「長くのびた橋」のようなものの先端に、自分が位置づけられているものです。

legowork2.jpg

 この方は、ある外資系の方とのタフな交渉を担当なさっていたのですが、自分(赤い忍者)は、追い込まれて、もう後がないことがわかります。これ以上、もう譲歩はできない。しかし、前方にいる交渉相手(モンスター)は、じりじりと詰め寄ってきています。

 ブロックの右には、モンスターに倒された人なんでしょうか。横たわる人々の群れが見られます。

 こういうモティーフも、よくあらわれます。印象的には、特に、右も左もわからないまま職場に投げ込まれた新入社員、タフな交渉を迫られているミドルクラス・役員クラスが、こうした表現をすることが多いように感じます。

 ▼

 最後は、成果を出さなければならないと焦っているミドルマネジャーに多い表現です。そういう方は、よく「車」を使った表現を行います。

legowork3.jpg

 このミドルマネジャーは、自ら方針を示し、自ら率先して、自分の職場の新規プロジェクトを率いていたはずでした。
 しかし、振り返ってみると、職場のメンバーは、動かず、ミドルマネジャーとは反対側を向いていることがわかります。
 かつ、皮肉なのは自分だけが「車」に乗っていたことに気づかされます。他のメンバーは「徒歩」であるにもかかわらず。

 ▼

 ちなみに、今日のブログ記事を書いたら、数時間のうちに、何人かの方から、「新人の場合はどうなんだ?」というご質問をいただきましたので(笑)、ちょっとだけ、ご紹介します。

 新人(新入社員)に対して、入社半年後、「現在の、あなたの仕事・職場の状況を表現してください」というインストラクションをいたしますと、よく彼らの作品の中に出てくるメタファは「階段」や「輪」です。

「階段」は、下図に見るように、おそらく、仕事ができるようになっていくプロセスを表現している場合と、キャリア(昇進)までの長さを表現しているのではないか、と思います。

legoworkshinjin1.jpg

 興味深いのは、自分と上の世代とのあいだには、比較的長い「間」が表現されることです。つまり、人形と人形の間隔は広い。それに対して、上の世代同志は近い関係にあり、「だんご」のようになっていることを表現なさる方が、時折おられることです。

 これは「上の世代(バブル世代以前)」の人数が多く、いわば「だんご」になっており、「上が、つかえていること」「自分のキャリアに見えない天井があること」を表現しているのだと思います。

 新入社員のつくる作品に多いのは、あとは「輪」です。「輪」というより、「人形の向いている方向が向中心的である」というんでしょうか。作品の中に含まれる人形が同じ中心を向いているものを、僕は「輪」とよんでいます。

「輪」は「自分の働く圏内」、すなわち「職場」を表現しているのだと思います。「輪」には「ポジティブな輪」と「ネガティブな輪」いうものがあります。

「ポジティブな輪」は、下図のように、マネジャーを中心に、職場の統制がとれており、かつ、皆が同じ方法(中心に向かって)を向いているような「輪」ですね。比較的、「よい職場」に配属された新人達の作品に多いでしょうか。マネジャーの頭が「火がボーボー」になっているのは、多忙さの表現でしょうか。

legoworkshinjin2.jpg

「ネガティブな輪」は、確かに人形は「輪」を構成しているものの、全員がバラバラな方向を向いていたり、かつ、「頭がとれている人形」「倒れてしまっているような人形」から構成されます。
 多くの場合、新人は、自分の働く先を選ぶことはできません。あまり状況のよろしくない職場に配属された新人が、こうした表現を行うことが多いような気がします。

 あとは、近年、とみに多くなっているのは、自分が「新人」として保護されていることを、下図のように「壁」で表現する事例です。

legoworkshinjin3.jpg

 新人は、新人としてよばれる1年間は、なるべく外界 / クライアントなどからの厳しい要求にあてずに保護されている会社も少なくありません。この壁が急になくなるのは2年目以降になります。この2年目以降に戦々恐々としている事例も、まま、目にします。

 また「新人を保護している」というモティーフの作品をつくるのは、人事・人材開発をご担当なさっている方に多いような気もします。実際、そのような人事施策が打たれているケースも少なくないのかもしれません。

 だいたい新人のつくるブロック、表現は、こんなかたちでしょうか。これ以外に、先ほどにも述べましたように「細い棒」というのも、頻発するモティーフです。皆さんの会社・組織の新人さんたちは、どのような「かたち」を表現なさるでしょうか。

 ▼

 Anyway・・・

 こういうワークに「正しい / 間違っている」「うまい / 下手」はありません。
 自分が思いもよらないことを、自分で表現してしまっていることを発見するのは驚きですし、また自分の作品を他者に語り、そこから意外なコメントがくるのも面白いものです。

 今日はビジネスパーソンの事例を紹介しましたが、これまで、僕は、民間企業の役員、ミドルマネジャー、実務担当者に加えて、医師・看護師・小中高校の現場の先生方など、多種多様な職業の方々に、このワークをやってきました。

 今まで最低人数は1対1です。つまり「サシ」(笑)。その方は経営者の方でしたが、レゴを素材に2時間語り続けました。涙あり、笑いありのハートフルなストーリーでした。

最大人数は、横浜市教育委員会の仕事で、500名の10年次研修の教員の方々に、レゴワークをやらせていただきました。学校の様子、現場をとりまく500のシーンが、あらわれました。

 面白いのは、職種によって、表現が微妙に変わることです。
 たとえば、医師・看護師のおつくりになる作品には、「ベット」や「寝ている人形」が多くなります。言うまでもなく、「ベットサイドの患者」ですね。印象深い出来事は、患者との相互作用の中にあることを表現なさっているようです。

 下記に期間限定!?(わかんない・・・盛り上がらなければすぐにしめる)で、Facebookページをつくってみました。ぜひ、皆さんの作品・そこにまつわる物語をアップロードしてみてくださると面白いかもしれません。

1.タイトル
2.どのような業界におつとめですか?
3.何を表現していますか?(ポジション・役割など含む)

 投稿なさる際は、ぜひ、上記を書いてくださると、コメントや思わぬ共感が生まれるかもしれませんね。

 そして人生は続く。

「忘れられない仕事の一瞬」:Management, Expression and Reflection
http://www.facebook.com/ManagementExpressionAndReflection?skip_nax_wizard=true

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■2012/10/09 Twitter

  • 18:22  RT @tomokihirano: 「積極的に行為される"見る"や"聞く"」いわば「能動的な受動性」はずっと僕の関心事。 RT NEOファシリテーション論をめざして 「プロセスの知を磨くワークショップ」に参加しませんか? http://t.co/HCiFOpw5
  • 16:18  【ブログ更新】NEOファシリテーション論をめざして : 「プロセスの知を磨くワークショップ 第一回目」に参加なさいませんか? 今回は幼稚園で、子どもと遊びながら個を見る体験をしてみます。学部生・大学院生限定です。どうぞご検討下さい。 http://t.co/HCiFOpw5
  • 06:59  拙著に書評いただいたようです。心より感謝です>【書評】経営学習論 人材育成を科学する 中原淳著 ~新しい時代に合わせた上級者向け人材育成論(中沢孝夫先生・福井県立大学地域経済研究所所長):http://t.co/683qxwBr
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投稿者 jun : 2012年10月10日 13:02


NEOファシリテーション論の構築をめざして : 「プロセスの知を磨くワークショップ 第一回目」に参加なさいませんか?

 研究には大きく分けて「仕込みの時期」「実験・分析の時期」「公開の時期」があります。プロジェクト毎に、このサイクルのどこに自分のプロジェクトがあるのかを意識しつつ、自分でやらねばならぬこと の負荷量をマネジメントしながら、研究を進めていきます。

 僕の場合、今年に入って論文の公刊・出版があいつぎ、いくつかのプロジェクトが「公開の時期」を迎えました。もうひとつだけ「公開の時期」を迎えているものがあります。それは、上田信行先生との共著「プレイフルデザイン」です。この書籍が公開直前の作業(レイアウト作業をしてくださっている三宅由莉さん、感謝です)に入っていますが、このお話しは、また別の機会にいたします。

Playful Devices - 三宅由莉さんの活動
http://playfullearningdevices.com/PLD/home.html

 概して見てみると、現在は、ちょうど「仕込みの時期」に入っている研究が多いです。現在、志をともにする方々との共同研究で「仕込んでいる」のは

1.海外で活躍する日本人マネジャーの資質・仕事環境に関する実証的研究
2.全く新しいコンセプトで開発されたリーダーシッププログラムの開発研究
3."大学経験"と"企業での仕事"との関連をさぐる実証的研究

 です。

 これらの諸研究が「実験・分析段階」を終え、「公開」され、晴れて多くの方々の目にとまるまでは、まだ今しばらく時間がかかりますが、地道な仕事を続けていきたいと思っています。

  ▼

 そんな中、ようやく「仕込みの時期」を終え、「実験段階に入ったプロジェクト」があります。「実験段階」といっても、僕らの研究分野の場合、「白衣を着て、シャーレに薬品をふりかける」ような、いわゆる「実験実験した風景」ではなく、あくまで、実施するのは「社会実験」となります。

「社会実験」では、「様々に机上で思案したコンセプト」を、「学びの場」として実装し、そこに多くの方々に参加してもらい、その妥当性・問題点を検証し、さらなるコンセプトのブラッシュアップに入ります。
 「社会実験」と銘打ってはいますが、行うべき内容やクオリティは、本番同然でのぞみます。むしろ、社会実験段階の方が、ラディカルで、荒削りで、面白いことがたくさん起こる、といっても過言ではありません。

 今回社会実験を行う研究は牧村真帆さんとの共同研究で、その特徴を、ひと言で表現するのだとすれば、「新しいファシリテーション学習講座(NEOファシリテーション論の構築)」です。今日はそれについて、綴ってみることにしましょう。
 
  ▼

 近年、「学習のための技術・デザイン論」「人の相互作用を生み出すための方法論」「教え方の技法やプログラム論」が日々生まれ、その様相は「情報爆発」の様相を呈しています。書店にいけば、この種の類書は、多数目にすることができます。

 そして、こういう時代だからこそ、敢えて、「それらとは一線を画するアプローチ」を、牧村真帆さんと僕は、模索していました。

 私たちが注目したのは、
 
「見ること」
「聞くこと」

 です。

 ここだけ聞くと

 は?

 という感じになりますし、「なんだよ、そら、ベタベタなコンセプトだよ」、と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、それでいいのです。敢えて、この一見ベタベタなコンセプトとファシリテーションをつなぎ、「ファシリテータ養成をめざした、新たな実験的ワークショップ」を開発し、実施し、そのプロセス自体を本にすることにしているのです。

 あとに述べますが、この実験的ワークショップには、参加希望の方を募集することになりました。以下、長くなりますが、もし共感頂ける方は、ぜひ参加をご検討いただければ幸いです。

   ▼

 ことのはじまりは、自分たちの活動で生じた問題関心からはじまりました。

 これまで、僕や牧村さんは、多くの「学びの場」を、学生から社会人に至るまで、志ある様々な人々とともに、企画・実践してきました。

 2005年から2009年まで実施した「ラーニングバー(Learning bar)」からはじまり、1000人規模のイベント「ワークプレイスラーニング」を経由して、今では経営学習研究所の中で、さまざまなイベントを開催しています。

イベントリスト:ラーニングプロデューサーとしての中原の活動
http://www.nakahara-lab.net/learningbar.html

牧村真帆さんのWeb
http://maholab.net/

経営学習研究所のイベント活動
http://mallweb.jp/

 さて、様々な「学び系イベント」を経験してきて、ここ数年、僕たちは、痛感してきたことがあります。
 それは、そういう「学びの場」の企画やら、ファシリテーションやら、そうしたものにとって、最も必要なことは「技術」や「手法」ではない、ということです。誤解を恐れずにいえば、「それ以前に大切なことがある」ということです。

 アイスブレークの手法、ファシリテーションの技法、ワークショップのルール・・・この世界には、様々な「技術」や「手法」や「ルール」が溢れています。類書も数限りなくあります。そして、そういう「学び系イベント」を「これから」主催しようという人々は、すでに、そうしたものを書籍やWebなどで目にして、これらを参考に、実践にあたるパターンが少なくありません。

 もちろん、それらの「技術」や「手法」や「ルール」が「不要だ」と言っているわけではありません。そうではなくて、それらの「技術」や「手法」や「ルール」以前に、「真っ先に大切にされるべきこと」があるのではないか、と思うのです。

 もちろん、ここで「個人的資質おち」「才能おち」「Beingおち(個人のあり方)」することは避けなければなりません。研究に足がかりをもつものとしては、あくまで後天的に学習可能で、かつ、記述可能なものに、私たちは注目したいと考えています。

 世の中で大切だと思われることは、いつも時代でも、シンプルなことです。

 僕たちは、

 学びや人々の相互作用の促進にとって
 最も大切なことは「見ること」「聞くこと」ではないか
 そして、それが最も大きな困難なのではないか

 という「妄想的仮説」をもつようになりました。

 「見る」も「聞く」も一見、受動的な行為に見えます。「目が機能を果たしてさえいれば見える」「耳が機能していさえすれば聞こえる」 - 一般にはそう考えられがちです。しかし、わたしたちは「積極的に行為される"見る"や"聞く"」にこだわりたいと思うようになりました。

 なぜなら、それらの「見る」「聞く」が、様々な手法を裏打ちする「前提情報」を、ファシリテータ本人に提供するからです。

「氷山のようなどでかいアイスを溶けさせるアイスブレークの手法」を知っていても、「どんなに軽やかな議論を生み出せるファシリテーションの手法」を知っていても、それが「適切なタイミング」で行使されない限り、効果は望めません。

「適切なタイミング」は、教授者やファシリテータが、しっかりと「学習者の状況や動きを見ること / 状態を聞くこと」から把握できます。しかし、多くの場合、これが難しいし、それに対するトレーニングが行われません。

 しかし、ここにこそ「陥穽」があるのではないだろうか。
 立場上、様々な研修・セミナー・ワークショップ・授業を観察させて頂く機会が多いですが、多くの実践での失敗は、この「見ること」「聞くこと」の失敗にあるような気がしてなりません。

「あのー、そこで、そんな風に問いかけても、学習者がこの状況じゃ、意味不明じゃないかなぁ?」

 という「あさっての発問」がなされることもあります。ここで問題になっているのは、「問いかけ」ではありません。「学習者の状況」に応じて、それがなされないことです。

「あとはグループワークでの議論をもとに、皆さん自身で、答えを見つけてください・・・か。でも、このタイミングで、参加者に、この活動をブンなげても、アウトプットは期待できないだろうな」
   ・
   ・
   ・
 観察をさせていただきながら、こんな風に思うこともあります。

 誤解を避けるために言っておきますが、それぞれの「問いかけ」や「アクティビティ」それ自体は、間違っていないのです。問題は、それ「以前」なのです。
 ちょうど「氷山モデル」のように、海の表面よりも上に出ている部分(技法・手法)に人々の注目や関心があたり、それを可能ならしめる海の水につかった下の多くの部分(見ること・聞くこと)にフォーカスがあたっていない印象をもっています。

 要するに、実践がうまくいかない場合、「学習者を見ることができない」「コミュニケーションを聞くことができない」のではないだろうか。確かに、ワークショップやファシリテーションやその他諸々の手法や、技術や、やり方は、この世の中に溢れている。でも、それが「タイミング」を逸してなされることが、少なくないように感じるのは、僕だけでしょうか。

 逆に、僕が尊敬する教授者、ファシリテータの方々は、手法や技法やルールは、もちろん知っている。しかし、それ以上に、彼らがすごいのは、それに「こだわらないこと」であり、「場を見ていること」です。

 学習者の様子の変化、相互作用の流れ、そうしたものを「見て」「聞いて」その上で、最適な「打ち手」を考えている。そして、その「打ち手」に対する「反応」を「見て」「聞いて」、次を決めようとしているような気がするのです。

 それは多くの場合、言語化できるものではありません。しかし、そうとしかいいようのないような動きを、彼らはするのです。

 そんな僕たちの経験から、敢えて、「見ることのトレーニング」「聞くことのトレーニング」にこだわった「実験的ワークショップ」を数回にわたって実施してみようと思っています。

 特に、今回こだわりたいのは「プロセスを見る」「プロセスを聞く」というところです。「プロセスを見る」「プロセスを聞く」という部分をフォーカスして、敢えて「プロセスの知」という概念をもうけてみました。私たちは「見る」「聞く」にあたって、「プロセス」にこだわりたいと思います。
 
 わたしたちは、日々、忙しい生活をしていて、ついつい「アウトプット(出力)やプロダクト(結果・生産物)」に意識が集中しがちです。しかし、そこで犠牲にされているのは「プロセス」に対する「高アンテナの高さを維持すること」です。

 もちろん、それが「訓練可能なのかどうか」はわかりません。
 それを確かめるのが「社会実験」です。
 
 今回実施する社会実験は、わたしたちが今後数回にわけて行う「実験的ワークショップ」の初回であり、一回分です。今回こだわるのは、プロセスの知の中でも、「個」です。「個のプロセスを見る」のワークショップを実施したいと考えています。

 何が起こるか、はたまたうまくいくかどうかはわかりません。
 でも、ここでは詳細に語りませんが、この間に行ってきた理論的検討の結果的にも(勘のいい研究者の方なら、中原や牧村さんが、どんな研究や、どんな言説空間・どんな哲学的立場のエッセンスをファシリテータ論に新結合させようと思っているのか、もうおわかりだと思いますが・・・笑)、実践的直感的にも、何となく面白いことが起こるような予感があります。

 もしうまくいかなかったら、皆さんで、ブラッシュアップしませんか。そんな機会にもなればいいな、とも感じています。

 個人的には、今回のワークショップは「学びのファシリテーション」を銘打っていますが、現代を生きる人々が、もっとも見失っていることを扱っている、と思っています。

 部下の仕事を管理するとき、生徒の学びを向上させたいと願うとき、もっとも大切なことは、「見ること」であり、「聞くこと」であるはずです。しかし、パフォーマンスや生産性や時間に追われ、私たちは「見ること」や「聞くこと」の意義を、時に忘れがちなのではないでしょうか。

 もちろん、皆さん、忙しいので、いつもいつもそのことばかり気にしていることは難しいと思います。しかし、折に触れ、いつもは犠牲にしがちな「見ること」「聞くこと」の意義を見つめてみる。そんな「最初のきっかけ」を作り出せたら、いいな、と感じています。

 こうした社会実験に参加なさりたい方 - 今回は特に学部生・大学院生の方々 - なのですが、ぜひ、下記の参加募集をお読みになって、ぜひご参加いただければ幸いです。
 社会人の方は、どうか、もう少しだけお待ち下さい。「プロセスを見るワークショップ」は、今回から数回続いていきます。またご連絡差し上げますので、どうぞご検討ください。

追伸.
 今回のワークショップ自身は、いくつかの理由があり、学部生・大学院生限定で実施します。今回得られた知見、および、トラヌタヌキの何とやらですが、近い将来的に実施する「プロセスの知を磨くワークショップ」は、長期的視野にたった場合「企業内人材育成」における「講師養成論」「ファシリテータ養成論」につなげていければいいな、と思っています。

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NEOファシリテーション論をめざして

「プロセス・インテリジェンス」ワークショップへのお誘い
学び、創造・・・ファシリテーション
「見ることのトレーニング」

【2日間:大学学部生・大学院生限定】

10月26日(金)・29日(月)都内幼稚園
主催:経営学習研究所 Process Design Lab / Style Lab.
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経営学習研究所から、新たな「実験的プロジェクトのお知らせ」です。
このたび経営学習研究所では「学びや創造の場を社会に生み出そうと
している人々」が、さらにスキルアップを果たすための全数回のワーク
ショップ「プロセス・インテリジェンス・ワークショップ」を開催し、
その様子を出版することになりました。このワークショップでは、
「学びと創造」という人間が持つ素晴らしい力を引き出すために
必要な「目」をやしないます。

つきましては、初回のワークショップを10月26日・29日、成城ナーサ
リィ・スクールにて開催します。初回ワークショップでは「個を見る」
にこだわります。どうぞふるってご参加下さい。

以下、「プロセス・インテリジェンス・ワークショップ」に賭けた
わたしたちの思いです。企画の詳細になりますので、もしご興味が
おありの方は、参加の前に、どうぞご覧下さい。

近年、「学び」「創造」は「個人の資質・能力から生まれる」とされる
よりも、「人々のコミュニケーションやかかわりの中から生まれるも
のだ」とする考え方が生まれています。

異なる社会背景をもつ人々が、出会い、対話することで、個人単独では
到達できなかった、新たなアイデア・意味・着想が生まれうるというの
です。

こうした着想のもと、様々なワークショップや知識創造の場が、世の中
に生まれ始めています。

しかし、ここには「豊かな可能性」がある一方で、「乗り越えるべき課
題」も生まれているように思います。

「多種多様な人々を、いかに出会わせ、彼らにどのようなコミュニケー
ションを営ませ、それらをいかに促していくのか」が必ずしも「容易な
こと」とは限らないからです。

中には、人は多く集めたものの、実のあるかかわりや、やりとりが生まれ
ないといった事例も散見されます。人々の相互作用を促し、コンテキスト
をつくりあげるファシリテータ、コーディネータの「力量」が改めて問わ
れることになります。

それでは、場をつくるファシリテータやコーディネータにとって必要にな
るものとは、いったい、「何」でしょうか。

書店に行けば、ファシリテーションに関する様々な専門書、一般書はすで
に存在しています。また、ファシリテータが身につけるべき様々な手法・技
法・心構えも広く流通しています。

わたしたちは、それらの既存の言説に価値を認める一方で、それとは
「一線を画するコンセプトのもと、実験的なワークショップ」を実施したい
と思っています。

本連続ワークショップでは、ファシリテータが身につける最も大切なものと
して「プロセスの知」を提唱します。

「プロセスの知」とは

「"今、ここ"で起こっている人々の相互作用、人々が経験しているであろう
出来事をつぶさに観察し、見極める知のあり方」

です。

学びや創造の場を活性化することにつながるような「介入」「ゆさぶり」
「ファシリテーション」をおこなうためには、それぞれの「現場」において
「どのような相互作用、出来事」、すなわちどのような「プロセス」が生じ
ているかを「見極めること」が必要になります。
人々がどのような「プロセス」の中に「ある」のか適切に「見極めること」
ができなければ、いわんや、相互作用に介入したり、プロセスを促進する
ことはできません。

いくら表面的に「手法」や「技法」を身につけても、「プロセスの知」
を行使することなしでは、それを用いることができない。わたしたちが
「プロセスの知」に着目する理由は、ここにあります。

それでは「プロセスの知」を研ぎ澄ませ、磨いていくとは、いったい、
何によって可能になるのでしょうか。

わたしたちは「ファシリテータ自らが、"今、ここ"のプロセスにかかわる
経験・学習活動を体験し、その経験自体を内省することである」と考えます。

「今、ここ」で起こっている出来事を見ること、聞くこと、語ること、記述
すること。そうした「地道な経験の蓄積の果て」に、「プロセスの知」は開
花すると考えるのです。

プロセスインテリジェンスワークショップは、このような思いから生まれました。
もしこの思いにご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、下記の参加条件等
をよくお読みになって、どうぞふるってご応募ください。

ゆく河の流れは絶えずして
しかも、もとの水にあらず

"河を見る"のではなく
"流れる水"を見る

古より、幾人もの知識人が指摘した「プロセスの知」の世界へようこそ!


牧村真帆
中原 淳

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■共催
経営学習研究所 Process Design Lab / Style Lab.
中原 淳 / 牧村真帆

■日時
第1日目:2012年10月26日(金)午前8時集合 - 午後5時まで
第2日目:2012年10月29日(月)午前8時集合 - 午後5時まで
※両日ともに参加頂ける方のみ、申し込み下さい
集合は二日とも、成城学園前駅北口(大きい方)改札でお願いします。時間厳守。
一日目は懇親会あり(費用は別途請求させて頂きます:3500円程度)

■参加費
お一人様:二日間で5000円
最大で6名まで

■準備するもの
・上履き(スリッパ不可、動きやすいもの)
・お弁当
・動きやすく、汚れても良い服装(ただし写真等が公開される可能性があります)
・筆記用具
・小さなメモ帳、筆記用具

■場所
都内幼稚園

info [あっとまーく]mallweb.jp (小池)

■内容 (1日目・2日目)
8:00 - 8:30
プロセス・インテリジェンスとは何か?(中原)
本日の説明(牧村)

8:30 - 9:00
移動・スタンバイ

9:00 - 13:45
Play and Observe....

14:30-15:30
Reflection

15:30-16:30
Cafe

16:30-17:00
Lecture「個を見るとは何か」(中原)
リフレクション・シェアリング(牧村)

■参加条件

下記の諸条件をよくお読みの上、参加申し込みください。
申し込みと同時に、諸条件についてはご承諾いただいて
いるとみなします。

1.両日ともにご参加頂ける方、また子どもたちと遊んだり、
話したり、すべての保育活動にご参加いただける方を募集いたします。
今回の参加者は、大学の学部生ないしは、大学院生に限ります。

2.本ワークショップの様子は、予告・許諾なく、写真・ビデオ撮影
・ストリーミング配信する可能性があります。
写真・動画は、経営学習研究所、ないしは、経営学習研究所
の企画担当理事が関与するWebサイト等の広報手段、講演資料
、書籍等に許諾なく用いられる場合があります。マスメディアによ
る取材に対しても、許諾なく提供することがあります。

3.本ワークショップの活動の様子、そこで参加者の方が創造
なさったあらゆるものは、様々なメディアに記録し、企画者の
執筆する書籍刊行物等に転載することを許諾していただきます。

4.欠席の際には、お手数でもその旨、info [あっとまーく]mallweb.jp
まで(小池)ご連絡下さい。

5.本ワークショップは「実験的」なワークショップです。その趣旨を
ご理解の上、御協力願える方にご参加頂ければ幸いです。

6.人数多数の場合は、抽選とさせていただきます。10月18日まで
にお申し込みをいただき、19日には抽選結果を送信させていただき
ますので、あしからずご了承下さい。

以上、ご了承いただいた方は、下記のフォームよりお申し込みください。

お申し込みフォーム
http://tinyurl.com/9smmol7

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■2012/10/08 Twitter

  • 17:10  僕自身は読んだことはないですが、こんな本も発見しました。いずれにしても「招待状のデザイン」って面白いですね>「横尾忠則が招待するイッセイミヤケパリコレクション」http://t.co/ci7JSCCf
  • 17:08  Future Beauty展もよかったです。印象的だったのは、横尾忠則さんがデザインした三宅一生さんのコレクションの招待状。あんな招待状もらったら、絶対に行きたくなる。@chiquichika ひぇー RT 庵野秀明特撮博物館、3時間半待ち・Future Beauty展に変更  [in reply to chiquichika]
  • 17:05  そういえば、そんな話もしていましたねぇ>RT @kichitakanyo 中原淳先生が語る先行研究のまとめ方。文章が面白い。こんなユニークな人だったんやね。RT 先行研究をまとめる5つのプロセス、陥りやすい3つの罠 http://t.co/2Q57R7fL  [in reply to kichitakanyo]
  • 11:05  庵野秀明特撮博物館、3時間半待ちとのこと。泣ける。Future Beauty展に変更。
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■2012/10/07 Twitter

  • 09:57  お察しのとおり「臨床の知」の議論と「ファシリテーション」をむすびつける、実験的なワークショップです! RT@tkanai1954 中原さん、これまたおもしろそうですね RT プロセス・インテリジェンス ワークショップ http://t.co/oG1kYP7w #malljp
  • 09:53  金井先生、ご紹介感謝です!RT@tkanai1954: 学生の皆さん、ぜひ!RT 【プロセス・インテリジェンス ワークショップ〜学び、創造、ファシリテーション〜】参加者募集中!http://t.co/oG1kYP7w #malljp
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■2012/10/06 Twitter

  • 21:22  負けて、勝つ
  • 20:37  学生の皆さん、ぜひ!RT @makimuramaho 【プロセス・インテリジェンス ワークショップ〜学び、創造、ファシリテーション〜】! 中原先生と企画しています。場づくりに興味がある学生さんぜひご参加を!http://t.co/oG1kYP7w #malljp  [in reply to makimuramaho]
  • 07:40  生まれてはじめての「運動会の場所取り」。誰もいないと思ったら、かなりいてびっくり。お疲れ様です。
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■2012/10/04 Twitter

  • 21:54  雑誌「VOGUE」の写真を手がけ、名だたるファッションブランドで活躍する写真家「Tim Walker」。カミサンが「この人の写真、面白い」というので、僕も見てみました。素晴らしい。完璧なまでに作り込まれた「プチ毒のある非日常の世界」。http://t.co/LQty6NF9
  • 21:14  運動会のお弁当のお買い物リストに、なぜか、「ぞうりむし」と「ネズミ」が(笑) http://t.co/ARnKpzOS
  • 11:42  お詳しいですね、笑。RT @clione: 柿の種の元祖・浪花屋さんの秋冬限定商品ですね。ご愛顧感謝です(^^) RT 柿チョコ、ヤバイ、止まらんわ。ハッピーターンに続く危機。 http://t.co/tt7PlPna
  • 10:05  柿チョコ、ヤバイ、止まらんわ。ハッピーターンに続く危機。 http://t.co/tt7PlPna
  • 09:17  小生の「滝廉太郎的・丸メガネ」ありました。帰りに乗せてもらった車の中。めでたい。お騒がせいたしました。
  • 08:06  ありがとうございます(笑)昨日一日どこで何をしていたかを、朝から思い出しています(泣)。RT@tadanomakoto 僕の老眼鏡は本のしおりになってました(笑)早く見つかるといいデスね!  [in reply to tadanomakoto]
  • 07:48  買ったばかりの丸メガネ、見あたらず。紛失か?(号泣) 昨日、いつまでかけていたかなぁ・・・
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■2012/10/03 Twitter

  • 07:09  【ブログ更新】舞台にあげて育成すること : http://t.co/XkW050GG
  • 06:08  メモ>三井化学、外国人の本社採用拡大 年間10人以上に、将来、海外現地法人を運営できる人材の育成をめざす。一方、入社10年以内の若手社員のうち3~4割を海外在住経験者にする(日経)
  • 00:09  おっ、ここにあったね。キャサリーンのファシリテーションによるドラムサークル:Art & Heart of Drum Circlesなどなど:http://t.co/ymv7C0KI http://t.co/8KEeIvnr http://t.co/NpxG1F7J
  • 00:00  「ドラムサークルで人材育成!?」経営学習研究所・田中理事の企画ワークショップの報告記事です(お疲れ様です)。当日はドラムサークル体験、人材育成への可能性をさぐるダイアローグなどで盛り上がりました: http://t.co/ovxW8m42
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投稿者 jun : 2012年10月 9日 16:05


舞台にあげて育成すること : MALLのもうひとつの愉しみ方

 今年に実務家・研究者の有志で立ち上げた経営学習研究所の活動も、ようやく本格化してきました。事務的な仕事、すなわちオペレーションの確立は、まだまだ予断を許しませんが(笑・・・油断大敵火がボーボー)、ようやく「今、そこにある危機フェイズ」を脱しつつあるのだと思っています。

「無秩序の中から秩序を見出していくことが学び」であるとするならば、この半年は、僕たちにとって「学びの連続」でした。申し訳ないですが、この間、「かなり学ばせていただきました」(笑)、、、組織を立ち上げるということが、どういうことか、世間で信頼を得るということが、どういうことか、よくわかりました。「安定期」めざして、「もうひとふんばり」していきたいと思います。

  ▼

 先日は、田中理事が、パーカッショニストの橋田ペッカーさんをお招きして、「ドラムサークルで人材育成」というイベントを開催しました。ドラムサークルとは「輪になってドラムをみんなで叩くこと」です。

「ドラムを叩くこと」はそれ自体「愉しいこと」なのですが、それに加えて、チームビルディングや、仕事の智慧などを学べるように工夫されていることが、このワークショップの肝かと思います。当日の開催報告を、理事ご本人がなさっているので、ぜひこちらをご覧下さい。僕も大変愉しむことができました。

「MALL☆ドラムサークル - MALLと一緒にドラムサークルを体感し、人材育成について考える」
http://jqut.blog98.fc2.com/blog-entry-1700.html

  ▼

 今後もMALLのイベントはさらに活性化していくと思うのですが、今日は、僕の方から、もうひとつの楽しみ方をお知らせします。

 それは、MALLが積極的に「パッションはあるけれども、経験がない、大学生・大学院生を、"舞台"にあげて、人材育成をしていること」です。
 受付、タイムキーピング、進行・・・「イベントに埋め込まれている様々な仕事」「イベントに付随している舞台」を通して、「志ある大学生・大学院生」を、理事全員が、ひそかに「育成」しているのです。

 別に誰に頼まれたわけではありません(笑)。また「それをやったから僕らにすごい得があるというわけでもない」と思います(笑)。
 ですが、MALLは、それをやることを、設立当初の理念に掲げていました。待ったく「理念で突っ走る、お節介な組織」ですね(笑)。

 例えば、受付。
 挨拶・スマイルからはじまり、お辞儀の仕方、言葉のかけ方、言葉遣い、トラブル対応、動線確認。

gakubu_ikusei.jpg

 イベントが始まる前には、こうした下準備・教育を、各理事が、入念に繰り返しています。

gakubu_ikusei1.jpg

 こちらはタイムキーピング。
 時間進行をモニタリングし、ファシリテータに適宜、ウィスパリングします。こうしたやり方も、牧村さん・平野さん・岡部さんをはじめとして、先輩理事たちが事前指導しています。

gakubu_ikusei3.jpg

 イベントによってはディレクターをたてることもあります。
 ディレクターを委されれば、理事の指導のもと、すべてのロジスティクスの管理を行わなくてはなりません。先日の田中さんの会では小池君が、ついこないだの僕のイベントでは松浦さんが頑張ってくれました。

gakubu_ikusei4.jpg

 MALLのイベントにお越しになる方は、人事関係者の方が多いと思うのですが、そうでない方も、ぜひ、イベントで学生さんたちの動きを見てくださると、もうひとつの楽しみ方ができると思います。

「最近の学生は・・・だからダメだ」なんてことはありません。教えるべきところはしっかり伝える。しっかり基礎・基本を教えて、「舞台」があれば、たいていの「困難」は乗り越えることができる。むしろ、クリエィティブに仕事ができる、とMALLは信じています。

 See you at Next Stage...

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■2012/10/02 Twitter

  • 15:31  野村・広井・尾崎(2007):1999年の歯の平均寿命は下顎左側中切歯で男性66.6年、女性66.1年。もっとも短命な歯は下顎左側第二大臼歯で男性50年、女性49.4年。http://t.co/WHmYlvyz
  • 15:30  野村・広井・尾崎(2007):1955年、東京の10万人あたりの歯科診療所数は49.6箇所。全国平均の1.79倍。2000年には82.6箇所に増加(全国平均は49.9箇所、最も少ない島根県は37.8箇所)。http://t.co/4foL5m1m
  • 15:30  野村・広井・尾崎(2007):平成15年歯科診療医療費は2兆50000億円に対して歯科医師数は92874人。一般診療医療費は24兆0931億円に対して医師数は270371人。http://t.co/yLdq96An
  • 15:30  半年前くらいから「歯」の治療をしています。「転んでもただでは起きぬ」ということで今日深く読んでみました>野村・広井・尾崎(2007)「日本の歯科医療政策」以下、気になったファクトデータを同書より引用 http://t.co/qtWQbPIc
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■2012/10/01 Twitter

  • 23:05  「事務局考」というエッセイを2年前に書いていました。http://t.co/x589K7Xq RT どの派手な舞台にも「裏方」がいる。で、その「裏方さん」が「舞台表のパフォーマンス」を決めてるんです そういう人々にこそスポットライトを!@makimuramaho
  • 22:59  僕は「妄想・暴走・闘争系」です。もし本気の本気のマジヤヴァそうなら、どうか、僕を止めて下さい、、、(泣)そうでないのでしたら、どうかご寛恕を。引き続き、御願いします(笑)。
  • 22:53  どの派手な舞台にも「裏方」がいるんです。で、その「裏方さん」が「舞台表のパフォーマンス」を決めてるんだよね、本当は。僕は好きだなぁ、そういう話。そういう人々にもスポットライトを!RT @makimuramaho @mikadukihime @satoshi_hashimo  [in reply to makimuramaho]
  • 22:49  僕ね、近いうち「経営アート論」という本を書きそうな予感がします(笑)。アートマネジメントじゃありません。マネジメントアートです。要するに「経営 × アート(表現)」の「新結合」ということです・・・「河渡る」どころか、もう既に「三河くらい渡ってる」んで、ダハハ(笑)。こうご期待!
  • 22:43  素晴らしく、怪しいコラボを!愉しみにしています>RT@mikadukihime やるやるやります!RT 最高に面白い!>RT @makimuramaho 私のラボ内の一つのプロジェクトでやりませんか?ご協力くださる方いらっしゃるでしょうか RT大人の学び振興のためのグッズ製作  [in reply to mikadukihime]
  • 22:41  最もソリのあわないと思われている二つが「新結合」するとき、面白いことが起こるんだよ。フフフ。未来のビートが聞こえるでしょう? RT @tomokihirano 「経営×サイエンスはあるが、経営×アートはあまりないのではないか」という中原先生の言葉に勇気をもらった。  [in reply to tomokihirano]
  • 22:27  面白い!>RT @makimuramaho 私のラボ内の一つのプロジェクトで @mikadukihime さん本当にやりませんか?ご協力くださる方いらっしゃるでしょうか RT「大人の学び」振興のためということなら是非 RT 中原先生、公式グッズ/どうですか?  [in reply to makimuramaho]
  • 22:26  なるほどね、そっから来るか(笑)RT @satoshi_hashimo やっぱりお約束として、ウチワとTシャツとタオルは必要ですよね。ラップアップの時にみんなでタオルをふるわけです。  [in reply to satoshi_hashimo]
  • 22:24  マジ、リアルに作ってみて! 面白いじゃん(笑)お二人のコラボは最高だと思います(笑)> RT WSグッズとかも! RT @mikadukihime 妄想スパーク中 RT @makimuramaho 公式グッズラボ立ち上げ
  • 21:56  妄想は頭のコヤシです(笑・・・かなり古いね)http://t.co/3HgvjDTY RT @mikadukihime 妄想スパーク中 @makimuramaho 公式グッズラボ立ち上げどうですかね?割と本気で笑。 RT 公式グッズ笑!  [in reply to mikadukihime]
  • 21:54  小生も登録してみた(笑)!RT @tatthiy 【RT歓迎】「越境学習×イノベーション論~組織を超えたイノベーションの可能性を考えよう!~」のイベントレポートを公開しました!当無料ですので興味ある方はぜひ!http://t.co/JzgiHFBd
  • 21:48  「大人の学び」振興のため、ということなら是非御願いします!RT @mikadukihime 先生、公式グッズラボ立ち上げどうですかね?割と本気で笑。 @makimuramaho RT 公式グッズ笑!  [in reply to mikadukihime]
  • 20:53  その節は大変お世話になりました。感謝です!RT @mitate1123: 楽しい授業。ちなみに私は去年取材を受けました。: 「メディア創造ワークショップ」、今年も東大・教養学部で開講!http://t.co/pgWXrmll
  • 15:09  【拡散御願い2】メディアに興味のある方、就職や働くことに問題意識のある学部生の方、インタビューやコンテンツ開発を行ってみたい方の受講を歓迎します。初回授業は10/10(水)4限 21KOMCEE 2F K201 http://t.co/5eHR45bK
  • 15:08  【拡散御願い1】今年も教養学部駒場キャンパスで「メディア創造ワークショップ(全学自由ゼミ)」を開講します。この授業では、1)学生が社会人にインタビューを行い、2)コンテンツを作成し、3)iPhone/ipadで読める電子書籍を配信します。http://t.co/2tD2nnHL
  • 09:16  そうですね。今日は小生も「TAKUZOのぐずぐず」に苦戦しました(泣)。RT @syasuak: 「週末疲れ」を引きずることもあるしねえ(´・_・`)RT 月曜日の保育園は、修羅場だね。「急ぐ親」と「ぐずる子ども」。
  • 08:42  月曜日の保育園は、修羅場だね。「急ぐ親」と「ぐずる子ども」。
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■2012/09/30 Twitter

  • 23:12  金井先生、CREOは初めて拝見しました。ペッカーさんの歴史がわかる興味深い対談ですね。RT @tkanai1954 素晴らしいペッカーさん登場ですね。わたしとの対談がCREOに載っているの、お伝えしたことがありましたか。http://t.co/Qv0M60r3  [in reply to tkanai1954]
  • 23:04  金井先生、ご多用中原稿チェック心より感謝です。12月出版+イベント実施めざして頑張りたいと思います! RT @tkanai1954 上田信行先生×中原淳さんとの共著 / Unconferenceの本が間もなく出る日近し。わたしも入っての鼎談で / 経験を振り返り語り合う。  [in reply to tkanai1954]
  • 22:43  ありがとうございました!心より感謝です。よい振り返りの機会です(笑)RT @mikadukihime 最後に今日の中原先生プレバースデイ。プレゼントはブログとツィート読み返して作成したコトバアートカレンダー。 #malljp http://t.co/w8UA82pX  [in reply to mikadukihime]
  • 22:42  MALLは「イベントを通して学生さんを舞台にあげて育てます」!小池さん、お疲れ様でした!RT @mikadukihime 今日一番の学びはディレクターのコイケさんへの潤さんの指導を拝見したこと。コイケさんに「あなたが指示を出すんだから自信持って言いなさい」と。#malljp  [in reply to mikadukihime]
  • 22:40  こちらはビデオです。今日の「ドラムサークルで人材育成!?」(田中理事・橋田ペッカーさんらのラボ企画)の様子を、少し垣間見られるかと思います。でも、ドラムサークルは、体験が大切かもしれませんね。ご興味のある方はぜひ! http://t.co/q1dFMmr8 #malljp
  • 22:30  経営学習研究所・田中理事・橋田ペッカーさんらのラボ企画「ドラムサークルで人材育成」の写真です。このページ(11ページ)から1ページ目のあいだに、本日の写真があります。ご笑覧ください。 http://t.co/1SUtBgKc #malljp
  • 21:38  (2)今、写真・ビデオなどを整理しています。終わりましたら、またご連絡を差し上げます。あっ、そうそう、僕がおすすめのドラムサークルのDVDはこちらです。数々のビデオを見ましたが、クリスティーヌさんのつくる場が僕は好きです。http://t.co/4HPPwwQA #malljp
  • 21:38  (1)今日は経営学習研究所・田中理事のラボ企画「ドラムサークルで人材育成」に参加しました。内田洋行さんのプロデュースにより、ユビキタス協創広場CANVASを会場として、ペッカーさんのファシリテーションのもと、皆さんでドラムを愉しみました。ご参加頂いた皆様感謝です。#malljp
  • 14:36  9/30(日)「ドラムサークル体験と人材育成」ワークショップ、はじまりましたワークショップ!http://t.co/Qkuw8gB9 #malljp http://t.co/FpS6HaNb
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■2012/09/29 Twitter

  • 20:31  RT @j_center 明日のファシリテーターであるペッカー橋田さんの「Beat of Success」のサイトでも経営学習研究所(MALL)でのドラムサークルの件がアップされています。ご参照ください。 http://t.co/z8dbxNfi #malljp  [in reply to J_center]
  • 20:30  いよいよ明日ですね。愉しみにしています! RT @j_center sMALLラボ企画 「MALL☆ドラムサークル ドラムサークルを体感し、人材育成について考える~」はいよいよ明日開催です。今日はぼちぼち予習ネタをつぶやきますね。ハッシュタグは、#malljp です。  [in reply to J_center]
  • 13:20  TAKUZOを「蕎麦食い」に育てる http://t.co/HUMd3y6F
  • 01:53  秀逸なメタファですね(笑)>RT @okamoto4433 筋肉痛になる程度の負荷がないと筋肉が強くならないのとおんなじ、だと思う。RT 今の自分には、少し無理があっても、「なりたいもの」を演じるといいね。演じたものにしか、人は、なれないかもね。今日の背伸びは、あしたの日常。  [in reply to okamoto4433]
  • 01:50  さらに知りたい方には、こちらをどうぞ(笑)>高尾隆+中原淳(共著)「インプロする組織  予定調和を超え、日常をゆさぶる」(三省堂):http://t.co/prLN9Hp7
  • 01:50  「企業で広がる即興劇 すごく刺激になりました!」記者が体感した「インプロ」の効用(後編)(日経ビジネスオンライン) http://t.co/yxxAHEB2
  • 01:47  「企業で広がる"即興劇"? 分からないから参加してみました!」記者が体感した「インプロ」の効用(前編)(日経ビジネスオンライン) http://t.co/DpsCRLYT
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■2012/09/28 Twitter

  • 20:53  注文。カミサンの誕生日のプレゼントのうちの「一品」らしい。「一品」ということは、まだ、あるのか?>「Tim Walker Pictures」:http://t.co/3Cbx3gb0
  • 17:46  今の自分には、少し無理があっても、「なりたいもの」を演じるといいね。演じたものにしか、人は、なれないかもね。今日の背伸びは、あしたの日常。
  • 17:04  ようやく来た。エミネムのブルーレイ。夜見るのが愉しみ。 http://t.co/drddNWU8
  • 16:56  密かに小生もちゃっかりお話しします RT @todai_navi 10/20 東大モールシンポジウム :「東大モール」は、東大卒業生が主催・共催している朝カフェや勉強会のネットワーク:http://t.co/CWfquOkI  [in reply to Todai_Navi]
  • 16:54  なぬ。この人の研究・実践は、高尾隆さん×中原著「インプロする組織」とか、上田信行さん×中原による近刊「プレイフルデザイン」に、かなり関係あるのではないだろうか、と勝手に妄想する>「Vygotsky at Work and Play」 http://t.co/YUXvdAzr
  • 15:39  2012年「Unconference」の開催日が正式に決まりました。12月8日 / 9日@奈良県・吉野・neomuseumです。詳細は後日。どうぞお楽しみに!:Unconference(ユーザー参加型・学び系イベント) http://t.co/8GCaNTFP
  • 14:15  TAKUZOが小さい頃、行ったなぁ>こどもの城 2年半後に閉館へ NHKニュース http://t.co/k81LVCpt
  • 14:14  【開催報告・ブログ更新】経営学習研究所ラーニングイベント「現場を歩き、イノベーションを生み出せ!」が終わった! 富士通フィールドイノベーションの試み & イベント実施の経験を通して、学生は学ぶ : http://t.co/yu6JfxyC
  • 13:19  9/30(日)「ドラムサークル体験と人材育成」に若干キャンセルがでたので【追加募集】のお知らせです。明日の朝9時まで、先着5名です。ご希望の方は、mallkoho@gmail.comまでメールをお願いします。http://t.co/Qkuw8gB9
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投稿者 jun : 2012年10月 3日 07:02